『ドライブシュミレーター』での忘れられない思い出 2 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

 

   講習当日は指定された教室に集合することから始まった。

 

 

   私は一番に到着。

 

   しかし直ぐ「講師」のお嬢さん(という印象の女性だった)が入って来たので挨拶しているとまた直ぐ、先に言った「若い男性」二人が揃って、まさに

 

 

   『ノッソリ…』

 

 

  …という擬音と共に入って来た。

 

 

 

 

  「講師」のお嬢さんは直ぐ明るく

 

 

   「ああ、

 

  『ボケナス』さんと『ドンクサ』さんですね?

   (注;もちろん「仮名」です!)

 

   おはようございます!」

 

 

 

   と大きな声を掛けたのだが、二人は「おはよう」の「お」の字も口にせず、目を凝らして見なければ判らないほど顎をかすかに下げたダケだった。

 

 

 

   …その一瞬で私は

 

 

  「何か「ヘンなヤツ」と組むことになってしまったな~!」

 

 

  …と思ったのだが、まあやる事は個々のことなんだから問題はないだろう、と考え直す。

 

 

 

 

  挨拶もされなかった「講師」のお嬢さんも気を直ぐ気を切り替えたのか、テンションそのままにその日一日の訓練の流れや講義の内容などを説明し始めた。

 

 

  ところが「二人」は彼女が何を言っても何の反応もしない。

 

  言葉を振られても返事もせず、頷きもせず、もちろん何の質問もせず、まさに

 

  「心ここにあらず」

 

 

  …ではないか?と思いたくなるような態度丸出しのまま、口を半開きしたまま、見事に一言も発さない。

 

 

 

 

 

   その余りの反応の無さに最初イライラした雰囲気があった彼女=「講師」も早々に諦めムードになり、殆ど私に向かって話しているような感じになって行った。

 

 

 

  先ず最初に彼女からその日は

 

 

  『ドライブシュミレーションを含めた講習』⇒休憩(15分)

 

 

  ⇒『前の講習を踏まえての実車講習』⇒休憩(15分)

 

 

  ⇒『実車講習の反省を含めた講習』

 

 

 

  …ハイ御苦労様、という流れであるということを伝えられた後、『ドライブシュミレーター』を使う目的や操作方法を説明された。

 

 

  「では、一回15分位ですが、一人ずつやってもらいます。

 

 

   どなたが最初にやりますか?」

 

 

 

   …当然だが「講師」にそう言われても「二人」は返事もしないどころか手を挙げようともしない。

 

 

   「あ~、私やります!」

 

 

 

 

   「どうせやらねばならないことなら、

 

   イヤな事はサッサと済ませた方がイイ」

 

 

   …と考える私は真っ先に手を挙げ、機械の前に座った。

 

 

 

   私が「講師」と一緒にあれこれやっている間に待っている「二人」は何をしている訳でも、まして何か会話している訳でもない。

 

  ホント、何が楽しみで生きているんだろう?と思ったくらいだ。

 

 

 

  私が終わり、「では、次はどちらが?」と彼女が言うと、『ボケナス』と『ドンクサ』、どっちだったかは忘れたが一人が黙って手を挙げた。

 

 

 

   仮に彼を『ボケナス』としよう。

 

 

   「はい、じゃあ次は『ボケナス』さんね!」

 

 

  …そう言われて黙ったまま座った『ボケナス』は流石若い男の子、一応機械には強いらしく「講師」の手など殆ど煩わさず一人でスムーズに操作していた。

 

 

 

  彼が順調に終わり交代で『ドンクサ』の操作が始まった途端、

 

 

 

  「……あ~の~お~……」

 

 

 

  その日初めて……いや、「最初の最後」で

 

 

 

   「自分から」

 

 

 

   …手を挙げて『ノッソリ』と立ち上がり、

 

 

   『ボケナス』が声を発した……!