最近「EU離脱」時に混乱があるかもしれない、ということでトラック業界が事前訓練したり、病院関係者に医薬品の買い溜めを勧める話が出たりしているのは確かだが、
「ドイツの金融機関が崩壊してヨーロッパの物流システム全てが大混乱!」
…という『オソロシイ事実』が起こったのか、はたまた起こっているのか、私にはわからない。
(ただ、『今現在』一定の種類の「処方箋薬」が品不足気味なのだろうとは実感している)
わかるのは、そういう話が出た頃から私に対する『キュリさん』の
「ああしろ、こうしろ、私の言う通りにしろ!」
…という態度が如実に感じられるようになって来たことと、私にしても
「で? アナタはどうなのよ?」
…と言い返したくなる場面が多くなって来た、という『事実』だった。
それでも何度も言うように一方的な愚痴や泣き言、恨み話、理不尽な言いがかりを延々と
「聞き流す」
…ことに長けてしまった?私は、最後の瞬間まで彼女に「歯向かう」ことはなく、例え口だけであろうとも「喧嘩」することは無かったのだから、自分でも大したもんだと思ってしまう。
「最後の瞬間」にしても『キュリさん』からしたら、私の方が自分に対して無礼な態度を取ったので自分から縁をブチ切ってやった、くらいに考えているに違いない。
とにかく、私は出来るだけそうした「世界情勢」の話を避けるようにしながらも『キュリさん』との付き合いを続けていた。
それは彼女自身が同年代の日本人のシングルマザーであり、更に形こそ違えど元パートナーから酷い扱いを受けた、ということで時に重過ぎる互いの経験を話し易かった、ということが大きい。
しかし私に対する彼女の『頭ごなし』な言動……それが彼女なりの「親密さ」の表現だったとしても……が鼻につくようになった頃から「そうした話」に対しても変化が感じられるようになって来た。
「もうさ、そんな男の事なんてサッサと忘れなさいよ!
私なんて、とっくに忘れているわよ!」
…何をどう話していたかは忘れたが、突然、という態度で『キュリさん』が私に言い放った。
「そんな男」とは、もちろん私の「モト」のこと。
「…忘れているって……でも、アナタだって財産をしっかり取る為に「ダンナ」を捕まえて裁判に持ち込む、とか言ってなかったっけ?
何より、離婚も成立していないんでしょ?」
「そうよ!
でも、私の中ではもうアノ男の顔も思い出も忘れているわよ!
息子と話す時だって二人とも『アノ男』とか言わないんだから!
アナタだって、サッサと忘れてしまいなさいよ!」