目に見えないものを描く画家があえて描いた虎の巻 〜名画の前に立つ⑴ | 山里リトリートねこ福 ✢✢ 時間が止まる龍宮城へようこそ ✢✢ 大阪高槻 神峰山の郷

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ギャラリーねこ福はこんなところ
ねこ福についてフォトギャラリー

 

先月、大阪国際美術館(中之島)で開催されている

『ロンドンナショナルギャラリー展』へ行ってきました。

 

 

イギリスとアメリカは経済力に飽かして

一級品の名画をたくさん所有しています。

 

美術の教科書に載っているあの名作もこの名作も

この美術館が所蔵しています。

 

何をもって一級品と呼ぶかは色々な視点がありますが、

今言ってるのは、「分かりやすい」素晴らしさってとこかな。

誰が観ても、わぁ〜すごいねって言いそうな上手さ。

 

 

なので、

どなたが行かれても堪能できるのではないでしょうか。

 

ルネッサンスから後期印象派までのヨーロッパ絵画の

エッセンスが一堂に揃っています。

ヨーロッパ絵画の発展の流れがなんとなく把握できると思いますよ。

 

論理的に美術品を解釈して蒐集するのが

イギリスやアメリカは得意です。

だから「分かりやすい」。お勉強するのに向いてます。

 

 

 

わたしはというと、ルーブル美術館のコレクションのように

ふわっと、はぁ〜?っていうような抜けた感じの

曖昧な美しさが好きです。

 

アングロサクソン(イギリス・アメリカ)の技巧好みには

ふんっと鼻を鳴らしたくなるところがありますが、

それでも素晴らしいものは素晴らしい。

 

 

 

 

今回いちばん感動的だったのは、ターナーのこの絵です。

 

《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》

 

133 x 203 cmの大きな作品。

 

ターナーといえば、

ねこ福の玄関にもシルクスクリーン画を飾っています。

ここで熱く語っております ➡︎ ♣︎♣︎♣︎

 

イギリスを代表する風景画家で、

風景を題材にそこに立ち込める「光」を描くこと神業

 

描きたいものを「描かずに」表現するのが、

彼の作風なのです。

光って実態のないものだから。

 

なんだけど、

この作品では目に見えないものをあえて描いていて、

珍しい作風でした。

 

 

例えば、

船が巻き起こすさざ波に紛れてニンフ(自然に宿る精霊)

昇る朝日にかかる霞がアポロンの馬車のシルエットに、

手前に立ち込める暗雲は狂った巨人をかたどっています。

 

風景に溶け込むように描かれた神話の世界の存在。

 

もしかしたら、いわゆる「神々」ってこの絵に描かれたように

人間の営みのそばにいつも居てるのかもしれない…、

そんなふうに思わされるほど、

 

人間と神話の登場人物が混在しつつ

見事に描き分けられていました。

 

 

この絵を観て、

彼が絵の中に描かずして描き込んでいるモノって、

やっぱりこういうモノなのねと、

すごく合点がいったのでした。

 

彼は風景画の中に、雄大な自然への畏怖の念を

表現しようとしてるんだろうなっと思っていたので。

 

本人が作成した

画業を誰にでも分かるように解説した

虎の巻の1作って感じもしました。

 

 

 

残念ながらターナーの描くものは

実物でしか感じ取れないものがありますので、

是非足を運んで観ていただきたいです。

なにしろ、本来目に見えないものですから…。


 

 


 

『ロンドンナショナルギャラリー展』

今月末まで開催しています。

 

事前に日時指定のチケット購入が必要なので、

空いていて観覧しやすいです。



 

 

当然ながらまだ続きます(笑)

 

因みにターナーは、

昨年からイギリスの £20 紙幣になってますよ。



画像は展覧会の公式HPからお借りしました。