気功技術のピエタのイメージはミケランジェロ制作のピエタ像です。
母マリアは家を出たイエスと会うことがありませんでした。
いや、厳密には会っているのですが、親子らしい会話を交わすこともなく、冷たくあしらわれています。
イエスは知らせてくれた者に答えて言われた、「わたしの母とは、だれのことか。わたしの兄弟とは、だれのことか」。(マタイ12:48)
c.f.キツくなってきたところからスタート 〜世の中は根氣の前に頭を下げる事を知つてゐます(夏目漱石)〜 2015年11月08日
*ここでこっそり注目して欲しいのはイエスには兄弟がいるということです(マタイ12:46)
イエスは母に言われた、「婦人よ、あなたは、わたしと、なんの係わりがありますか。わたしの時は、まだきていません」。(マタイ2:4)
c.f.ピエタで心だけではなく、筋肉を癒やす?!サル山の猿はSSRIでアルファになる?? 2017年03月19日
噂だけを頼りに、母マリアはイエスを訪ね求め続けます。
そして、その胸に掻き抱くことができたのは、イエスの磔刑後でした。
痛ましい話しです。
しかし、このミケランジェロのピエタはまるで微笑んでいるかのようです。
泣き崩れるところで、微笑んでいるのです。
最も悲しむべきところでの微笑みがまさに僕らのイメージする「ピエタ」です。
ピエタ(Pietà)はPityであり、悲しみを乗り越えた境地です。仏教で言う慈悲のイメージです。
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この像は見れば見るほどに不思議な像です。
第1に母マリアが若すぎます。
イエスは33歳で死にました。
しかし、マリアは20代か、ぎりぎり30代にしか見えません。
そして非常にセクシーです(マグダラのマリアと間違えたのではと当時の枢機卿が批判したとも。ミケランジェロはそれに対して、無原罪のマリアは年を取らないと反論しています)。
そしてイエスがどれほどの身長であったにせよ、マリアは大きすぎます。
まるでマリアは巨人のようです(ウォール・マリアはそこから来ています。ウソですw)。
大理石でできているのに、布のドレープ感もイエスの肌も見事に際限されていて、石には思えません。
ボッティチェリのピエタと比較すると、ミケランジェロの特殊性が浮き彫りになります。
*ボッティチェリ『ピエタ』
また、ミケランジェロの晩年のピエタと比較しても。
*いわゆるロンダニーニのピエタです。サン・ピエトロ寺院のピエタがミケランジェロの最初のピエタと言うならば、このロンダニーニのピエタは最後のピエタです。
有り体に言うならば、ピエタ像は様々な矛盾が昇華しているのです。
老いているのに若く、貞淑であるのに官能的で、小さいはずなのに大きく、逆にイエスは大きいはずなのに小さく(イエス)、石は硬いのに柔らかいのです。
新約聖書学の八木誠一先生が宗教とはAかつNotAが真であるような命題であるとおっしゃっていました。
A∧¬A=T
というのはもちろん論理学的には間違いですが、これを力技で成立させているのが宗教だと。
ピエタ像を見ていると、それがあたかも納得できます。
ちなみにこのミケランジェロの最初の作品に彼はそのあとにも絶対やらないことをしています。サインを彫り込んでいるのです。別な作家の作品ではないかと囁かれて、怒りにかられて彫ってしまったたそうです。
いろいろな意味で不思議な作品であり、僕らを惹きつけて離さない傑作です。
ミケランジェロは20歳にはギルドの親方となり(それだけの腕を認められ)前途有望でした。ですので教会もピエタ像を依頼しているのです。
しかし24歳でピエタ像を作るまでは無名でした。
そしてこのピエタは稀に見る傑作と高く評価されました。
しかし、当のミケランジェロはこの傑作を褒めれらたときに、これを否定したと言われています。
私が技術を身につけるのにどれだけ苦労したかを知っていれば、そんなにすばらしいものではないだろう(ミケランジェロ)
...。
このつぶやきを天才の傲岸不遜と取るのか、天才の人知れぬ努力と取るのか、、、
いや、もう少しシンプルに見るべきでしょう。
ちなみにこの発言は、ミケランジェロとはスケール感は全然違いますが、「才能なんかないよ 絵のこと考えてる時間が 他の人より多いだけ」というつぶやきと同型です。人より長く考え続けたというアインシュタインやニュートンとも。
ニーチェが批判するところの天才崇拝という病が僕らは深刻なのです。
歴史家のポール・ジョンソンが「天才はとつぜん生まれ、無の空間から口を開き、同じく謎に包まれたまま押し黙る」と言いましたが、そのように見做すほうが僕らの精神安定は保たれます。
ニーチェはそれは僕らのうぬぼれと虚栄心ゆえだと言いました。
(引用開始)我々は、自分自身を高く評価しているにもかかわらず、自分にはラファエロのような絵を描く才能も、シェイクスピアのような劇的な戯曲を生み出す才能もあるとは思わないので、彼らの才能は並はずれてすばらしいとか、めったにない出来事だとか、いまだ神を信じているなら、天上からの恵みだと思いこむ。こうして我々の虚栄心、我々のうぬぼれが、天才崇拝を助長する。彼らは我々とはまったくかけ離れた存在である、奇跡であると考えれば、彼らは我々を傷つけはしない(引用終了)
我々は自分自身を高く評価しているのに、才能があるとは思わないとは見事なバッサリ感です。バッサリとニーチェに斬られます。繰り返し声に出して読みたい日本語です(ドイツ語ができるなら、ドイツ語でw)。
ミケランジェロは6歳から10歳までに石工の一家とともに暮らし、読み書きよりも先に金づちやのみの扱い方を覚え、大画家ギルランダイオに弟子入り、その後名彫刻家ベルトルドに弟子入りします。
ミケランジェロはギルランダイオのもとで学びましたが、ギルランダイオはバルドヴェニッティのもとで学んでいます。ダ・ヴィンチはヴェロッキオのもとで学び、ヴェロッキオはドナテッロのもとで学び、ドナテッロはギベルティのものとで学んでいます。
「徒弟制度は長期間の訓練、早い時期からさまざまな素材に触れること、模倣、共同作業により、おそらくあらゆる点で平凡な少年を高度に芸術的技術を持った人間に育てる」(ブルース・コール『ルネサンスの芸術家工房』)(『ディープ・プラクティス』からの孫引き)
ここでのポイントは「あらゆる点で平凡な少年を」というところです。
おそらくあらゆる点で平凡な少年を高度に芸術的技術を持った人間に育てる
のです。
ルネサンスがブラック・スワンとも言えるべき異常値でたくさんの天才を生み出したのは、特殊な環境(ルネサンスの繁栄や平和、自由、社会移動、パラダイムシフト)が要因なのではなく、実はシステムが理由ということです。
それは天才育成システムであり、彼らはその集団をゴールド(黄金)と呼んでいた、とディープ・プラクティスのダニエル・コイルは考えます。
この秘密結社のような集団はのちにスカル・アンド・ボーンズのような秘密結社をたくさん産むことになりますw
と、もったいぶっても仕方ないので、、、、種明かしをすると、、、Goldとはギルドのことであり、スカル・アンド・ボーンズのような秘密結社をたくさん産んだのはご承知のとおり大学です。いわゆる近代の大学というのは、元はギルドがスタートです。学生のギルドから始まります。
子供のころからの徒弟制度(ギルド)によって、天才が輩出されたということです。
それは共同作業の結果であり(ミケランジェロもダ・ヴィンチも親方のもとで手伝っています)、1人の突き抜けた天才の手によって為される芸術作品というのは、後世の神話だということです。
その作業場にはたくさんのGeniusという妖精がインスピレーションを携えて飛び交っているのです。
*ダ・ヴィンチの先生のヴェロッキオの作品として知られる「キリストの洗礼」は、ダ・ヴィンチとヴェロッキオの共作です。弟子にも天使や背景を書かせています。
ただ、自分が描いた天使と若い弟子(ダ・ヴィンチ)の描いた天使を比較して、ヴェロッキオはそのあまりの才能に筆を折ったとも言われています。
c.f.社会的知性は大事だけど、周りに気遣って自分の身体を壊しても仕方ない。大事なのはクライアントだけ 2019年05月19日
*向かって左がダ・ヴィンチの描いた天使。
これはGeniusという妖精の話しとも一致します。ルネサンスの近代合理主義と個人主義は創造の神秘や能力を個人に帰するようになったのです。そこに悲惨が生じたのです。
逆にそこが見えている人は工房を作り、徒弟制度を作り、合理的にやっていきます。
c.f.「人生でいちばんハッピーな瞬間って何?」「コミケで同人誌を買う時です」〜世界で唯一の自分の発見〜 2019年01月06日
で、何が言いたいのかと言えば、、、いや、で、何が言いたいのだろう(笑)
天才になりたいとか、一角の人物になりたいとか、成功したいと思ったら、、ギルドに入りましょうということです。
インナー・サークルに入ることです。
下手くそで良いので、上手な人に謗(そし)られながらもニコニコと学び続けることです。
c.f.上手の中にまじりて、毀り笑はるるにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜む人、天性その骨なけれども 2018年07月15日
もし、それを気功やヒーリングで成し遂げたいのであれば、多くの優秀なヒーラーを輩出している「まといのば」で学べば良いのでは、という驚きの傲岸不遜で我田引水、自画自賛なまとめ方です(笑)
実際に、「あらゆる点で平凡な」人間が優秀なヒーラーとして羽ばたいています(いや、皆さんもともと優秀ですけどw)。
個人で完結して学ぼうとか、自分のゴール、自分の才能、自分の努力と考えないで、集団の力というものをもう少し信じて良いのかもしれません。
c.f.オンラインメンターは募集中です!
【募集開始!】OnLine MenTorがいよいよ始動!!一年で圧倒的な能力を身につける! 2017年11月01日
でも、そこで鍛えられて圧倒的な結果を出せるようになって、活躍するようになった10年後や20年後に、あなたがヒーラーとして尊敬されて、「すごいヒーリングですね」「本当にすごい才能ですね」と無邪気にフォロワーに褒められたときに、、、
目の奥に暗い光を宿しながら(笑)、こう答えるのかもしれません。
私が技術を身につけるのにどれだけ苦労したかを知っていれば、そんなにすばらしいものではないだろう(ミケランジェロ)
c.f.私の成功の秘訣は猛烈に働いたということよ。私は五十年間、どこの誰よりもよく働いた(ココ・シャネル 2019年04月10日





