with the beatles | 虚空のスキャット

虚空のスキャット

自分のことは棚に上げてココロの思うまま、スキャットの如く、愛こそはすべて・・・の精神で綴っていきます。

実は前にこのアルバムのアメリカ盤にあたる『ミート・ザ・ビートルズ』について書いたことがあります。今回はあくまでもオリジナルにあたる『ウィズ・ザ・ビートルズ』についてです。
まずジャケットがシブい。いわゆる「ハーフ・シャドウ」という手法なんでしょうけど、「単なるチャラチャラしたアイドルじゃないんだぜ」という感じが出ていて好きです。世間的に当時、ビートルズは80年代における、デュラン・デュランみたいな扱いだったんでしょうけど(自分は自称デュラニーじゃないけど、彼らのこと、好きなんです)、今になってみると、彼らとはセンスが違っていたのだなと感じます。
肝心の内容ですが、やはりまだまだジョンの色が濃いですね。
すでにもうビートルズの色、というのが出ていますよね。一曲目の「イット・ウォント・ビー・ロング」もだし、ポールの初期の傑作「オール・マイ・ラヴィング」もそうです。というか、この2曲だけで「決まり!」みたいなところがあると思いますし、この2曲の代わりに適当なカヴァー曲だったら、ビートルズというバンドもだいぶ違っていたと思います。
そう、この「オール・マイ・ラヴィング」ですが、ポールの数ある曲の中でもベスト10に入れたい名曲だと思います。ポールは朝、ひげをそりながらこの曲を作ったらしいけど、そういう「あ、もしかしたら(できもしないけど)ボクにもできる?」(それができないからポールは偉大なコンポーザーなのですが)的な曲の典型だと思います。
世界進出のきっかけになったエド・サリヴァン・ショウ(TVショウ)の一曲目もコレでした。
出だしが「コージョアーイズ」(目を閉じてごらん)と歌っていましたが、視聴率で世界記録となったTV視聴者は目なんて閉じていませんでした(た、多分)。伝説っぽくなっていますが、このビートルズの出演した10数分、犯罪がとまったほどだったのですから。
「ノット・ア・セカンド・タイム」も好きです。故ロバート・パーマーもカヴァーしていましたが、なんというかこの哀愁感がいいですね。苦いと甘いの境界線というか・・・。もっと長く聴いていたい気にさせる曲です。
カヴァーもこなれたモノをやっていて、安心して聴けます。このアルバム、意外にもカヴァー曲で「もっている」ところがあります。
オリジナルもですが、後にカーペンターズのカヴァーもナンバーワンになった「プリーズ・ミスター・ポストマン」なんて、アメリカ進出時の混乱のときに「ツイスト・アンド・シャウト」みたいにシングルで出すべきだったんじゃないの?と思うほどのデキだし、「ロール・オーヴァー・ベートーヴェン」も下積み時代からこなれた演奏になっていますし、スモーキー・ロビンソンの「ユー・リアリー・ガッタ・ホールド・オン・ミー」もシブいカヴァーになっていますし。
このアルバムのカヴァー曲では「マネー」がいっとう好きです。この曲、アメリカ盤の「ビートルズ・セカンド・アルバム」とだいぶミックスが異なっていて、アメリカ盤だとかなりエコーがきいているのですが、そちらに元々聴きなれていたので、後になってオリジナルのヴァージョンを聴いてあまりの素っ気無さ(?)にのけぞった記憶があります。この曲のコール&レスポンスが大好きです。ジョージもまざっていますが、やはりジョンとポールの掛け合いが最高です。
このアルバムは前作であるデビュー・アルバムを踏襲したところもありますが(最後がコール&レスポンスで、ジョンのシャウト系の曲だったりします)、この先に飛躍するエキスもたっぷりつまったアルバムになっています。カヴァーも含め「これがビートルズ!」といった勢いと自信にあふれています。
今日は「Please Mister Postman」(The Beatles)よかったです。ジョンとポールの掛け合いがたまりません。どっかの誰かが言っていたけど、ポップスって「何か哀しみを歌った音楽」という典型。