kyupinの日記 気が向けば更新 -4ページ目

アオサギ

 

 

綺麗な小川で静止している大型の鳥。いつも彫像のように動かないので彫像の人と呼んでいる。鳥なんだが。

 

動かない理由は、獲物を待ち伏せしているからと言うが、この日、見ている限りエサを獲った様子はなかった。

 

それにしても、実に凛とした佇まいである。

 

この大型の鳥はサギの種類でおそらくアオサギ。サギにはさまざまな種類がいるが、アオサギを検索すると、上の動画の鳥にはあまり似ていない。しかし目の上の黒いラインがアオサギっぽいので、アオサギであろうと思っている。

 

なぜアオサギの青というかと言えば、羽の部分が青っぽい、あるいは灰色っぽいかららしい。ところが、この鳥は青というより白に近い薄い青である。

 

アオサギはかなり広く分布しているらしく、日本国内のどこでも見ることができる。上の動画では、最後に優雅に飛び立つ時まで撮影している。

 

アオサギが小川で獲物を待つ姿

 

写真ではこんな感じ。近くに人がいるのに落ち着いており逃げたりはしなかった。

 

アオサギを見ることは、幸運、安定、金運が上がる縁起の良いサイン。智慧、忍耐の象徴とも言われている。

 

また、アオサギは古代エジプト神話の不死鳥、ベンヌのモデルとされる鳥。また、ギリシャ神話のフェニックス(火の鳥)の原型とも言われている。

 

アオサギ、小川で獲物を待つ

 

読者の皆さんに幸運が訪れますように。

 

 

 

成年後見制度の欠陥と2026年の民法改正

 

 

2025年9月に上記の稀代の悪法、成年後見制度と言う記事をアップしている。この成年後見制度だが、2026年の民法改正で全てではないが、現在の問題点が改善される見通しである。以下はビジネスジャーナルの記事である。

 

 

この記事のポイントは、

 

成年後見制度は2000年の導入以降、後見人による横領被害が2011~2024年で累計311億円(年平均約22億円)に達し、利用率も潜在需要約1300万人に対し約2%に低迷。終身制や報酬の不透明さなど構造的欠陥が指摘されるなか、2026年の民法改正で期間設定や限定支援型への転換が盛り込まれ、「終われる制度」への再設計が進む。

 

この制度の大きな問題点の1つは、一旦始まったら終われないことだった。親族から見て酷い後見人に当たったとしても解任も容易にできない。後見人の横領なども巨額であり、近年では皆が成年後見制度を避けるようになり利用率も低迷していた。なんらかのこの制度のアップデートが必要とされていたのである。

 

成年後見制度といえば認知症の患者さんを対象としているように思いがちだが、精神科医が関わるケースでは、重い精神病患者さんもそこそこある。近年こそ高齢者の認知症患者さんが増えているが、かつてはむしろ精神病の患者さんの方が多かったように思う。上の記事から抜粋。

 

制度上、本人の判断能力が不十分な場合、預貯金の解約や不動産の売却といった法律行為を行うには「成年後見人」の選任が不可欠となる。

 

極稀に50億円くらい資産があるような重い精神病の患者さんがいるのである。しかも本人はそれだけ資産があることも認識できないレベルの重さである。判断能力がない患者さんには後見人の選任がどうしても必要になる。

 

このような際、精神科医は診断書を書く機会があるのである。現行制度以前、1990年頃は比較的しっかりとした精神鑑定書だったが、今は簡易的な診断書になり報酬もかなり安くなっている。以下参照。

 

 

上に挙げたビジネスジャーナルの記事以外も、成年後見制度の問題点についての記事がある。下は今の施設から他の施設に移ることも出来ない事例である。

 

 

この記事のポイント。

 

同制度をめぐっては、これまで

⚪︎一度後見開始が決まると、本人の判断能力が回復しない限り制度の利用を終了することが難しい。

⚪︎後見人に不正が発覚しても解任しにくい。

⚪︎後見人は包括的な代理権・取消権を持つため、本人の自己決定が制限される。

といった課題が指摘されてきた。

 

「本人の判断能力が回復しない限り制度の利用を終了することが難しい」という条件は何言ってるの?という世界である。

 

上の記事から、改正のポイントは、

 

⚪︎家庭裁判所の判断により、途中で制度の利用を終了できる規定を新設する。

⚪︎従来、本人の判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の3段階に分けていた後見制度を、「補助」に一本化する

⚪︎包括的な代理権の付与を廃止し、代理権や同意権は必要な範囲に限って個別に付与する

⚪︎「本人の利益のため特に必要がある」という事由を設け、補助人の交代を容易にする

⚪︎本人の意向把握を必須とし、本人の意思尊重義務をより強化する

⚪︎一方で、事理弁識能力を常に欠いている状態の人に限って、類型的取消権を有する「特定補助人」を付する制度も例外的に設けるとしている。

 

また、以下はゴールドオンラインの記事である。

 

 

記事より抜粋。

 

成年後見人となったある弁護士が、利用者の財産から報酬を受け取ることについて「利益相反行為で違法」と提訴されました。これまで「家庭裁判所が決めた報酬なら問題ない」とされてきた常識が覆された瞬間でした。ポイントは「家庭裁判所の後見人に対する報酬を与える旨の審判は、後見人に請求権を与えるだけで、利用者に支払い義務を生じさせるものではない」というのです。この判決は、成年後見制度の報酬システムそのものに疑問符を突きつけました。専門職の間に走った衝撃は大きいものでした。実際、この訴えが認められれば、今後専門職が後見人に就任することは、極めて慎重、かつ難しい判断に迫られることになってしまいます。

 

この中で、利用者の財産から報酬を受け取ることは利益相反行為で違法、という部分は重要だと思う。

 

この「利益相反行為」だが、精神科に限らず医療業界ではしばしば出てくるワードである。例えば、製薬会社の研究費用提供で、その製薬会社の薬の有効性などを研究すると忖度が起こりやすい。研究者に製薬会社の期待に応えないといけないなどの心理が生じるからである。簡単に言えば、八百長でその薬の有効性の誤った結果が出やすくなる。

 

例えば、DSMは製薬会社の援助を受けると利益相反行為になりかねないのでそれらを排除し、研究コストが上昇。その理由で容易にDSMの診断基準が検索で上がって来ないのである。(書籍を出版することで費用を回収)

 

朝日新聞のサイトに以下のような記事が上がっていた。

 

 

この記事のポイント。

 

最高裁は、全国の家裁が昨年7~12月に決めた約10万2400件の後見人や保佐人などの報酬額を集計した。①後見人らの属性②管理する預貯金や有価証券など流動資産の額③対応が困難な場合に上乗せされる「付加報酬」を後見人らが求めたか――に応じてグループ分けした。

 

①親族以外(弁護士ら)②1千万円未満③求めありでは、報酬は年20万円台~30万円台が約8割を占めた。②が1億円以上になると、年20万円台~30万円台は1割弱にとどまり、年100万円以上が約2割いた。

 

この報酬の年間20万から30万円の金額だが、後見人になる人と本人の家族に感覚の乖離があることが問題の1つと言われている。

 

親族以外の後見人は、弁護士、司法書士、社会福祉士がなることが多いが、この20万から30万円は弁護士にとって大した額ではないが、親族にとっては決してそうではない。10年経てば200円から300万円ほどの費用になるからである。これは2000万円以下で相続争いが起こりやすいことを見てもわかる。

 

医療従事者から見て、長期入院中の重いレベルの精神病の人の後見人にはほとんど仕事などない。どのような時に仕事があるかと言えば、例えば身体疾患で中核病院に転院、入院や手術の際に同意書に署名するために病院に出向かなければならない。逆に言えば、精神病以外に身体病がないなら、電話対応くらいで時間を取られることはあまりないのである。

 

上の朝日新聞の記事で、1億円以上の資産がある人の年間報酬では、100万円以上が約2割いたとある。これだけの資産があっても、そもそも相続権利がない親族ではない後見人に対し、年間100万円以上渡すのは嫌だと思う。

 

資産の額により、年間報酬のここまでの差が生じるのも変と言えば変だと思う。仕事の多寡はそのようなところで決まらないからである。

 

ところで、後見人は親族以外の弁護士、司法書士、社会福祉士がなることが多いと錯覚しやすいが、後見人の90%以上は親族である。つまり、上に挙げた横領などの違法行為は事例数、金額とも親族の方が遥かに多い。ある司法書士の人がXで指摘している。

 

 

ただし、これに対して親族が横領するのと、親族以外が横領するのでは意味が違うという意見もある。

 

最後に、現在の成年後見制度がいかに問題があるか、象徴的な出来事があった。最初のビジネスジャーナルの記事から、

 

そこには制度設計上の致命的なミスがある。まず、現行法は「終身制」を前提としており、期間限定の利用を想定していない。また、制度には「後見・保佐・補助」の3類型があるが、実際には最も制限が強い「後見」が全体の約7割を占める。これは、家庭裁判所や実務家が「管理のしやすさ」を優先し、本人の残存能力を活用する「補助」などの柔軟な運用を避けてきた結果とも言える。

 

さらに、報酬基準の不透明さも根深い。報酬額は「家庭裁判所の裁量」で決まり、地域や担当官によってバラツキがある。利用者は事前に「いくらかかるか」を正確に把握できないまま、ブラックボックスに足を踏み入れることになる。

 

こうした現状に対し、国際社会の視線は厳しい。2022年、国連の障害者権利委員会は日本に対し、「代行決定(後見人による決定)」から「意思決定支援(本人の意思を尊重した支援)」への転換を強く求め、現行制度の廃止を含めた勧告を出した。

 

「日本の成年後見制度は、25年前にドイツなどの制度を参考に作られましたが、運用の硬直化が最大の問題でした。本人の尊厳よりも『財産の保全』、つまりマイナスを出さないことばかりに目が向き、本人の生活の質(QOL)を向上させるためのお金の使い方ができなくなっていたのです。今回の改正は、まさにその『硬直した歯車』を回すための劇薬となるでしょう」(社会保障の専門家で社会福祉士の高山健氏)

 

国連からも現行の成年後見制度を廃止するように勧告されているのであった。

 

(おわり)

強迫性障害とメマンチン

今日は前回の「ジスキネジアとゾルピデム」の一連の記事である。メマンチン(商品名:メマリー)はエビデンスレベルこそ低いが、強迫性障害を改善することがあると言われている。その理由について。

 

メマンチンは、日本では中等度〜高度のアルツハイマー型認知症の薬である。メマンチンは、神経細胞の過剰な興奮を抑え、記憶・学習障害の進行を抑制する。

 

臨床感覚として、メマンチンは認知症の患者さんの怒りっぽさ、イライラ感を抑え、穏やかにする印象である。メマンチンは鎮静的な薬なこともあり、アリセプトのように処方したために、かえって症状を悪化させることはあまりない。

 

強迫性障害はグルタミン酸作動性シグナル伝達の異常が関与していると言われており、前帯状皮質でのグルタミン酸濃度の低下と、線条体・眼窩前頭皮質でのグルタミン酸シグナルの過剰状態が指摘されている。

 

メマンチンはNMDA受容体拮抗薬として、このグルタミン酸系に作用し過活動を抑制することにより強迫性障害を改善させるメカニズムを持つとされている。

 

小規模RCTやメタ解析ではSSRIが効きにくいタイプの強迫性障害に対し、メマンチンを併用することで改善率が上がったと言う結果が見られる。一方、併用しても有意差がなかったという否定的な結果もみられる。

 

過去の調査はいずれも症例数が少なく大規模試験は行われておらず、エビデンス的には弱い。メマンチンは強迫性障害に対し適応がある薬になり得ず、難治例に対して併用の選択肢があると言ったところである。

 

文献的にはメマンチンは、SSRIでは部分反応、チック合併、ASD合併、強い反復性思考優位型の患者さんに対して改善の可能性があるとされている。なお、いずれも単独処方ではなく、SSRIとの併用である。

 

前回の「ジスキネジアとゾルピデム」の記事の中で、以下のように記載している。

 

逆説的だが、ゾルピデムは眠剤であるために適応外処方しやすいことはあると思う。

 

適応外処方の可能性として、ゾルピデムとメマンチンは決定的な差がある。それはメマンチンは認知症の薬であるために、若い人に処方などできないことである。そういう意味で、メマンチンの強迫性障害への処方は絶望的にハードルが高い。

 

なお、過去にアメブロメールで強迫性障害の患者さんから、メマンチンについて相談を受けたことが何度かあった。適応外処方は無理という返信をし推奨したことは一度もない。理由の1つは、当時、メマンチンはジェネリックなどまだ発売されておらず、個人輸入するにはかなり高価な薬だったこともある。

 

ところが、相談した読者の人の数名は海外からメマンチンを個人輸入し、なんと強迫性障害が改善したと言うのである。文献的には十分あり得ることだと思った。

 

過去には抗てんかん薬のゾニサミドが、パーキンソン病への適応が認められトレリーフと言う商品名で発売された歴史がある。ゾニサミドは古い抗てんかん薬でジェネリックで安価だが、トレリーフは全く構造式が同じだが、先発品で高価という相違がある。

 

メマンチンは強迫性障害に対し国内で治験が行われたかどうかは知らない。

 

将来、メマンチン強迫性障害の適応追加になるというより、異なる構造式のNMDA受容体拮抗薬が、治験を経て強迫性障害の適応を持つ新薬として発売される可能性があると思う。

 

参考

 

 

抜粋

トレリーフというレボドパ賦活型パーキンソン病治療薬がある。これは、元々、抗てんかん薬のゾニサミドがパーキンソン病にも有効なことから適応拡大し、他の商品名として発売されたものである。そのため、エクセグランに比べかなり薬価が高い。また、エクセグランを抗パーキンソン薬として適応外処方してはならないルールになっている。

 

 

ジスキネジアとゾルピデム

過去に転院してきた患者さんにジスキネジアに対してゾルピデムが処方されていたことが何回かあった。今日はジスキネジアに対してゾルピデムは治療的なのか?と言う話。

 

ゾルピデム(マイスリー)は今では旧来の眠剤であるが、かつて世界で最も処方件数が多かった。ゾルピデムはω1特異的間接GABA-A受容体アゴニストで、この作用が大脳基底核や視床皮質回路に影響し、異常な運動出力を抑制するようなのである。(推測の域)

 

この作用により抗精神病薬による遅発性ジスキネジア、パーキンソン病によるジスキネジア、脳の損傷後の不随意運動に有効だったと言う報告がある。(症例報告レベルであるが)

 

ただしジスキネジアに対するゾルピデムの欠点は、服用後30分から1時間で効いたとしても、数時間で効果がなくなるなど持続性に問題があること。また個人差も大きく、効果を実感する人とそうではない人がいる。また逆に悪化させることもあるらしい。

 

また、最も大きな問題点は、ゾルピデムは眠剤であることであろう。(眠いこと)

 

逆説的だが、ゾルピデムは眠剤であるために適応外処方しやすいことはあると思う。

 

現在、抗精神病薬による遅発性ジスキネジアにはジスバルが処方される。以下は過去ログである。

 

 

 

そもそもゾルピデムがジスキネジア、あるいはジストニアに有効だったと言う報告はジスバル発売前のことである。

 

ジスバルの方がゾルピデムよりジスキネジアに圧倒的に効くので、もはやゾルピデムは化石のような適応外処方と言って良い。

 

その処方が今もなお残っているのであろう。だからこそ患者さんにその目的で処方されていたのである。(実際、患者さんがそう言っている)

 

少なくともベンゾジアゼピン系眠剤はジスキネジアやジストニアに対し多少は緩和する方向に作用するイメージはある。つまり本人の違和感というかギクシャク感を緩和する。周囲から見てわからないレベルである。

 

過去ログにはこのことに言及した記事もある。

 

つまりだが、このような患者さんにはベンゾジアゼピン系の眠剤からデエビゴなどの新規眠剤に変更する際、一応の注意を要すると言ったところである。

 

 

 

 

ジェネリックあっても先発薬希望、追加負担現在の倍以上

 

 

現在、患者さん本人の強い希望でジェネリックがあるのに先発品を処方してもらう場合、追加料金を徴収される。既にこの制度は始まっているが、本人負担が今後増える見通しである。上は昨年12月の記事。要旨は以下の通り。

 

ジェネリック医薬品(後発薬)があっても先発薬を選んだ患者の追加負担について、厚生労働省は17日、現在の倍以上に引き上げる案を厚労相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)に示し、了承を得た。具体的な負担割合は2026年度の予算編成で決まり、同年度中に適用される。

 

例外はジェネリックではアレルギーが生じる、あるいは先発品ほど臨床効果が期待できないなど、先発品の必要性が高いケースである。これらは患者さんの忍容性など体質に由来するもので、主治医も先発品の必要性があると考え指示している。

 

あるいは調剤薬局でジェネリックの在庫がない時。このケースは、患者さんの嗜好や体質とは関係がないが、追加料金は支払わなくて良い。このような選定療法の話は過去ログに何度かアップしている。

 

 

 

 

 

 

現場的な感想を言えば、医師によれば特定のジェネリックの評価が非常に低いことがあり、その必然性がさほどなくても好んで?先発品を処方する医師もいる。これらは検証はされないので、医師の裁量が大きいと言える。

 

僕はこのご時世なので、一度はジェネリックを試みることが多い。それくらい日本の医療費の予算が逼迫していると思うからである。

 

例えば、ジェネリックに変更すると先発品より眠いと言う人がいる。これは先発品とは効き方が異なるため、先発品に医師の裁量で戻す案件である。

 

おそらくこれと同じくらいのスタンスで対応している医師が多いと思う。