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 何度も仕事で世界を巡っている人々は、たいてい “食” に興味を持つようになることだろう。世界を語る上でやはり “食” を欠くことはできない。2006年2月初版。

 

 

【パラダイム・シフト】
 私が仕事で歩いてきた現場は、思い返せば今までには無かった世界経済のバラダイムシフトが起こっている場所でした。そして、そこでは常に食の世界にも同様の変化が起きていました。
 その最たるものは、日本食ブームでした。その勢いは衰えるどころか、今でもますます勢いを増しつつあります。(p.11-12)
 榊原さんが日本の財務官として世界を駆け巡っていたのは1990年代なのだろう。日本食ブームにあやかって、いまや世界には、韓国人や台湾人や中国人が経営する怪しい日本食レストランが多いけれど、それほどに日本食は世界でもてはやされている。但し、経済的に豊かな人々からである。日本食はお値段がちょっと高い。
   《参照》   『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 宮崎正弘 KKベストセラーズ
            【海外の日本食レストラン】
   《参照》   『人間塾』 船井幸雄 ビジネス社
            【アメリカで一番知られた日本人】

 

 

【大蔵省時代のこぼれ話】
 1993年のG7諸国の大臣を、日本でもてなしたときの話。
 当時は財務官室長で現在国際局審議官をしている玉木林太郎くんという、財務省で唯一、ソムリエの資格をもっている人です。彼は大変な食道楽で、ワインなど本当によく知っている人ですけれども、(p.42-43)
 ソムリエの鼻でワインの味が変わらぬ睡眠薬を選んで混入したのだろう。
 出世の妨げになる人を喰うのも、道楽のうちだったということか。
   《参照》   『ドル亡き後の世界』 副島隆彦 (祥伝社) 《後編》
           【中川昭一財務・金融大臣】

 

 

【大航海時代を牽引した 「食」 】
 ヴェネチアやオスマン帝国などはこの東西交易の富を手中にしたことで繁栄を誇り、豊かな文化を花開かせていました。
 それはこれらの国々が地理的にオリエントとヨーロッパをつなぐ場所に位置していたからです。この東西交易の中心となっていたのが、四大香辛料と呼ばれた、ナツメグ、胡椒、シナモン、クローブであり、絹や陶磁器などでした。
 特に香辛料貿易による利益は莫大なもので、 ・・・(中略)・・・ 、生産地価格と消費地価格を比べると、なんと360倍もの価格差があったと言われています。(p.104)
 凄い価格差! である。単なる香辛料とはいえ、西欧で流行ったペストなどの影響もあり、医薬品的な意味合いもあったからこそ、このような価格差が生じたのだろう。
 それにしても偶然とはいえ、クローブ “clove(丁子)” の発音は、グローブ “globe(地球)” に似ている。
 コロンブスもバスコ・ダ・ガマも、狙っていたのはインドへの新航路の発見であり、彼らのインセンティブは、アジアとの交易により利益を得ること、イスラムとイタリアによるオリエント貿易の独占を破ることにあったのです。(p.104-105)

 

 

【アジアの唐辛子】
 タイや中国や韓国といったアジア各地の料理に欠かせないトウガラシも、16世紀以降にポルトガル経由で入ってきたものだった。(p.107)
 韓国には、日本の倭寇を通じて伝わり、最初は 「倭辛子」 と呼ばれていたという説もあります。キムチという国民料理も、それ以前には存在しなかったのです。(p.108)
 以前、韓国からの留学生から 「韓国に唐辛子をもちこんだのは日本人」 と言われてビックリしたことがあった。「日本統治時代なんてわずか100年前。そんなに歴史が浅いわけないし・・・」 と思っていたから、この 「倭辛子」 説に納得。
 日本人の海賊のオジちゃんたちは江戸時代にタイに日本人町を作っていたくらいだから、九州と韓国と食文化の類似性は昔からあったのだろう。九州の長浜ラーメンなんて、血の池地獄みたいなラーメンだし。
 ジャガイモは、ジャカルタからきたイモ。カボチャはカンボジアが名前の由来。いずれも大航海時代にポルトガルが南米から東南アジアに持ちこんだのが元である。

 

 

【歴史を動かした 「食」 】
 アメリカの独立も、紅茶という 「食」 がきっかけだったということです。 ・・・(中略)・・・ 。
 余談ですが、この事件はアメリカを紅茶文化からコーヒー文化の国に変えるきっかけにもなりました。いわゆるアメリカンコーヒーは、イギリスの茶条例に反発した植民地の人たちが、紅茶に似せてコーヒーを薄く入れたことが始まりと言われます。(p.26)
 「なんであんなに薄くて不味いコーヒーなの」って思っていたけれど、「へぇ~、紅茶の色に似せるためにそうしたのかぁ~」 である。

 

 

【食に関する世界の分類】
「食は資源なり」 イギリス アメリカ カナダ オーストラリア
「食は文化なり」 中国 日本 フランス イタリア スペイン アルゼンチンetc
  ・・・(中略)・・・ 
アングロサクソン国家 = ファーストフード、貧し食文化、金融業、システマティック、効率主義、グローバリゼーション。
アジア&ラテン系諸国 = スローフード、豊かな食文化、製造業、手工芸品、品質主義、ローカリゼーション。 (p.118)
 なるほど、この分類は茂木健一郎さんが使っている用語を用いて、“「クオリア」の有無に依る” とも言えそうである。

 

 

【ファーストフードと日本食】
 その結果、2004年にはアメリカ国内で14万4400件もの肥満手術が行われたのだそうです。(p.129)
 アメリカではファーストフードを食べている人々の健康問題が取りざたされている。健康志向の富裕層が日本食を愛好していても、格差の底辺側にある人々は、低価格のファーストフード漬になって健康を蝕まれ続けているのである。
 日本国内にもファーストフード店がたくさんあるけれど、こんなところで子供を餌付している母親というのは、まさに “亡国に一役買っている最も愚かな輩” と断罪して間違いないだろう。
   《参照》   『日本人はドラゴニアン《YAP(-)遺伝子》直系! だから、〔超削減〕させられる』高山長房《中》
             【アルミニウム】