日本ではどうだったか忘れたが、ケアハウスでもレストランでも料理教室でも、どういう形であれコノ国で「外食業」をしていると日本語で言う食品衛生管理局のようなところから毎年のように
『抜き打ち検査』
…がやって来て食品の衛生管理その他のチェックがあり、5段階の評価が与えられ、それを店頭に表示するのが「義務」となっている。
これは長くやっているとある程度予測は付くらしいが本当に『抜き打ち』で、油断していると結構簡単に評価が上下するので店主も客もその評価を気にする人は多いのだが、あくまで「衛生状態」で味の評価ではないのでお間違えないように。
で、ケアハウス関係の場合は更に1~2年毎にCCQ(Care Quality Commision)という日本語で言えば「ケアハウス管理協会」のようなところからこれまた抜き打ちで検査があり、ケアハウスとしてこっちの評価の方が重要視されるのでオーナー達には最優先。時に「情報交換」しながら「時期」を予測しつつ構えるのだが、これがちょうど私が「ハウス」の仕事を始めて数か月後にやって来た。
その日は運良く(!?)『M夫』が居たのだが、CGQの話は最初の頃から聞いていたし、彼の狼狽振りから何が起こったかは直ぐ判った。
来たのは感じの良い女性が二人。
もちろん私は一緒になって観ていたワケじゃあないからキッチン以外の詳しい内容は判らないが、設備のチェック以外にも住人一人一人にインタビューがあり、その日は朝9時くらいから午後3時くらいまで居たか。
もちろん私にもインタビューがあったのだけど、私が話している時、『M夫』が質問相手の後ろから少し離れたところに立って私を睨み、露骨にハラハラした顔をしていた。
焦るくらいだったら普段から「マトモな仕事」やってみろよ……!
ところが、何か改善点があったのか、単に「仕事が終わらなかった」からかは知らないが、なんと三日後に二人が「再訪」する、とのことになった。
最初は抜き打ちでも、再訪は「予定」を入れるのか???とワタシとしてはチョット不思議な気持ちだったのだけど、驚いたのはその次の日だった。
出勤して冷蔵庫を開けると、
「今まで一度も見たこともない」
…ほどの種類の、
『生の』野菜や果物がビッシリと入っていたのだ。
(因みに、その数日間だけ、ペーパーホルダーにペーパータオルも入っていた!)
それがどうした?と普通なら言われるかもしれないが、そこは『M&Mズ』が相手。
普段「ハウス」で使われる『生』の野菜は……ジャガイモ・人参・玉ねぎ(果物に至っては『生』はほぼバナナだけ、時折リンゴが加わるくらい)だったからだ。
それにインゲンやスイートコーンくらいの冷凍野菜、時折、半分腐ったような「売り切り処分価格になった季節の野菜」が無駄に大量にやって来るくらいだったのだから、「普通の家ならありそうな」ピーマンやカリフラワー、レタスやキュウリ、キャベツ、更にオレンジやブドウと言ったような
「ここでは普段見たこともない」
…『生の』野菜や果物が本当に「ビッシリ」入っていたのだから!
ビックリしていたら背後にM妻がやって来て、笑顔で言い放った。
「万が一『検査』の人がアナタに何か聞いて来たら、
『普段からフレッシュな材料を使っています!』
って言うのよ!」
…久しぶりの
「開いた口がふさがらない」
…だった。
というか、仮にも「そういうこと」を堂々と己の従業員に指示(強制)することが、自分達の「信頼」を根本的に崩壊させるということが理解出来ないのか?……と一瞬思ったけれども、平気で「そういうこと」が出来る事自体、
ホントに自分達のことしか考えていない!
…という事なのだよな、と思い直して……「嫌だ」とまでは言わなかったが、返事はしなかった。
彼らは根っからのドケチに加えて見栄っ張り(と言うよりセコイ嘘つき?)である、という事を確信した日でありました……!