
オルリー空港(ドゴール空港ができる以前)の時代にフランス料理を学ぶために渡仏(1969年)した草分け的日本人女性の著作。下記リンク著作の記述が記憶に残っていたので、南仏に関するこの著作を読んでみた。1996年7月初版。
《参照》 『グリ、ときどきグランボー』 山本三春 (本の泉社) 《後編》
【香水の故郷、南仏のグラース】
《参照》 『グリ、ときどきグランボー』 山本三春 (本の泉社) 《後編》
【香水の故郷、南仏のグラース】
【南仏:太陽と海と大地】
南仏は、留学中に訪れたフランス各地の中でもとりわけ魅せられた場所だ。太陽と海と大地。こう書くとありきたりかもしれないが、自然の源ともいえるこの三つの要素こそ、私の愛するもの。その自然とともに美しく知的に生きている人々がいて、素晴らしい料理があり、ワインがある。私の求める全てのものが、ここコート・ダジュールやプロヴァンスにあるように思えたのだ。(p.18)
パリは北仏の中心地で、たいていの人々はシャンゼリゼ通りや歴史的な建物の華やかさに魅せられるのだろう。南仏好きな人々は、様々にかおるハーブ、美しい海岸や丘陵、眩い太陽などの自然に魅せられるのだろう。
【プロヴァンスのゴルド村周辺】
プーンとむせかえるような香り。心地よいめまいをおこしそう。野原いっぱいに紫色のじゅうたんを敷き詰めたようにラベンダーが密生している。・・・中略・・・。
ここは、ハーブ街道と呼ばれるようになって人気の出てきたゴルド村の周辺の丘陵地帯。六月、プロヴァンスは一番美しい季節を迎える。強い日差しと乾いた土地、地中海にそそぐローヌ河の豊富な水、湧き出る泉が、このリュペロン山脈の平原を中心に、たくさんの野生ハーブを育てている。(p.8)
上でリンクしたグラースは、香水の基本原料であるジャスミンの栽培地で、映画祭で有名なカンヌの北10km程の所にあり、ハーブ街道のあるゴルド村は、グラースから西へ60km程の所にある。ここは、ハーブ街道と呼ばれるようになって人気の出てきたゴルド村の周辺の丘陵地帯。六月、プロヴァンスは一番美しい季節を迎える。強い日差しと乾いた土地、地中海にそそぐローヌ河の豊富な水、湧き出る泉が、このリュペロン山脈の平原を中心に、たくさんの野生ハーブを育てている。(p.8)
《参照》 『南フランス 小さいまち紀行』 (グラフィック社)
【グラース】
地中海に面したコートダジュール(紺碧海岸)周辺の丘陵地には、ハーブを栽培している地域がたくさんあるのだろう。
ローヌ河はスイスのレマン湖から流れ出て、西洋絵画の題材で名前の知れたアヴィニョンやアルルを経て地中海に注いでいる。
ゴルド村はアヴィニョンの東側20kmで、西側30kmにはデニムの語源となったニームという街がある。
《参照》 『イロハソニー』 麻倉怜士・監修 (日経BP)
【デニム】
ところで、太陽がいっぱいで温暖なプロバンス地方に豊かなハーブがあるのは良く分かるのだけれど、ハーブで思い出したのが、サイモン&ガーファンクルの名曲『スカボロー・フェア』。 歌詞の冒頭で“スカボロー祭に行くの? パスリー、セイジ、ローズマリー&タイム”と様々なハーブが歌われているスカボローはイギリスにある。しかもロンドンの真北300km程の北海に面した街である。いまさらながら「こんな高緯度で寒冷な所でハーブ祭が?」という感じ。ハーブや香辛料は、西欧諸国の食に欠かせない“超~重要なモノ”であるがゆえに、これらは大航海時代の動力源だったのである。
《参照》 『食がわかれば世界経済がわかる』 榊原英資 (文芸春秋) 《前編》
【大航海時代を牽引した 「食」 】
【私の耳は・・・】
カンヌ郊外ガザリエールという街のアパルトマンでひと夏を過ごした時の記述。
ビジネスという仕事の世界で左脳頭に成り果ててしまったオッサンたちでも、人生の後半になると、このような詩に感じ入るようになるかも。南仏は、人生をリセットするのにいい所かもしれないと思ったりする。
カンヌ郊外ガザリエールという街のアパルトマンでひと夏を過ごした時の記述。
そうして、たいていいちばんに起き出した私は、ひとりバルコニーで朝のひと時をゆっくりと過ごした。そんなとき、パリ生まれのジャン・コクトーが、1920年代に、カンヌに限りない愛情をこめて書いた詩の一節がきまって頭に浮かんでくるのだった。
“私の耳は貝の殻、海の響きを懐かしむ” (「カンヌ」第5章より・堀口大学訳)
「そういえば、コクトーっていう詩人さんがいたっけ・・・」程度の記憶。“私の耳は貝の殻、海の響きを懐かしむ” (「カンヌ」第5章より・堀口大学訳)
ビジネスという仕事の世界で左脳頭に成り果ててしまったオッサンたちでも、人生の後半になると、このような詩に感じ入るようになるかも。南仏は、人生をリセットするのにいい所かもしれないと思ったりする。
【フランス人のこと】
フランス人は「ギャ」とか「ピャ」とか濁音の発音に非常に弱いが、タナカとかサトウというシンプルな日本名はすぐに聞き分けるのだ。
フランス人は外国人に冷たい、などと言う人もいるが、そんなことはない。フランス人は本当はとても親切である。ただ、静かで恥ずかしがりやの日本人にどう対応していいかわからないだけ。南仏の人はとりわけ陽気で、人情も厚い。たとえフランス語が話せなくても、「ボンジュール!」と積極的に買い物を楽しんでほしい。たとえプラム一個だけだって気持ちよく売ってくれるのだから。(p.30)
フランス人は外国人に冷たい、などと言う人もいるが、そんなことはない。フランス人は本当はとても親切である。ただ、静かで恥ずかしがりやの日本人にどう対応していいかわからないだけ。南仏の人はとりわけ陽気で、人情も厚い。たとえフランス語が話せなくても、「ボンジュール!」と積極的に買い物を楽しんでほしい。たとえプラム一個だけだって気持ちよく売ってくれるのだから。(p.30)
【南仏の料理】
風邪気味であったり食欲がない時は、ユイル・ドリーブ・アイユ(ユイル=オイル、ドリーブ=オリーブ、アイユ=にんにく。すりおろしニンニクとオリーブオイルを混ぜたもの。)をパンに塗って焼いて食べるといいとも書かれている。これにさらに卵黄を加えてアイオリ(にんにくマヨネーズ)にすれば、パンのみならず白身魚や蒸し野菜につけても美味しい。
これなら、チャンちゃんでもできる。ということは、誰にでもできる。
《参照》 『世界・美術の旅ガイド2 南フランス』 (美術出版社) 《前編》
【プロヴァンス風】
私は南仏滞在中、トマトとたまねぎのスライスにパセリとオリーブオイルとヴィネガーをかけただけのサラダをよく食べた。毎日食べても飽きないのである。(p.40)
普通フランス料理といえばバターをたっぷりと使うので、日本人にはけっこう重いし続けて食べれば飽きもするが、南の料理はバターの代わりにオリーブオイルを用いるので軽く、ヘルシーである。また魚介料理がおいしいので魚好きの日本人の舌にとても合うというわけだ。(p.35)
オリーブオイルは、ほかの油に比べるとカロリーは半分。そもそもオリーブオイルはオリーブのジュースみたいなものなのだし、ヴィネガーはお酢のことだから、サッパリと食べられて当然。普通フランス料理といえばバターをたっぷりと使うので、日本人にはけっこう重いし続けて食べれば飽きもするが、南の料理はバターの代わりにオリーブオイルを用いるので軽く、ヘルシーである。また魚介料理がおいしいので魚好きの日本人の舌にとても合うというわけだ。(p.35)
風邪気味であったり食欲がない時は、ユイル・ドリーブ・アイユ(ユイル=オイル、ドリーブ=オリーブ、アイユ=にんにく。すりおろしニンニクとオリーブオイルを混ぜたもの。)をパンに塗って焼いて食べるといいとも書かれている。これにさらに卵黄を加えてアイオリ(にんにくマヨネーズ)にすれば、パンのみならず白身魚や蒸し野菜につけても美味しい。
これなら、チャンちゃんでもできる。ということは、誰にでもできる。
《参照》 『世界・美術の旅ガイド2 南フランス』 (美術出版社) 《前編》
【プロヴァンス風】
【プロヴァンスのヴァニラ】
全世界で親しまれているスパイス、それがにんにくではないだろうか。フランス語ではアイユ。全国的にほとんどの料理の基礎として使われているが、特に南では“プロヴァンスのヴァニラ”ともいわれるほど親しまれている。(p.41)
“ヴァニラ”で“にんにく”を想像できる? まあ、いいや。
ローマの詩人ヴェルギウスは「にんにくは刈り入れ人の体力を保持し、また適切な栄養物である」と、すでに紀元前70年に記している。
その刺激的なにおいにも関わらず、遠い昔から活力の源であったのだ。(p.42)
言えてる。その刺激的なにおいにも関わらず、遠い昔から活力の源であったのだ。(p.42)
【尼さんのおなら】
名前が楽しいのは、ペ・ド・ノンヌ。“尼さんのおなら”という意味の小さな揚げ菓子は、プロヴァンスの隣のフランシュ・コンテ地方が発祥で、フランス全土で人気がある。ビールで発酵させた生地を油で揚げた一口大の軽いドーナツのようなもので、口あたりがよくいくつでも食べられる。プワッとした触感がこのユーモアたっぷりの名前の由来だろうか。しかし最近ではそれでは尼さんに失礼ということで、スピール・ノンヌ(尼さんのため息)と呼ぶようになった。(p.64)
ということは、フランス語で“オナラ”は“ペ”というらしい。日本語に近い。でも、だったら、じゃっかんウンチ混じり気味? (スンズレイ、スマスタ)諸外国には、ヘンな名前の食べ物がある。下記もそれら。
《参照》 『家出のじかん』 鴨居まさね (集英社)
【ヤンソンの誘惑】
《参照》 『司書はふたたび魔女になる』 大島真理 (郵研社)
【ターキッシュ・ディライト】
【スイーツ】
甘い砂糖菓子は、本来、世界中如何なる地域であれ、伝統的な料理ではないはず。植民地として支配されたアフリカなどから大量に仕入れることが可能になってからの先進国の贅沢のはず。
と書いたものの、フランスのスイーツの歴史は、帝国主義時代よりずっと古いと、下記リンクに書かれていた。
《参照》 『南フランス 小さいまち紀行』 (グラフィック社)
【ポン・デュ・ルー】
畑に実っている甘柿が豊富に食べられる秋の今、いかなるスーツであれ全く美味しいとは思わない。基本はあくまでも自然の甘味である。
砂糖は、“健康に悪い「毒」”と考えるべき。
《参照》 『「空腹」が人を健康にする』 南雲吉則 (サンマーク出版) 《後編》
【危険:砂糖】
フランスでは、料理にはほとんど砂糖を使わない。その分デザートで甘さを楽しむのである。だから本場のフランス菓子は、ときに日本人には甘すぎると感じるかもしれない。(p.65)
フランスでお菓子に魅せられた私は、ビストロを始める前はまずデザートの店をもっていたほどである。(p.66)
砂糖は“シュクール”で、“シュクール・○○”で種類を分ける。○○がスム―ルなら上白糖。グラッセならグラニュー糖。モルソーなら角砂糖。クリスタリゼならザラメ。アンプードルなら粉砂糖。フランスでお菓子に魅せられた私は、ビストロを始める前はまずデザートの店をもっていたほどである。(p.66)
甘い砂糖菓子は、本来、世界中如何なる地域であれ、伝統的な料理ではないはず。植民地として支配されたアフリカなどから大量に仕入れることが可能になってからの先進国の贅沢のはず。
と書いたものの、フランスのスイーツの歴史は、帝国主義時代よりずっと古いと、下記リンクに書かれていた。
《参照》 『南フランス 小さいまち紀行』 (グラフィック社)
【ポン・デュ・ルー】
畑に実っている甘柿が豊富に食べられる秋の今、いかなるスーツであれ全く美味しいとは思わない。基本はあくまでも自然の甘味である。
砂糖は、“健康に悪い「毒」”と考えるべき。
《参照》 『「空腹」が人を健康にする』 南雲吉則 (サンマーク出版) 《後編》
【危険:砂糖】
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