近くの浜に今年もハマボウフウが芽吹いていた。相当数が群生しているが誰も採らない。
ハマボウフウはせり科の多年草で日本全土の砂浜に分布、昔から食用や薬用として利用されてきた。生薬名も浜防風で、その根は解熱や鎮痛などに用いられている。味は癖がなく生のまま食べて香りが良いので刺身のツマやサラダにされ、酢の物、おひたしなどでも美味しい。またハマボウフウの根は味噌漬けなどにもされてきた。明治時代から栽培され、八百屋の店頭に高級野菜として並べられたことから「八百屋防風」の別名もある。乾燥した根300gを木綿袋に入れて鍋で煮出して浴槽に袋ごと入れたものを「防風風呂」と言い、血行を良くして体を温め、疲労回復、湯冷め、風邪予防などに利用された。
また、正月のお屠蘇は、防風(ぼうふう)、白朮(びゃくじゅつ)、桔梗(ききょう)、山椒(さんしょう)、桂皮(けいひ)、大黄(だいおう)などが入っている。びゃくじゅつとはオケラの根で、桂皮とはニッケイの皮の事、大黄は胆汁促進のタデ科の薬草だ。