kyupinの日記 気が向けば更新 -2ページ目

人が集中できる時間が短くなっていると思われること

 

 

上の記事は2025年5月の時点で、アメリカではストリーミングによる視聴が、従来型の放送およびケーブルの合計割合を超えたことを伝えたものである。

 

ストリーミングとは、YouTube、Netflixなどを言うが、概ね時間とともに視聴時間を増やしている。

 

 

上の記事からストリーミングは、

 
YouTube 11.6%
Netflix      8.2%
Disney+   4.8%
Amazon prime  3.5%
従来型放送   21.2%
ケーブルテレビ   23.2%
 
となっているが、ストリーミングのトップのYouTubeは、長尺の動画よりショート動画が好まれて視聴されていると言う。
 
主なSNSの動画、TikTok、Instagramなども非常に短い動画が特徴で、これらを見るとSNS動画が従来のテレビ番組を侵食し次第にシェアを伸ばしていると見ることもできそうである。
 
おそらく今の若い世代の嗜好の影響が大きくなっているのである。
 
最近の記事は、テレビの主役交代という視点で書かれているものが多い。しかし、実は今の人は集中できる時間が次第に短くなっているのでは?と感じている。
 
例えば日本の大河ドラマは長期的な低下傾向にある。かつて黄金期には40%ほどの視聴率があったが、近年は10%前後に低下している。この原因の1つにテーマのマンネリ化を言われているが、もし傑出したテーマの大河ドラマが放映されたとしても、たいして視聴率が上がりそうにない。
 
今後、長尺のドラマや映画などのコンテンツの嗜好がどのようになっていくか注視している。
 
このような嗜好の変化は、dopamineが連続して出るようなコンテンツがより好まれている印象である。例えばYouTubeの特にショート動画が増えているのを見てもわかる。短い時間で多くの動画を見ることができるからである。
 
おそらく今の人は、長尺の連続ドラマを見続けることは、エネルギーの消耗が大きすぎるのであろう。脳が欲求するdopamineが続かないのである。
 
特に映画でもイントロがダラダラした展開だと観続けることのハードルが高くなる。その点ではジュラシックパークやスターウォーズのようにいきなりクライマックス的な場面から始まると集中が続きやすい。
 
これらは、若い世代でも特にZ世代の嗜好が大きいと思っていた。Z世代とは、2025年時点で約13歳〜29歳の人たちである。
 
しかし、最近はそれだけでもないと思うようになった。実は、認知症ではない高齢者も充分に集中できる時間が短くなっている。テレビの番組に集中して視聴することもエネルギーが必要だからである。
 
このようなことを考えていくと、現在の高齢化社会への移行も嗜好変化に影響している。
 
認知症の人が病棟のフロアでぼんやり?テレビを観ている光景は案外奥が深い。
 
認知症で理解力が低下すると、映画やドラマなどの展開ではdopamineは出てきそうにない。今は地上波であまりないが、ボクシングなどのスポーツは視覚的にインパクトはありそうである。
 
しかし、その光景はじっとテレビを観ているのは確かであり、脳内がどのようになっているのか推測がつかないところはある。
 
ひょっとしたら長年の習慣でテレビの前に座っているだけかもしれない。
 
おそらく集中力と言うワードの枠外なのである。
   

昔のエールフランスと機内喫煙の話

 

 

今回は上のスピンオフ的な記事である。この中でヘビースモーカーの医師が出てくる。

 

ずっと昔、航空機内でも喫煙が可能で、喫煙席と禁煙席で今で言う分煙であった。狭い機内で分煙もなかろうと思うかもしれないが全然違う。機内は換気が良いからである。

 

当時、旅行会社のツアーで海外旅行をする際、事前に喫煙席と禁煙席が選択できず、機内に乗ったらそこは喫煙席だったことが、その逆より遥かに多かった。これはタバコを吸わない人にはかなり苦痛なことである。

 

最初の数年は我慢して喫煙席に座っていたが、逆にタバコを吸いたいのに禁煙席に割り当てられてい人たちもおり、交渉して席を替わってもらったことも何度もある。典型的には若い男性2人で海外旅行する人たちである。

 

今から考えると、当時は日本人も喫煙率がかなり高く、海外旅行のオプショナルツアーでタバコ休憩の際には、新婚旅行のカップルの男性は全員と言うほど喫煙のために屋外に行きいなくなった。

 

そういえば、メーデーというナショジオの番組で、墜落した航空機の残骸を調べていたところ、機体の破片に線状にタバコのヤニが滲み出ている場面が出てくる。つまりその航空機は墜落直前の機体にヒビが生じていたのである。しかも長期間、ひび割れがあるのに誰も気づいていなかった。これは、当時、機内で普通に喫煙が行われていたことが良くわかる事例だと思う。

 

 

この分煙から完全禁煙の時代に移行したが、例えばハワイなどでも片道9時間くらいかかる。この9時間は喫煙者にとって決して短い時間ではなく、人によれば阿鼻叫喚になっていたようである。機内のトイレで喫煙する人が後をたたず、たびたび客室乗務員により注意のアナウンスがあった。

 

大抵の航空会社は機内禁煙に移行したが、僅かにそうでない航空機会社があった。それがエールフランスである。

 

スピンオフの元の記事のヘビースモーカーの友人は、なんとこれを発見し、エールフランスで空気の綺麗な国に新婚旅行に出かけたのであった。しかも健康のために山に登ると言う。

 

ヘビースモーカーで空気が綺麗とか、健康のために山に登るもないと思った。色々矛盾している。

 

本人によると、景色が美しい山頂でタバコを吸うのが最高らしい。

 

おそらくだが、エールフランスは自国民の喫煙率の高さからすぐに禁煙に移行できなかったのでは?と想像する。

 

ヨーロッパに旅行すると喫煙者の多さに驚くことがよくある。特に女性の喫煙者が多い印象である。以下はGoogleAIから。

 

フランスの成人の喫煙率は約25%〜30%程度(2025年時点)で、依然として欧州内で高い水準ですが、1990年代以降で最低水準に減少しています。特に17歳の若者の毎日喫煙率は15.6%まで減少しましたが、依然として欧州で2番目に高い水準です。政府は2025年7月から公園やビーチなどを禁煙にするなど規制を強化しています。

 

成人喫煙率: 18〜75歳の層では2024年に25%が喫煙者で、毎日喫煙する人はそのうちの約18〜23%

男女差: 男性は約35%、女性は約21〜34%で、女性の喫煙率が高いのが特徴。

 
日本の喫煙率は、2024年で全体で14、8%。
男性:24、5%
女性:6、5%

とフランスに比べかなり低い。オーストラリアに行くと喫煙率がかなり低く、たまに喫煙している人を見ると驚くが、ヨーロッパは喫煙者がありふれていて、かなり違和感がある。

タバコ1日80本

ずっと以前も同じような記事を書いたような気がする。精神科の外来患者さんは時に驚くほどのヘビースモーカーの人がいる。例えば1日80本。

 

外来では1日4箱のタバコを買う経済力がある人の喫煙そのものを制限出来ない。しかし、タバコは効果を減じ、ひいては多剤大量の誘引になるため、喫煙は好ましくないと指導はする。

 

 

タバコも含め悪臭が酷い人は、診察直後、しばらく窓を開けて換気しないといけないほどである。これは自分や外来看護者が悪臭が嫌なのもあるが、次に診察室に入る患者さんも困ることである。

 

ずいぶん以前だが、2010年より前と思うが、中核病院に外来診察の手伝いに言っていた時、外来患者さんに、毎日タバコ1日40本、缶コーヒーないしコーラ4本の人がいた。これは障害年金の半分以上を消費する計算になる。国はタバコの税金で障害年金のかなりの部分を回収していると言えた。

 

僕は学生の頃からタバコを吸ったことがほぼないので、あまり想像できなかったが、ある患者さんによると、タバコを吸えないことは飢えより辛いらしい。この人は(想像する)禁煙の辛さのために自殺既遂した。

 

よく思うのが、精神科の患者さんは精神症状がいくらかでも改善しないと、タバコを減らすことなどできないこと。

 

最初に挙げた患者さんだが、経営者でもありタバコ代など問題にならないらしい。この人はタバコが今の倍の価格でも80本吸うと思った。(本人は1箱2500円になればちょっと考えると言う)

 

しかしである。治療を進めているうちにタバコの欲求が減少して、なんと1日に40本に減ったと言う。本人によれば、自然に手がタバコの箱に行く頻度が減ったらしい。

 

これは強い指導などしていないので、治療の経過でこうなったと言えた。

 

本来、精神科患者さんの減煙のハードルは高い。しかしおそらく精神科治療により減煙しやすくなるのは確かなようである。

 

似た内容の過去ログ

 

タバコ

 

参考

 

 

アオサギ

 

 

綺麗な小川で静止している大型の鳥。いつも彫像のように動かないので彫像の人と呼んでいる。鳥なんだが。

 

動かない理由は、獲物を待ち伏せしているからと言うが、この日、見ている限りエサを獲った様子はなかった。

 

それにしても、実に凛とした佇まいである。

 

この大型の鳥はサギの種類でおそらくアオサギ。サギにはさまざまな種類がいるが、アオサギを検索すると、上の動画の鳥にはあまり似ていない。しかし目の上の黒いラインがアオサギっぽいので、アオサギであろうと思っている。

 

なぜアオサギの青というかと言えば、羽の部分が青っぽい、あるいは灰色っぽいかららしい。ところが、この鳥は青というより白に近い薄い青である。

 

アオサギはかなり広く分布しているらしく、日本国内のどこでも見ることができる。上の動画では、最後に優雅に飛び立つ時まで撮影している。

 

アオサギが小川で獲物を待つ姿

 

写真ではこんな感じ。近くに人がいるのに落ち着いており逃げたりはしなかった。

 

アオサギを見ることは、幸運、安定、金運が上がる縁起の良いサイン。智慧、忍耐の象徴とも言われている。

 

また、アオサギは古代エジプト神話の不死鳥、ベンヌのモデルとされる鳥。また、ギリシャ神話のフェニックス(火の鳥)の原型とも言われている。

 

アオサギ、小川で獲物を待つ

 

読者の皆さんに幸運が訪れますように。

 

 

 

成年後見制度の欠陥と2026年の民法改正

 

 

2025年9月に上記の稀代の悪法、成年後見制度と言う記事をアップしている。この成年後見制度だが、2026年の民法改正で全てではないが、現在の問題点が改善される見通しである。以下はビジネスジャーナルの記事である。

 

 

この記事のポイントは、

 

成年後見制度は2000年の導入以降、後見人による横領被害が2011~2024年で累計311億円(年平均約22億円)に達し、利用率も潜在需要約1300万人に対し約2%に低迷。終身制や報酬の不透明さなど構造的欠陥が指摘されるなか、2026年の民法改正で期間設定や限定支援型への転換が盛り込まれ、「終われる制度」への再設計が進む。

 

この制度の大きな問題点の1つは、一旦始まったら終われないことだった。親族から見て酷い後見人に当たったとしても解任も容易にできない。後見人の横領なども巨額であり、近年では皆が成年後見制度を避けるようになり利用率も低迷していた。なんらかのこの制度のアップデートが必要とされていたのである。

 

成年後見制度といえば認知症の患者さんを対象としているように思いがちだが、精神科医が関わるケースでは、重い精神病患者さんもそこそこある。近年こそ高齢者の認知症患者さんが増えているが、かつてはむしろ精神病の患者さんの方が多かったように思う。上の記事から抜粋。

 

制度上、本人の判断能力が不十分な場合、預貯金の解約や不動産の売却といった法律行為を行うには「成年後見人」の選任が不可欠となる。

 

極稀に50億円くらい資産があるような重い精神病の患者さんがいるのである。しかも本人はそれだけ資産があることも認識できないレベルの重さである。判断能力がない患者さんには後見人の選任がどうしても必要になる。

 

このような際、精神科医は診断書を書く機会があるのである。現行制度以前、1990年頃は比較的しっかりとした精神鑑定書だったが、今は簡易的な診断書になり報酬もかなり安くなっている。以下参照。

 

 

上に挙げたビジネスジャーナルの記事以外も、成年後見制度の問題点についての記事がある。下は今の施設から他の施設に移ることも出来ない事例である。

 

 

この記事のポイント。

 

同制度をめぐっては、これまで

⚪︎一度後見開始が決まると、本人の判断能力が回復しない限り制度の利用を終了することが難しい。

⚪︎後見人に不正が発覚しても解任しにくい。

⚪︎後見人は包括的な代理権・取消権を持つため、本人の自己決定が制限される。

といった課題が指摘されてきた。

 

「本人の判断能力が回復しない限り制度の利用を終了することが難しい」という条件は何言ってるの?という世界である。

 

上の記事から、改正のポイントは、

 

⚪︎家庭裁判所の判断により、途中で制度の利用を終了できる規定を新設する。

⚪︎従来、本人の判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の3段階に分けていた後見制度を、「補助」に一本化する

⚪︎包括的な代理権の付与を廃止し、代理権や同意権は必要な範囲に限って個別に付与する

⚪︎「本人の利益のため特に必要がある」という事由を設け、補助人の交代を容易にする

⚪︎本人の意向把握を必須とし、本人の意思尊重義務をより強化する

⚪︎一方で、事理弁識能力を常に欠いている状態の人に限って、類型的取消権を有する「特定補助人」を付する制度も例外的に設けるとしている。

 

また、以下はゴールドオンラインの記事である。

 

 

記事より抜粋。

 

成年後見人となったある弁護士が、利用者の財産から報酬を受け取ることについて「利益相反行為で違法」と提訴されました。これまで「家庭裁判所が決めた報酬なら問題ない」とされてきた常識が覆された瞬間でした。ポイントは「家庭裁判所の後見人に対する報酬を与える旨の審判は、後見人に請求権を与えるだけで、利用者に支払い義務を生じさせるものではない」というのです。この判決は、成年後見制度の報酬システムそのものに疑問符を突きつけました。専門職の間に走った衝撃は大きいものでした。実際、この訴えが認められれば、今後専門職が後見人に就任することは、極めて慎重、かつ難しい判断に迫られることになってしまいます。

 

この中で、利用者の財産から報酬を受け取ることは利益相反行為で違法、という部分は重要だと思う。

 

この「利益相反行為」だが、精神科に限らず医療業界ではしばしば出てくるワードである。例えば、製薬会社の研究費用提供で、その製薬会社の薬の有効性などを研究すると忖度が起こりやすい。研究者に製薬会社の期待に応えないといけないなどの心理が生じるからである。簡単に言えば、八百長でその薬の有効性の誤った結果が出やすくなる。

 

例えば、DSMは製薬会社の援助を受けると利益相反行為になりかねないのでそれらを排除し、研究コストが上昇。その理由で容易にDSMの診断基準が検索で上がって来ないのである。(書籍を出版することで費用を回収)

 

朝日新聞のサイトに以下のような記事が上がっていた。

 

 

この記事のポイント。

 

最高裁は、全国の家裁が昨年7~12月に決めた約10万2400件の後見人や保佐人などの報酬額を集計した。①後見人らの属性②管理する預貯金や有価証券など流動資産の額③対応が困難な場合に上乗せされる「付加報酬」を後見人らが求めたか――に応じてグループ分けした。

 

①親族以外(弁護士ら)②1千万円未満③求めありでは、報酬は年20万円台~30万円台が約8割を占めた。②が1億円以上になると、年20万円台~30万円台は1割弱にとどまり、年100万円以上が約2割いた。

 

この報酬の年間20万から30万円の金額だが、後見人になる人と本人の家族に感覚の乖離があることが問題の1つと言われている。

 

親族以外の後見人は、弁護士、司法書士、社会福祉士がなることが多いが、この20万から30万円は弁護士にとって大した額ではないが、親族にとっては決してそうではない。10年経てば200円から300万円ほどの費用になるからである。これは2000万円以下で相続争いが起こりやすいことを見てもわかる。

 

医療従事者から見て、長期入院中の重いレベルの精神病の人の後見人にはほとんど仕事などない。どのような時に仕事があるかと言えば、例えば身体疾患で中核病院に転院、入院や手術の際に同意書に署名するために病院に出向かなければならない。逆に言えば、精神病以外に身体病がないなら、電話対応くらいで時間を取られることはあまりないのである。

 

上の朝日新聞の記事で、1億円以上の資産がある人の年間報酬では、100万円以上が約2割いたとある。これだけの資産があっても、そもそも相続権利がない親族ではない後見人に対し、年間100万円以上渡すのは嫌だと思う。

 

資産の額により、年間報酬のここまでの差が生じるのも変と言えば変だと思う。仕事の多寡はそのようなところで決まらないからである。

 

ところで、後見人は親族以外の弁護士、司法書士、社会福祉士がなることが多いと錯覚しやすいが、後見人の90%以上は親族である。つまり、上に挙げた横領などの違法行為は事例数、金額とも親族の方が遥かに多い。ある司法書士の人がXで指摘している。

 

 

ただし、これに対して親族が横領するのと、親族以外が横領するのでは意味が違うという意見もある。

 

最後に、現在の成年後見制度がいかに問題があるか、象徴的な出来事があった。最初のビジネスジャーナルの記事から、

 

そこには制度設計上の致命的なミスがある。まず、現行法は「終身制」を前提としており、期間限定の利用を想定していない。また、制度には「後見・保佐・補助」の3類型があるが、実際には最も制限が強い「後見」が全体の約7割を占める。これは、家庭裁判所や実務家が「管理のしやすさ」を優先し、本人の残存能力を活用する「補助」などの柔軟な運用を避けてきた結果とも言える。

 

さらに、報酬基準の不透明さも根深い。報酬額は「家庭裁判所の裁量」で決まり、地域や担当官によってバラツキがある。利用者は事前に「いくらかかるか」を正確に把握できないまま、ブラックボックスに足を踏み入れることになる。

 

こうした現状に対し、国際社会の視線は厳しい。2022年、国連の障害者権利委員会は日本に対し、「代行決定(後見人による決定)」から「意思決定支援(本人の意思を尊重した支援)」への転換を強く求め、現行制度の廃止を含めた勧告を出した。

 

「日本の成年後見制度は、25年前にドイツなどの制度を参考に作られましたが、運用の硬直化が最大の問題でした。本人の尊厳よりも『財産の保全』、つまりマイナスを出さないことばかりに目が向き、本人の生活の質(QOL)を向上させるためのお金の使い方ができなくなっていたのです。今回の改正は、まさにその『硬直した歯車』を回すための劇薬となるでしょう」(社会保障の専門家で社会福祉士の高山健氏)

 

国連からも現行の成年後見制度を廃止するように勧告されているのであった。

 

(おわり)