先月、大阪国際美術館(中之島)で開催されている
『ロンドンナショナルギャラリー展』へ行ってきました。
イギリスとアメリカは経済力に飽かして
一級品の名画をたくさん所有しています。
美術の教科書に載っているあの名作もこの名作も
この美術館が所蔵しています。
何をもって一級品と呼ぶかは色々な視点がありますが、
今言ってるのは、「分かりやすい」素晴らしさってとこかな。
誰が観ても、わぁ〜すごいねって言いそうな上手さ。
なので、
どなたが行かれても堪能できるのではないでしょうか。
ルネッサンスから後期印象派までのヨーロッパ絵画の
エッセンスが一堂に揃っています。
ヨーロッパ絵画の発展の流れがなんとなく把握できると思いますよ。
論理的に美術品を解釈して蒐集するのが
イギリスやアメリカは得意です。
だから「分かりやすい」。お勉強するのに向いてます。
わたしはというと、ルーブル美術館のコレクションのように
ふわっと、はぁ〜?っていうような抜けた感じの
曖昧な美しさが好きです。
アングロサクソン(イギリス・アメリカ)の技巧好みには
ふんっと鼻を鳴らしたくなるところがありますが、
それでも素晴らしいものは素晴らしい。
今回いちばん感動的だったのは、ターナーのこの絵です。
133 x 203 cmの大きな作品。
ターナーといえば、
ねこ福の玄関にもシルクスクリーン画を飾っています。
ここで熱く語っております ➡︎ ♣︎♣︎♣︎
イギリスを代表する風景画家で、
風景を題材にそこに立ち込める「光」を描くこと神業。
描きたいものを「描かずに」表現するのが、
彼の作風なのです。
光って実態のないものだから。
なんだけど、
この作品では目に見えないものをあえて描いていて、
珍しい作風でした。
例えば、
船が巻き起こすさざ波に紛れてニンフ(自然に宿る精霊)、
昇る朝日にかかる霞がアポロンの馬車のシルエットに、
手前に立ち込める暗雲は狂った巨人をかたどっています。
風景に溶け込むように描かれた神話の世界の存在。
もしかしたら、いわゆる「神々」ってこの絵に描かれたように
人間の営みのそばにいつも居てるのかもしれない…、
そんなふうに思わされるほど、
人間と神話の登場人物が混在しつつ
見事に描き分けられていました。
この絵を観て、
彼が絵の中に描かずして描き込んでいるモノって、
やっぱりこういうモノなのねと、
すごく合点がいったのでした。
彼は風景画の中に、雄大な自然への畏怖の念を
表現しようとしてるんだろうなっと思っていたので。
本人が作成した
画業を誰にでも分かるように解説した
虎の巻の1作って感じもしました。
残念ながらターナーの描くものは
実物でしか感じ取れないものがありますので、
是非足を運んで観ていただきたいです。
なにしろ、本来目に見えないものですから…。
今月末まで開催しています。
事前に日時指定のチケット購入が必要なので、
空いていて観覧しやすいです。
当然ながらまだ続きます(笑)
因みにターナーは、
昨年からイギリスの £20 紙幣になってますよ。
画像は展覧会の公式HPからお借りしました。
