どこ見る?どう見る?西洋絵画!サンディエゴ美術館 feat.国立西洋美術館展の訪問レポ | 山里リトリートねこ福 ✢✢ 時間が止まる龍宮城へようこそ ✢✢ 大阪高槻 神峰山の郷

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京都市京セラ美術館で開催中の『どこ見る?どう見る?西洋絵画!サンディエゴ美術館 feat.国立西洋美術館』展に行ってきました。

 

10月13日までの会期なのでもう備忘録でしかないけれど、最終日、もしご都合つくなら訪れてみてください。

 

絵画鑑賞初心者でも楽しめる作品群が並んでいますよ。

 

 

 

 

サンディエゴとは、この場合アメリカの西海岸の南端の都市のこと。世界中に同じ名前の街がある

 

アメリカの美術館は「わかりやすい」美術品を収集する傾向があるので、素直にすご〜いと感嘆できる作品が揃ってます「どや、すごいやろー」がアメリカのキジュン

 

これのどこが良いんでしょう?ってな通好みなキワモノは混じってないので、誰もが最後まで気分良く観て廻れる…と思います。

 

 

この頃ねこ福では絵画鑑賞サロンを企画してるので、この展覧会の着眼点を確かめておきたくて時間をたっぷり取って観てきました。

 

 

 

 

 

「どこ見る?どう見る?」はさておき、ここには印象に残ったことを書き置こうと思います。

 

 

サンディエゴは、19世紀半ばにアメリカが、独立間もないメキシコから分捕った領土なので、スペイン植民地文化の色が濃い。だからなのか、スペイン宗教画の展示がなんと多かったことよ。

 

 

🖼️バロックの『マグダラのマリア』の説得力が凄かった

マグダラのマリアを題材にした絵画は、60作品中3点もあった。

 

ルネサンス期『マグダラのマリアの回心』 ダヴィンチの弟子作 右がマリア

 

実は私、中世宗教画が吐き気がするほど苦手なので…このルネサンス期の展示室に入るまでちょい息苦しかった。

 

やっと空気が吸えるようになったのはここより先のバロック期以降のブースに移ってから。

 

そこにあったマグダラのマリアは実在感が半端なく、、

 

 

聖書の中の人物ではもはやなく、現代の悩める女子そのもの。

 

そうそう、人は気付きを得たときこんな表情で恵みに感謝するようになる。

与えられているものに気付かず過ごしてきた日々を後悔できたとき、誰しもこんな目をするに違いない。

 

悔悛とは、娼婦だけがするものではない。

娼婦だけが罪人でもない。

 

無知に気付かず生きる者、誰しもが罪人だわさ。

 

 

聖書に書かれている本意にハッと気付かされる2枚でした。

 

バロック期『悔悛するマグダラのマリア』ムリーリョ作

 

バロック期『悔悛するマグダラのマリア』 プロカッチーニ作

 

 

自分自身とて、これまで何回こんな場面を繰り返してきたことだろう。懲りない大罪人だわっと反省した。

 

聖書を他人の物語ではなく我ごとに置き換えさせるこの2枚の絵、凄っ‼︎

 

 

この時代、科学や医学の進歩により事象を綿密に観察する意識が高じ、絵画でも視覚的なリアリティが重んじられるようになったと、解説にあった。

 

現実とは乖離した想念の絵画から、眼前の現実を見据えた絵画へと地に足が着いた変遷を辿る紀元後の西洋絵画史。それって、精神性が解放されていく現れのような気がするな。

 

 

🖼️食物の絵(ボデゴン)に崇高な精神性を感じてしまった

究極の静物画と言われてるこの作品が観れただけでも訪れた甲斐あり。

 

1602年『マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物』コターン作

 

シュールだったなぁ。むしろダリより不思議だった。

 

野菜を紐で吊るす必要あんのか? なんで無機質な枠の中に食べ物を閉じ込めるんだろう。まるで写真のごとく自然な質感に溢れた野菜と、意図にまみれた構図のアンバランス。

 

画面を満たす静謐な時間の流れ。

 

400年前にこの感覚。奇抜すぎてだいぶかっこいい。

 

 

でもって、この食べ物の絵が、エル・グレコの宗教画などと並べて飾られている。同じジャンルなの??

 

 

『神の仔羊』(←キリストのこと)スルバラン作

 

スルバラン作

 

先ほどのシュールな野菜画、どうにも意味深でありがた〜いオーラを発してると思いきや、この作者は後に宗教画家に転身したらしい。

 

‘画家括り’で同じブースに? 

 

いやいや、そうではなさそう。別の画家の静物画もある。

 

ここに並んでると、一見美味しそうなだけの食物画がどんどん崇高に見えてきた。

 

『果物籠と猟鳥のある静物』デル・アメン作

 

あれ?この時代、食べ物は聖人と同じくらい神聖視されてたのだろうか??

あぁなんて飽食の時代に生きる私たち…ってこと?

 

ボデゴンと聖人が同居するこの空間の空気、厳かで清らかで心地良かった。

 

 

 

🖼️半世紀絵画を観てきた中で最もリアルなレース描写

『ポティエ・ド・ジェヴル枢機卿エティエンヌ=ルネ』一部 バトーニ作

 

神技でしかない

こういうのはアメリカに渡っていく…

 

 

🖼️一瞬の風を捉えたモネの弟子

一瞬の光のきらめきを捉えたモネ。直弟子は、子供の一瞬のたじろぎを風にのせて表現した。

少女漫画の技法とも言える…

『闖入者』ロビンソン作

 

 

 

 

芸術作品を鑑賞するのに解説は不要。

好きを好きと感じられる感性があればそれで良い。

 

なのに、解説されると良さがわかって感じ取れることの厚みが増すから楽しみが増す。

 

それが感性を磨くことになるのかというと、ちょっと違う気がする。

 

だから、今回の展覧会のような切り口で芸術作品を紹介する手法が主流になリすぎるのはどうかと思う。知ることで感じた気になるって、それ陥ってはならぬ錯覚。

 

だけど、知識や思考を挟まずして芸術鑑賞の幅を広げることは期待しにくい。

 

うむ、知性と感性を使い分けるセンスが要だよなー。ちょっと危うさを感じないでもなかったけど、オタクにとってはなかなかに心憎い構成の展覧会でした。

 

 

 

 

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