英語講師、通訳、翻訳者の門田直樹です。
「どの学習法が正しいのか分からない」「色々やってみたけど、何が自分に合っているのか分からない」という声を、生徒さんからよく耳にします。
今回の記事では、英語学習法についての私の私見をまとめて書きたいと思います。
結論から言えば、「1つの学習法にこだわらず、自分のレベルと目的に応じて色々試してみる」ことが、遠回りのようで実は一番の近道ではないかと感じています。
1. 軸になる学習法を持つことの大切さ
「軸になる学習法を持つこと」は、とても重要だと思っています。
私自身、音読、多読、多聴を20年以上続けてきましたが、継続することで確実に効果を感じています。
何かを続けるためには、自分の中で「これは効果がある」という実感が必要です。
軸を持ちながら、必要に応じて他の学習法を組み合わせていく、というスタンスが現実的ではないかと感じています。
2. 「これ1つでできるようになる」方法は存在しない
一方で、「これだけやれば英語ができるようになる」という学習法は、残念ながら存在しないと私は思っています。
例えば多読。
効果的な学習法であることは間違いありません。
ただ、万能ではないのです。
👉 自分のレベルに合っていないと、効果はほとんど出ません。
👉 内容が理解できないものをただ読み続けても、意味のあるインプットにはなりにくいです。
👉 多読だけでは、今の自分のレベルを大幅に超えた英文を読む力は付きにくい側面があります。
多読は素晴らしい学習法ですが、それだけで全てが解決するわけではない、ということですね。
3. 「精読」と「多読」は対立しない
ここで少し整理したいのが、「精読」と「多読」の関係です。
ちなみに私は多読で300万語以上読んでいますので、精読と多読について語る資格はあると思っています。
精読の反対は「多読」ではありません。
精読の反対は粗読、つまり「適当に読むこと」です。(祖読は松井孝史先生が使われていた言葉です)
この誤解が広まっているせいか、「精読か多読か」という対立構造で語られることがありますが、それは少し違うと感じています。
多読と精読(英文解釈)を両方実践することで、それぞれの弱点を補い合うことができます。
つまり精読をすることで英文解釈力が上がり、さらに高いレベルの英文を多読することができるようになるのです。
ただやみくもに多読するだけでは英語力は上がらないので注意するようにして下さい。
4. 「大体分かればOK」の落とし穴
よく言われる「大体分かればOK」という言葉。間違いではないのですが、少し注意が必要だと感じています。
問題は、学習者が「大体分かっている」かどうかを自分で正確に判断することが、非常に難しいという点です。
私の指導経験でも、生徒が「大体分かりました」と言った後に確認してみると、実はほとんど理解できていなかった、ということが何度もありました。
リーディングの難しさはここにあります。
リスニングやスピーキング、ライティングは、自分がどこで詰まっているかを実感しやすいです。
でもリーディングは、誤読していることに自分では気づきにくいという特性があります。
故國弘正雄先生も4技能の中でリーディングが一番難しいとおっしゃっていました。
だからこそ、精読(英文解釈)を通じて正しい読み方を身につけることには、意義があると思っています。
5. 英文法は「英語を理解するための便法」
英文法についても触れておきます。
駿台予備校の伊藤和夫先生は、英文法を「英語を理解するための便法」とおっしゃっています。
英文法は一通り学習しておくと、その後の学習がスムーズに進むことが多いです。
文法の知識は、読む・聞く・書く・話すの基盤になります。
ただ、スピーキングで文法を気にしすぎて話せなくなるのは本末転倒ですね。
ここで私が大切にしているのが、通訳の第一人者である國弘正雄先生の言葉、「繊細かつ大胆に」です。
- 初級者のうちは「大胆に」を意識して、まず話すことを優先する。
- レベルが上がるにつれて「繊細に」を意識し、文法のミスを減らしていく
英語を話す時にミスをすることは、ある程度やむを得ません。
それでもミスを減らす努力を継続することが、特に中上級者には重要ではないかと思っています。
まとめ
- 軸になる学習法を持ちながら、他の方法を組み合わせてみる
- 「これ1つでOK」という学習法は存在しない。多読も万能ではない
- 精読と多読は対立しない。精読の反対は「粗読(適当に読むこと)」
- 「大体分かればOK」を自分で判断するのは難しい。リーディングは誤読に気づきにくい
- 英文法は英語を使う上での「便法」として考える。「繊細かつ大胆に」のスタンスで
色々試してみて、自分に合う学習法の組み合わせを見つけるようにして下さい。参考になれば嬉しいです。
ご意見、感想大歓迎です。




















