ミャンマーのサイクロン | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

ミャンマーでサイクロンにより多くの犠牲者が出た。サイクロンとは台風のことで、インド洋や南太平洋での呼び名だ。大西洋ではハリケーンと呼ばれている。日本も台風銀座で、毎年これに悩まされている。海の仕事が長いから特に台風の動きには神経を集中した。最近は便利になったが以前はラジオで気象情報を聞きながら作図して、気圧配置から進路は自分で予想した。台風の動きを読むのは難しく、気象庁の予報がなかなか当たらなかったのだ。技術が進歩した現在でもミャンマーでこれだけの多くの犠牲者を出した。台風、地震、津波は地球に住む人間にとっては最大の自然災害でありその動きを制御する事は出来ない。せめて予測して災害に備えるしかない。仕事ではこの台風と向き合い、施設に相当の被害も被ったし、仲間も失い捜索にも携わった。記憶している対策作業で最大の瞬間風速は50mでその中を走り回った。人が外に出られる状況ではないが船や施設を守らなければならない。横風で車は半分持ち上がり、空から海のブイが飛んできてボンネットに当たる。目の前で何本も木が倒れた。そんな中で海に飛び込んだことがあった。沖に振らした船に異変があり泳いで渡ったが、そんな中で海に飛び込む男はいない。狂気の沙汰と言われたが、波はあるが海の中までは風が吹かないから空中よりは安全だ。道理がわかればたいしたことでもない。台風の進路で一番気になるのは風速と範囲、それに到着時間と進路だが、北を通るか南を通るかで風向が極端に違うから対策用ロープの張り方が変わって来る。台風が通過すると風向きが変わり「吹き返し」と言う逆風が吹く。これが一番怖い。強風でロープが伸びきったところへ強い逆風が吹けば、張り詰めていれば切れないロープもしゃくられると簡単にはじけ飛んでしまう。大型の台風の時はいつも現場に泊まり込みだった。後片付けもほぼ一日がかりで、本当に台風には悩まされた。日本もミャンマーでも同じ事が言えるが、満潮と重なり高潮が発生すれば被害が最大になってしまう。多くの犠牲者を出した伊勢湾台風もそうだった。熱帯低気圧の親玉が台風で、極端に気圧が低いから海が盛り上がる。そうなれば手がつけられない。漁港では水位は岸壁を超えてしまい船は陸へ上がる。大型船が港を出て沖に錨泊するのはそれが理由だ。川の水は海へ流れず行き場を失い大氾濫を起こす。人の文明は大型河川の河口から始まったが、当時から「氾濫」と言う脅威を背負い込んでいた。ロンドンでは今も高潮と向き合い戦い続けているが先の見通しは暗いようだ。「海が盛り上がり川が流れない」・・・と言う自然のなせる業に人は太刀打ち出来ない。ミャンマーで犠牲になった人達の冥福を祈っている。