名画を飾る引き立て役にスポットを当ててみた 〜名画の前に立つ⑷ | 山里リトリートねこ福 ✢✢ 時間が止まる龍宮城へようこそ ✢✢ 大阪高槻 神峰山の郷

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一旦3回で連載を終えたはずの

『ロンドンナショナルギャラリー展』の備忘録をしつこく再開します。

 

 

お客様にお誘いいただいて、

2度目の訪問をしてきました。

 

同じ展覧会に複数回訪れるなんて最近滅多にできないので、

とても贅沢な体験になりました。

 

前回もそこそこ時間をかけて

満足っと思えるほど鑑賞した後だったので、

今回はちょっと違ったところを

観察してやろうって思いました。

 

今日はそのことを綴ろうと思います。

 

 

 

1回目で、

 

 

 

2回目には、

 

 

3回目には、

 

 

 

 

何をつぶさに観察してきたかというと、

額縁

 

 

額は絵画と切っても切れない大切な間柄。

額装いかんで

作品の印象は映えも劣りもするんですよね。

 

絵画しか見つめていないつもりでも、

額装は気づかぬ間に

見る者の深層心理を動かしていますよ。

 

 

知ったかぶったように書いてますが、

特に額装を深く語れるというわけではありません。

 

普段は絵画に集中するだけで精一杯です。

絵画鑑賞というのは2−3時間立ち詰めで

意外と体力勝負なんです。

額装論を打ち立てるゆとりはないんですね。

 

 

それに、

額は所有者が流転する間に

作り変えられることが多いそうです。

 

作品の意図と連動しておらず、

何かを汲み取ろうとするのは無意味な場合もあるようです。

 

なぜにこの絵にこの額?

って思うこともありますよ。

 

 

その点では、

今回出展しているロンドンナショナルギャラリーは、

制作当時の額縁を修復して保存することに熱心で、

「額も含めて作品」とみなせるものが多いそうです。

 

なので、

額装を観て巡るのも

それなりに価値ありそうだったんです。

 

 

 

 

今回の出展作品の中には

この額縁あってこそと思えるような

絵画を引き立てっている額装がいくつもありましたよ。

 

 

『ロバート・ホロンド夫人』

 

額の内側にさらに楕円の縁取りがされていて、

どこもキンピカ。

 

なんだけれど、

赤白青の3色だけで構成されている肖像画は

金尽くめにも負けない威風があります。

 

これも計算づくなんだと思います。

肖像の人物は、きっと清楚で芯の強い人物だったのでしょう。

 

絵画で清楚さを

金色で放つオーラを表現してるように思います。

 

 

金縁に施された模様は、

アール・デコが流行する半世紀も前なのに

それを彷彿とするものがあり、

幾何学的でモダンです。

 

対照的に女性のまとう衣装は

古代ギリシャ風で簡素ですが、

これもフランス皇帝時代に大流行したスタイル。

 

トリコロールカラーは、

フランスの国旗(当時なら革命軍旗かな)。

 

この女性はフランス愛が強そうです!

 

 

 

 

スペインの絵画は、額に盛り過ぎる傾向があります。

 

額のインパクトが強すぎて、

中の絵画を鑑賞するのを忘れてしまうって経験を

これまでにも何度かしています。

 

ワッサーっと3Dで稲穂か小麦が垂れて

絵を取り囲んでる作品を観たことがあります。

絵のテーマは収穫にはどう観ても無関係だったように思います。

絵の記憶は飛んでいった…

 

あまりにもアンバランスで、

絵の前で吹き出してしまうものだってあるんですよね。

スペイン芸術には時々そんなアンバランスがある…

 

過去の記憶からしたら今回の出展作品は大人しいものですけど、

あら、やっちゃったのねって思うアクの強さは健在で

笑わせてくれました。

 

 

ゴヤ「ウェリントン侯爵」

 

おー!将軍の肖像の上にリボン、盛っちゃったのね。

 

 

エル・グレコ 『神殿から商人を追い払うキリスト』

 

額の中に東洋風の花鳥風月の絵が描きこまれています。

名画の額に、絵。斬新…

 

 

 

てな感じで、

額が一人歩きしそうな要素をスペイン絵画では

時々見かけるのです。

 

 

 

 

片や、絵画とガチ勝負しながらも

意図を損なわずギリギリのバランスで盛り合戦してたのは、

イタリアルネッサンスの作品でした。

 

イタリアのセンスってやっぱり絶妙ですごい。

 

クリヴェッリ 『聖エミディウスを伴う受胎告知』

 

 

 

額が絵画を引き立てていたのはこれかな。

かなり重厚で立体的な装飾だけど、

モチーフが王道なので絵にしっくり馴染んでる気がした。

 

『劇場にて(初めてのお出かけ)』

 

 

 

額が徹底的に引き立て役に徹していたのは、これ。

 

『ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス』

 

 


 

このほかにも、

丁寧に細工を修復された跡が味わい深いものにも見とれつつ、

いつもと違った過ごし方をしてきました。

 

脇役といえども立派な工芸作品。

じっくり味わう時間がもてて贅沢でした。

 

 

 

それにしても、

会場で監視員をされている人たちが羨ましい。。。

わたしは美術館に、ルーブル美術館に住みたい!

 

 

 

 

展覧会のHPには出展されている全作品が紹介されています。

学芸員さんの解説動画も充実しているので、

出掛けそびれた方は是非こちらでお楽しみください♪

 

写真は、こちらこちらこちらのブログから借用させていただきました。

特にこちらのブログはこの展覧会の作品を額装込みでたくさん紹介されています。

ぜひ訪れてみてください。
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