東京日本橋にある鍼灸治療室クリスタ、院長のかとうようこです。

 

さて、これまで2回にわたって「吐き気」のお話をしてきました。

 

 

 

 

 

 

ここまで読んでくださった方の中には、
「じゃあ、つわりの場合はどうなの?」
と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

つわり。
正式には妊娠悪阻(にんしんおそ)と呼ばれます。

字面だけみると病気?っぽいイメージになりますが、

妊娠は病気ではありません。
 

体の中で新しい命が育つとても自然な変化です。
 

だからこそ、
つわりの出方には
その人のもともとの体質や、
これまでの生活習慣が少なからず影響することがあります。

 

 

つわりはなぜ起こるのでしょう

 

東洋医学の視点でみると、つわりの吐き気もやはり
「胃気上逆(いきじょうぎゃく)」の一種と考えられます。

 

胃のエネルギーは、本来は下に向かって流れるもの。(胃袋のエネルギーって思ってください)


食べたものを胃から腸へ送り出す働きがあるからです。

 

 

ところが、この流れが上に逆らってしまうと、
吐き気が起こります。

 

では、なぜ妊娠するとそれが起こりやすくなるのでしょうか。

 

 

妊娠すると、赤ちゃんを育てるために
体の血液は子宮へと集まっていきます。

 

体は妊娠に合わせて、働き方を大きく変えていくのです

 

東洋医学では、このとき
「衝脈(しょうみゃく)」という経脈の働きが強くなると考えます。

 

 

衝脈は、子宮と深く関係する経脈で、
女性の体の変化に大きく関わる流れです。

 

この衝脈の働きが活発になると、
その影響が胃にも及び、

本来は下に向かうはずの胃の気が
上に上がりやすくなることがあります。

 

その結果として起こるのが、吐き気や嘔吐です。

 

東洋医学では、この状態を
胃気が上逆する
と説明します。

 

 

 

 

つわりの出方は人それぞれ

 

ただし、ここで大事なポイントがあります。

 

それは
体の土台がどれくらい整っているか
ということです。

 

この違いによって、つわりの出方はかなり変わると考えられています。

 

とはいえ、つわりの感じ方は本当に人それぞれ。

 

ここでご紹介するタイプ分けも、
「自分はこの傾向があるかもしれないなぁ」
くらいの気持ちで読んでいただければ大丈夫です。

 

妊娠中は体が大きく変化する時期です。
つらいときは無理をせず、医療機関に相談することも大切にしてくださいね。

 

 

 

 

 

 

実は、先日産休中のスタッフともそんな話になりました。

 

「1人目と2人目で、つわりの出方が全然違ったんです」
と話してくれたんです。

 

毎回同じように起こるわけではなく、
妊娠ごとに感じ方が変わることもあるんですね。

 

私は3人出産したのですが、なんと全員つわりの出方が違いました...

 

 

出産を経験すると、生活習慣や体の状態も少しずつ変わっていきます。
そうした変化が、つわりの出方にも影響しているのかもしれません。

 

 

 

 

 

つわりの代表的タイプ

 

東洋医学では、つわりの状態もいくつかのタイプに分けて考えます。

難しく考えなくても大丈夫。


ここでは、大きく3つの傾向をご紹介します。

 

① 胃腸がもともと弱いタイプ

もともと胃腸が弱い方は、妊娠による体の変化の影響を受けやすくなります。

このタイプでは

・吐き気
・食べ物のにおいで気持ち悪くなる
・食べると吐いてしまう

といった症状が出やすくなります。

 

 

 

 

さらに

・お腹が張る
・体がだるい
・眠気が強い
・便がゆるい

など、胃腸の弱さに関係する症状が一緒に出ることもあります。



② ストレスの影響を受けやすいタイプ

妊娠すると、赤ちゃんのために血液が子宮に集まります。
 

東洋医学では、その影響で
肝(かん)に蓄えられている血が不足しやすくなると考えます。
 

すると、気の巡りが乱れやすくなります。

 

そこにストレスが重なると、
気の流れが滞り、胃の働きにも影響してしまいます。
 

この状態は
肝胃不和(かんいふわ)と呼ばれます。
 

このタイプでは

・吐き気
・酸っぱいものがこみ上げる
・においに敏感になる
・脂っこいものが苦手になる

といった症状が出やすくなります。
 

さらに

・わき腹の張り
・げっぷ
・ため息が増える
・気分が落ち込みやすい
 

など、ストレスの影響を感じやすい症状がみられることもあります。
 

実は、つわりが強く出る方に多いタイプでもあります。
 

だからこそ、ご本人も周りの方も、
できるだけ妊婦さんが穏やかに過ごせるよう配慮して欲しいです
 

③ 水分が体に溜まりやすいタイプ

東洋医学では、体の中に余分な水分が溜まる状態を
痰湿(たんしつ)と呼びます。
 

もともと胃腸が弱い方や、

・甘いものが多い
・水分を摂りすぎる
・湿気の多い環境

などの条件が重なると、この状態になりやすくなります。


このタイプでは

・吐き気
・食欲不振
・水っぽい嘔吐

などが起こりやすく、
 

・体がむくむ
・手足がだるい
・冷えやすい

といった症状が出ることもあります。
 

 


吐き気そのものをやわらげるケア

 

吐き気へのケアとしては、
以前ご紹介しただん中のツボを温める方法だけでも役立つことがあります。
 

もしつわりが強く、食べても吐いてしまうようなときには、

 

・足三里
・中かん
・内関
 

などのツボを、やさしく手のひらでじんわり温めてみてください。

 

 

 

 

 

 

注意妊娠初期に強い刺激は禁忌です。

 

冷えには気をつけて

 

つわりのタイプに関わらず、
手足が冷えやすい方はとても多いです。
 

中には「冷たいものが欲しくなる」という方もいますが、
摂りすぎてしまうと体を冷やしてしまいます。
 

無理のない範囲で、

・温かい食べ物
・消化の良い食事

を選んでみてくださいね。

 


妊娠前からの体づくり

 

これから妊娠を考えている方は、
今のうちから体調を整えておくことも大切です。
 

東洋医学では
予防がいちばんの養生
と考えます。
 

体を整えておくことが、
つわりを軽くする助けになることもあるからです。

 


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