『絶対に遅刻できない仕事』が
入った日の話でございます。
私は仕事に関しては案外
時間に正確なほうでして
この日も移動時間に
だいぶ余裕を見て家を出ました。
目的地まであと20分、と
ぐねぐねの田舎道を走っていて
さあそろそろ街に入るかな、
というところでなんと前方に
『通行止め』の表示が。
その奥に何台かの工事車両が。
・・・工事をするのはいい、
でもこの場合は
工事現場の手前ではなく
もっと前に・・・
ぐねぐねの田舎道が始まるあたりに
『この先工事、通り抜け不可』の
表示を出しておくべきだろう、と。
いや待てよ、そっちの表示が
出ていなかったということは
もしかするとこれは
作業開始直後ホヤホヤ?
交渉すれば工事車両の横を
すり抜けさせてもらえるか?
・・・という私の考えは甘く、
工事関係者との会話に
5分を無駄にし
「・・・私の目的地まで
どの迂回路をとるべきですか」
「えっと・・・たぶん
このぐねぐね田舎道の
始まるところまで戻って
(所要時間15分)
そこから別路
(同40分)・・・?」
いや私は今日だいぶ余裕を見て
家を出てきましたけど
ここから目的地まで
ほぼ1時間は
洒落になりませんよ!
しかしこの工事関係者は
あんまり付近の地理を
知らなそうだな、と
その場で華麗に
三点ターンを決めた後に
グーグルにお伺いを立てたところ
「某一車線道路を使えば
目的地まで30分で行けます」
かなり細い道のようですが
よし行ったろやないけ!の精神で
私は果敢に一車線道路に突入。
確かに道は細く
見通しも悪かったのですが
路面はそれなりに舗装されていて
これは時間通りに
目的地到着可能か?と
胸を撫で下ろしたところで
ぐねぐね道から直線路に出て
・・・まっすぐな道の向こうから
道幅を完全にふさぐサイズの
トラックがのこのこと
近づいてくるのが見え・・・
いやでもトラックは今ちょうど
小さな待避スペースの横を
過ぎたところではありませんか、
あっちが少しバックして
あそこに入ってくれたら
我々は問題なくすれ違える!と
アクセルを踏み込んで先方に
私の意志を伝えたつもりが、
トラックは何故か
その場に一時停止。
私が近づいてくるのを待ってから
運転手はハンドサインで
「そっちがバックして」
・・・いやそっちの5メートル、
いや3メートル後ろに
待避所ありましたよね?
そこに入ってくださいよ!
入れよ!
お前大型免許持ってんだろ!
・・・いかんいかん
ここで頭に血を登らせては
安全運転が不可能になってしまう、
車を降りて
交渉したいところだけれども
私はすでにさっきの工事現場で
5分間を無駄にしている
・・・200メートルくらい
戻ったところに
大きめの待避所があったな・・・
私はですね、車の後進は
好きじゃないんです!
でも背に腹は
代えられないんです!
トラックへの呪詛を呟きながら
私は車を200メートル
結構なスピードでバックさせ
大型待避所までたどり着き
・・・でもこの退避スペース、
舗装路から一段低くなっていて
ジャリジャリしているんですよね。
相手は大型トラック、
しかも私が道を譲ってバックした形、
向こうが待避所に入るのが
礼儀だと思うんですけど
そこでこのトラックの運転手は
「早く待機スペースに入ってよ」の
ハンドサインを送って来て・・・
貴様、私が急いでいなかったら
道路の真ん中に車を停めて
そっちの運転席によじ登って
耳元で金切り声を
上げるところだぞ・・・!
でもほら、運転が下手な奴に
何を言っても無駄じゃない?
いいかトラックの運転席のお前、
「女は運転が下手でさあ」とか
今後二度と冗談にするなよ、
フェミニズム云々は置いといて
今の私とお前なら明らかに
私のほうが運転上級者の
ムーヴを見せているからなっ?
私は憮然としながら
退避スペースに
自分の車を入れました。
そしてトラックの
後方を見て気づいたのです、
トラックの後ろに8台ほど
他の車がぴったり
行列していたことに・・・!
・・・ああ、なるほど、
これはトラックはバックできない。
悪いのはトラックではない。
トラックの運転席を振り返ると
運転手さんは
「ご理解ありがとうございます」
みたいな顔をして私に手を振り・・・
仕事にはなんとか間に合いました。
事故も起こさず良かったです。
車のバックが
得意なアナタも不得意なあなたも
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