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映画「エターナル・サンシャイン」のほぼラストシーンで、ヒロインが主人公に向かって、こう言います!

 

私は概念じゃないの。

 

これはブログ読者ならお馴染みかのセリフかと思います。

 

*サブリミナルということをまざまざと思い出させてくれる分かりやすいショットですね。

 

 

 

そのシーンのセリフを引用しておきます。

 

(引用開始)

Joel, I'm not a concept. I want you to just keep that in your head. Too many guys think I'm a concept or I complete them or I'm going to make them alive, but I'm just a fucked-up girl who is looking for my own peace of mind. Don't assign me yours. 

 

「ジョエル、私は「概念」じゃないの。それだけはきちんと覚えておいて。多くの男っていつも私のことを「概念」か何かだと思ってるみたい。たとえば、私がそいつを完全にするだとか、そいつを生き返らせられるとかね。でもね、私は単に自分の心の平安を探し求めてるイカれた女なの。それだけなの。だからあなたも私にあなたの価値観を押し付けないでね。」(引用終了)

引用源

 

c.f.男っていつも私のことを概念かなんかだと思ってる。私が彼らを完全にするとか、生き返らせるとか、でも 2018年07月31日

 

 

 

まあ、彼女自身も同じ過ちを犯していて、「男」を概念化しているように見えますね(その見方は浅薄なのですが)。

 

男っていつも私のことを概念かなんだかと思っている。

 

しかし、、これはミスリードであって、彼女は論理的に正確に話しているのです(それをざっくりと引用する引用者が悪いw、タイトルの文字数制限もあってw)。

 

実際は、

 

多くの男っていつも私のことを「概念」か何かだと思ってるみたい。

 

と言っています。

 

 

すなわち、「男」はこういうものだという概念化ではなく、「多くの男」が私に対してこう思ってきたという帰納的推論、いやただの記述です。

 

原文で見るとそれが一層はっきりします。

 

 Too many guys think I'm a concept

 

です。

 

Too many guysなのであって、All guysではありません。

 

様相論理における「すべての男は私をコンセプトか何かかと思っている」ではありません。

そのような男たちが大勢いた、というAllではなく、Existなのです。

Existである限り、その男たちは彼女の中では概念化されません。

 

というわけで、「お前も男を概念化しているじゃねーかよ」という反論は厳密に見ると成立しないのです。雑に見ると成立しているように見えるだけに。

 

 

タレブは知的バカどもは「貧困」を教科書に乗っているだけの「概念」だと思っていると書いています。

 

貧しい人々との縦の交流がなくなった金持ちたちにとって、貧民は教科書のなかにしか出てこない理論上の存在になった。

 

私は「概念」では無いのです。

 

もちろん「女性」とか「白人」とか、そういう概念に当てはまらないのです。

(差別を撤回しようとする運動そのものが、その轍を深くしているように思います。戦略を間違えているのか、もしくは運動そのものが自己目的化するならば、むしろ轍を深めたいのかなと邪推したくなります。それよりはもっとナイーブに思えるようなシンプルな方法が良いと思います。概念ではなく、その人自身と出会うことです。それをイエスはLove the enemy(汝の敵を愛せよ)と言ったのだと思います(多分w))。

 

 

*自分の中にある様々な差別意識がもしあるならば、彼らを深く愛することで、それが解けていくのを感じるかと思います。これはナイーブすぎる見解のようですが、、、実際はそうやって一歩一歩進むしかないと思います。

 

 

これに関連して、もう一つ。

 

リアルということについて。

 

もしくは「臨場感」ということについて。

我々はリアルだと思って、概念を弄(もてあそ)んでいることが多くあります。

 

リアルというのはフラクタルと似ていて、どこまで細かくしていっても複雑性が存在するであろうという直観です(というか、そう感じる嗅覚が前提ですし、もちろんその嗅覚が間違っているかもしれません)。

 

たとえば、タレブは2016年の大統領選のトランプを見て、当選を確信したそうです。文字通り「見た」そうで、、、音声は消していたそうですw

 

なぜなら、彼はSkin in the gameを体現していたからだと。失敗したのは挑戦したからです。たくさんの自分のお金を失ったのは(倒産したのは)、リスクを取ったからです。

 

炊き出しの列に並ぶはめになるリスクを抱えているのは、レストランで金のチェーンをジャラジャラさせながらステーキにかぶりついている人間であって、彼らではない。剣に頼って生きている人々が剣で命を落とすように、日々リスクを冒して生計を立てている人々は、リスクを冒すことでその生活を失うのだ。

 

 

アメリカ市民はそういう人を選ぶ、と(人の金でギャンブルをして、儲かったら自分の懐へ、損したら国に付ける、そういうダウンサイドのリスクを負わない人はそういう顔になるのです)(その行動は合理的なようでいて(たしかに近視眼的には合理的です)、裕福な犬となるのです。僕らは貧しいオオカミでありましょう。

ちなみに犬より裕福なオオカミもいますしw希望はいつもあります)。

 

そういう意味では、候補者時代のドナルド・トランプを中傷していた人々は、重要な事実を見落としていた。彼らは傷跡が持つリスク・シグナリングとしての価値を誤解していただけでなく、彼が破産経験や10億ドル近い個人的損失をアピールすることで、人々が抱きかねない怒り(2種類目の格差)を取り除いたということにも気づかなかった。自分のお金であるかぎり、10億ドルを失うというのは誉れある経験だ。

 

 

*BBCニュース「トランプ氏、依存症に苦しんだ兄から学んだ」

c.f.かつてアリストテレスは「奴隷とは何か?」という問いに、「ものを言う道具」と答えました(瀧本哲史) 2020年06月10日

 

 

 

臨場感ということで言えば、もう一つだけ!

非常に面白い海外駐在員に関する見事なレポートをお届けする前に、One more thing!

 

 

 

臨場感ということについて、話すときに、いつも例に出すのがこちらの懲役太郎さんです。

非常にわかりやすい。

 

僕らがいかに悪い意味でフィクショナルな皮相的な「概念」の世界で生きているか分かります。

 

これこそが臨場感の手触りです!

 

 

ということで、タレブさんの海外駐在員の話に関連して、詳細なレポートを現地から送ってくれました(いや、彼は見事にその渦中にあって奴隷から脱出しました。相当なペナルティーを払ったそうですが)。

 

タレブさんの海外駐在員って何という方はこちらをまずご覧ください。

 

c.f.炭水化物を食べてると気分が高揚して、今ドーパミンが出ているな〜と感じます。〜脱奴隷の突破口〜 2020年06月28日

 

 

昔から、企業による奴隷所有はたいへん面白い形で続けられてきた。最高の奴隷とは、自分が十分すぎる報酬を受け取っていることを知っていて、その地位を手放すまいといつも戦々恐々としている人間だ。

たとえば、多国籍企業は「海外駐在員」という種族を生み出した。海外駐在員とは、遠い外国でその企業の代表として事業を営み、ふつうの従業員よりも高い水準の生活を送っている、ある種の外交官だ。かつての大企業には必ず海外駐在員という身分の従業員がいた(そして、一部には今でもいる)。海外駐在員という地位を設けるのは、膨大なコストがかかるとはいえ、きわめて有効な戦略だ。なぜか? 本社から遠く離れれば離れるほど、その従業員は自律的に働くようになる。そして、自分からおかしな行動を取らない奴隷になってくれるのだ。

 

 

 

 

というわけで、生々しい海外駐在員レポートを是非楽しんでください!!

 

(引用開始)

 

駐在員論については、日本の商社もまさにタレブさんの言う通りですね。

 

私はシンガポールに駐在していましたが、

 

50m級のプールがついたリゾート風超高級マンションに住める(全額家賃補助)

・現地民には夢のまた夢の自家用車が支給(シンガポールでは車は超高級品)

 

という好待遇でした。

 

当時私は、30そこそこでしたが、年収は家賃補助考慮すると1500万円ぐらいありました。

(私が在籍していたのは、いわゆる5大商社ではないですが、アフリカなどハードなところはハードシップ手当が高いので、6年くらい?駐在した先輩が、広尾駅直結の億ションを買えるくらいはお金たまってました)

 

あと駐在員のいいところは自由なところですね。

 

本社から遠く離れているので、勤務時間も緩いし、なんとなく仕事してる風にしてれば、のほほんと楽しく暮らせます。

(サボってても本社から離れているの、ごまかせるし言い訳も見つけやすい)

 

特に、海外駐在すると、役職が上がります。

 

日本:平社員→海外:課長

日本:課長 →海外:部長

日本:部長 →海外:現地会社の社長

 

みたいな感じです。

 

本社のようにガチガチの管理もなく、交際費も権限が増えて、

ある程度自分の好きにできるとあれば、誰も帰りたくないというのもわかります。

 

なので、数年の海外駐在を経て、本社勤務に戻るときは、

帰国した駐在員はだいたい1年は”リハビリ”が必要と言われています。

 

今日のセミナーでも少し話がでましたが、海外駐在員は、

組織の中にいて中途半場に脱洗脳するとやばい例かもしれません。

 

自由で待遇もよい駐在員になることで、 日本国内で満員電車に揺られ終電まで働くブラックな環境が洗脳の結果だったと気づいてしまう、でも駐在員待遇が忘れられず、会社は絶対にやめられない。

(私個人は、かなりいい待遇というのは自覚してましたが、駐在生活に全く幸せを感じることができず、やはり金じゃないんだなと嫌というほど実感しましたが 笑)

 

ちなみに、商社の場合ですが、駐在員にも2種類あって、

 

・エリートコース:海外駐在して、本社に戻って出世する

・窓際コース:日本で使い物にならないので、海外を転々とする

 

エリートコースの場合、本社に戻るのが前提なので、社内政治にもちろん関わるんですが、

タレブのいう駐在員論は、窓際コースのほうが近いと思います。

 

窓際コースは、海外にずっといたいので、ノウハウや仕事を独占して、

ずっとその国に居続けるようとするかたも多く、どうやってその国にいるかを

ずっと考えているのでめちゃくちゃ生産性は低いと思います。

(そういうタイプはなかば現地人化している人も多いです)

 

あ、あと海外駐在だと企業のランクがあって、それがヒエラルキーとなるので、

より奴隷化に拍車をかけている可能性はありますね。

 

イメージとしては、下記の順番ですね。

 

1. 大使館関連者(大使含む)

2. 外資系企業の日本人駐在員

3. 総合商社の日本人駐在員

4. 大手企業の日本人駐在員

5. 中小企業の日本人駐在員

5. ローカル採用の日本人

 

こんな感じで日本人同士が勝手に上下関係を作っています。

 

日本人の場合、その国の日本人村に40%、社内政治に60%ぐらい意識がいっていると思うので、生産性なんてほぼないんじゃないかと思ってしまいます。

(引用終了)

 

すごい世界ですね。

そして手触りが全く違います!

 

僕らは概念から離れ、切れば血が吹き出すようなリアルだけを求めましょう!!