写真を教えていると、
不思議だなと思うことがあります。
撮影会の最中は、
みんな本当に楽しそうなんです。
「わー!」
「撮れた!」
「かわいい!」
「これ好き!」
そんな声が飛び交う。
私も横で見ていて、
いい時間だなぁと思うんです。

ところが。
家に帰ってSNSに投稿すると、
急に自信をなくしてしまう人がいる。
「全然反応がありませんでした」
「やっぱり私の写真はダメなんでしょうか」
「もっと上手い人がいます」
そんな相談が来るんです。
そのたびに私は思います。
いやいやいやいや、
なんでそうなる?
数時間前まで、
あんなに楽しそうだったじゃない。
夢中で撮っていたじゃない。
あの写真、
本当にダメな写真だった?
私はめっちゃ好きだけれどーーー。
そう考えたときに、
ひとつの疑問が浮かびました。
私たちは、
写真を撮っているんだろうか。
それとも、
反応を撮っているんだろうか。
もちろん、
反応が嬉しいのは当たり前です。
私だって嬉しい。
コメントがついたら嬉しいし、
「参考になりました」
と言われたら励みになる。
誰かと繋がれるのは、
とても幸せなことです。
だから、
反応を求めること自体は
悪いことじゃない。
むしろ自然なことだと思います。
でも、
いつの間にか順番が逆になることがある。
本当は、
写真を撮る。
↓
楽しい。
↓
楽しさのシェアで
誰かに見てもらう。
だったはずなのに、
気づけば、
写真を撮る。
↓
投稿する。
↓
反応を見る。
↓
その反応で写真の価値を決める。
そんな流れになってしまうことがある。
すると、
少し苦しくなります。
なぜなら、
写真の価値を決める権利を、
自分で手放してしまうから。
いいねが多ければ嬉しい。
少なければ落ち込む。
コメントが来たら安心する。
反応がなければ不安になる。
でも、
よく考えたら不思議なんです。
昨日と今日で、
写真そのものは何も変わっていない。
光も。
構図も。
色も。
その写真を撮ったときの気持ちも。
何ひとつ変わっていない。
変わったのは、
他人の反応だけです。
それなのに、
私たちは時々、
反応を見てからでないと、
自分の写真を好きになれなくなる。
これ、
写真だけの話じゃないんですよね。
仕事もそう。
発信もそう。
人生もそう。
誰かに認められたら価値がある。
誰かに褒められたら正しい。
そんなふうに思い始めると、
少しずつ、
自分の感覚がわからなくなる。
私は最近、
「反応の奴隷」という言葉を
よく考えます。
SNSの奴隷とか、
アルゴリズムの奴隷とか、
そういう話ではありません。
もっと怖いのは、
自分でも気づかないうちに、
反応を基準に生き始めること。
反応の奴隷になると、
「感じる」より先に
「評価される」が来る。
綺麗だな。
より先に、
数が伸びるかな。
楽しいな。
より先に、
ウケるかな。
伝えたいな。
より先に、
バズるかな。
そんなふうになってしまうことがある。

私は商品写真を教えていても、
同じことを感じるんですよね。
売れている人は、
お客様を見ています。
売れなくなる人は、
SNSを見ています。
ライバルを見ています。
アルゴリズムを見ています。
もちろん分析は大事。
研究も大事。
でも、
数字ばかり見ていると、
自分が何を伝えたかったのか
分からなくなってしまう。
なぜこの商品を売りたいのか。
なぜこの仕事をしているのか。
なぜこの写真を撮ったのか。
そこが抜け落ちる。
「まゆさん、この競合の反応がいいので、
私もこんな風にした方がいいですか?」
という相談もよく来ます。
うーん。
マーケティング的には、
たぶん合っています。
でも、
続けられるかどうかは別なんですよね。
なぜなら、
写真って、
心を無視して撮れないから。
本来、
写真は誰かに評価される前に、
自分の心が動いたから撮るものだったはずです。
綺麗だった。
美味しかった。
感動した。
伝えたかった。
その原点があるから、
写真には力が宿る。
だから私は、
たまには誰にも見せない写真を
撮ることも大事だと思うんです。
投稿しなくていい。
仕事にも使わなくていい。
評価もいらない。
ただ、
自分が好きだと思ったから撮る。
それだけ。
すると不思議なことに、
忘れていた感覚が戻ってくることがあります。
ああ、
写真って楽しかったな。
そういえば、
撮ること自体が好きだったな。
そんな感覚です。
反応を見るな、
という話ではありません。
反応は見ていい。
喜んでいい。
励みにしていい。
ただ、
写真を撮っているつもりが、
いつの間にか
反応を撮っていないだろうか。
数字ばかり追いかけて、
自分の心を置いていっていないだろうか。
それだけは、
時々立ち止まって考えてみても
いいのかもしれません。
まあ、
偉そうに書いていますが、
私もたまに怪しいです。笑
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