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倭建命の妃と御子を紹介する資料の中では、
妃は5人と、一妻と書かれていますが、
物語を構成するエピソードの中で、もう一人妻になる女性が出てきます。
美夜受比売命ーみやずひめのみことー
『日本書紀』では宮簀媛命と表記。
天火明命の子孫であり、尾張国造の乎止与命ーおとよのみことーの娘。
兄は、建伊那陀命ーたけいなだのみことー。
『日本書紀』では、建稲種命ーたけいなだねのみことーと表記。
後に、熱田神宮の創始者となる女性です。

東国12か国を制定した倭建命は、尾張国まで帰ってくると、
早速、美夜受比売命の元を訪ねました。
東征に向かう前、婚約はしたものの、
この先、無事に戻れる保証もなく、
何年掛かるかもしれない旅でした。
美夜受比売命の心も、決して変わらないとも限らなかったのです。
無事に戻ってきた倭建命の姿を見て、
美夜受比売命は、喜び、宴を開いてくれました。
しかし、東国で妻を失い、辛い戦いに明け暮れた倭建命は、
心身ともに疲れ果てていて、
比売の本心が掴めず、今でも自分の事を想ってくれていると、
自惚れることも出来ませんでした。
宴の最中、ふと、盃に酒を注いでくれる比売の衣の裾を見ると、
血が付いていました。
そこで、倭建命は、比売の気持ちを確かめようと、
歌を囁きます。

大和の香具山を渡る白鳥の首のように、
細くてしなやかなあなたの腕を枕にして、
一緒に寝てみたいと思うのだが、
あなたの衣の裾には、月が出てしまっているのですね。
すると、比売はこう返します。
高貴な日の神の御子。
私の愛しい大切な人よ。
日が昇り、年が過ぎていくように、
月も巡ってきます。
それが自然の理というもの。
あなたのお戻りを、今か今かと待ちきれず、
私の衣の裾に月が出てしまっても、
それは仕方のないことなのです。

今もお互いに想い合い、求め合っていると確かめ合った二人は、
そのまま、夜を共にしました。
すっかり元気を取り戻した倭建命は、
肌身離さず持っていた草薙剣を、美夜受比売命に預け、
素手で伊吹山へと出かけると、伊吹山の神の怒りに触れ、
そのまま帰ることはありませんでした。

美夜受比売命の元に残されたのは草薙剣のみで、
比売は、これを倭建命の鎮魂の為、
自らの氏族である尾張氏が斎場とする地へ祀りました。
これが、後の熱田神宮となるのですが、
美夜受比売命は、伊勢神宮にあった草薙剣が、
尾張氏の手の渡り、熱田神宮に祀られることになった経緯を記すための、
重要な人物となっています。
あるいは、元々草薙剣と、尾張氏が結びついていて、
そこに大和朝廷を関わらせるために、
記されたエピソードではないかとも言われています。
その為、生理中に結ばれたエピソードと相まって、
二人の間には、子孫は生れなかったことになっていて、
『記紀神話』の中では、妃としての紹介もありません。
( 『先代旧事本紀』で弟橘比売命の御子になっている、
武田王ーたけだのきみーと、佐伯王ーさえきのきみーの兄弟が、
『ホツマツエタ』では、美夜受比売命と、倭建命の間に生まれた。となっている )
しかし、美夜受比売命は、残りの生を、
倭建命の鎮魂の為に捧げたとされています。
ご神徳 厄除
縁結び
安産 など

古代では、生理が始まるまで、
女性は巫女になることが出来ませんでした。
生理が始まると、やっと神と結ばれる資格を持つと考えられ、
神に選ばれ召された事の、神聖な証でもあったのだそうです。
生理は、現代のように、「血の穢れ」「不浄」とは、
無縁のものでした。
その証拠に、『記紀神話』では、
血から、沢山の神々が生まれています。
古代においては、「血」や「死」自体は「穢れ」ではなく、
疫病が蔓延するような、「不衛生状態」こそが、
「穢れ」とされていたようです。
また、初潮を迎えると、お赤飯を炊いてお祝いするのは、
古代に神聖視されていた考えが、現代に続いている証ですが、
「大人になったお祝い」と言われていて、
本来の意味からは、変わっています。
お赤飯は、元々、古代米の一種、赤米を蒸したものでした。
赤米は、その色から、邪気を祓い、魔除けの力があると信じられ、
神様へお供えされる食べ物でした。
それが、神様と同じものを食べ、神様の力を分けて頂く為に、
お供え後の食べ物を食べる信仰が生まれ、
慶事でも、同じものを食べるようになりました。

本来、女性に色目を使ったり、襲わないように、
男性の欲望から女性を守るために始まった、
仏教などの修行の場や、神事の場への女人禁制でしたが、
それでも、色欲を断ち切れなかった、昔の修行僧達によって、
自らの修行の妨げになる女性は、「穢れた存在である」と、
全国に広められ、根付いてしまいました。
そして、男系社会にとって都合の良い思想が広まり、
長い間、女性の権利が認められない時代が続くのです。
女性と男性は、脳も体の組成も違うので、
考え方や感じ方、出来る事と出来ない事が違います。
それを、お互い差別するのではなく、区別して、
『記紀神話』の神様達のように、
それぞれの特性を活かしていけたらいいですね。
ここからは亜紀がお送りします。
現在日本の制度では、
一夫一婦制。
だけど古代の日本では違うし、
ましてや権力者ともなれば、
妻や妃がたくさんいてあたり前。
江戸時代は大奥もあったしね。
しかし、日本武尊は、
「スーパーヒーローでも無いんだな」
と感じるね。
美夜受比売命とのエピソードでも、
「まだ気持ちはあるのだろうか・・・」
と思い悩んで歌を詠むところとか。
それを察して返歌した
美夜受比売命は度量が大きいのかもね。
さて、コンタクトしてみようかな。
三種の神器である
「草薙の剣」
が、大和朝廷ではなく、
一氏族である尾張氏のもとにある事の正当性。
その為に必要なエピソードとキャラクター。
なのだろうか。
元気になったからといって、
神剣を手放して戦いに赴くとか・・・。
ちょっとクエスチョンマーク頭に出てくるよね。
尾張氏と伊勢神宮には、
何か深い関わりがあるんじゃないかな。
なんか一つの絵のような、
大剣を胸に抱く巫女の様な女性を感じる。
生々しい感じが無くて、
象徴的な。
それ程美夜受比売命が日本武尊の事を思って、
生涯をかけて弔った・・・のかもしれないけど。
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