前にもちょろっと書いたけど、『ラバー・ソウル』というと、勝手ながら中学生のころの夕方を思い出します。自分の中では、まさにあのジャケットの色の感じなんですよね。部活から帰ってきて、夕食までの間によく聴いていたアルバムです。
今考えると、ビートルズも『ラバー・ソウル』の時期はひとつの過渡期だったと思いますが、自分も多感な時期でした。その辺が勝手ですが重なったところもあり、思い入れのあるアルバムです。きっとアルバム単位で考えた場合、一番聴いているアルバムのひとつです。
ビートルズのアルバムはどのアルバム(オリジナルに限って、かもしれませんが)も独特のトーンがありますが、抽象的な言い方になってしまいますが、このアルバムもまさにジャケットがこの独特のトーンをあらわしているように思います。
それまでの強引なたとえですが、「4人はアイドル!」というノリではなく、脱皮したというか、少し落ち着いた、別の言い方をするとちょっと冷めたトーンがあります。「世の中、そんなにおめでたくはないよ」といっているような。楽曲単位でいうと、「ヘルプ!」あたりにその傾向が出てき始めていましたが・・・。
出だしの「ドライヴ・マイ・カー」からしてちょっと辛口です。それまでのビートルズのラヴ・ソングとはちょっと違う趣の曲です。
「ノルウェイの森」もぼかした歌詞でちょっと、これまでとは違うなと感じさせます。ジョンとポールのヴォーカルの絡みがこれまでにはない(『ビートルズ・フォ・セール』の冒頭、「ノー・リプライ」あたりにその萌芽があったかな)、ビターな感じです。
名曲、「ミッシェル」もそう。ビターな舌触りの曲です。
「ガール」、「イン・マイ・ライフ」あたりはジョンの生涯を通じての代表曲だと思います。きっと、ジョンの作曲的なことをいえば、このアルバムがひとつのピークだったと思います。そういう意味で、ポールは次のアルバム(『リヴォルヴァー』)だと思いますが。
ポールの曲はどの曲もいいアクセントになっています。このアルバムに限らず、ビートルズのアルバムは曲順が本当に練られているなと思いますが、このアルバムもその典型です。この曲順でしょ!・・・という感じです。
それを思うといつも思うのが、『アビー・ロード』A面(ってLP的な言い方ですが)の3曲目と4曲目。あれは逆のほうが・・・と聴くたびに思うのですが・・・(もちろんビートルズ側もそう考えたみたいですが)。まあ、ビートルズがシロといえば、シロなんですけどねぇ。
閑話休題(そいつはさておき)。
そしてジョンとの絡みあいがまるで同時期のシングル、「We can work it out 恋を抱きしめよう」(いいのか、そうでないのか、よくわからない邦題ですが・・・)のように絶妙です。この絶妙なブレンド具合は他のアルバムでは見られません。ジョンの色が強すぎたり(『A HARD DAY’S NIGHT』以前のアルバム)、逆にポールの色の濃いアルバムがあったり(『SGT. PEPPER’S…』や『MAGICAL MYSTERY TOUR』)、『リヴォルヴァー』、『アビー・ロード』なんかは、お互いの個性がちょっと互いのベクトルが違う方向へいっちゃってるかな・・・みたいな感じがあったりします。『ホワイト・アルバム』なんかのほうがまだ、個性が出てはいますが、その辺のバランスが取れているような気もします。
とにかく、このアルバムでのレノンとマッカートニーのバランスが大好きです。
ジョージの2曲も「らしい」2曲です。『リヴォルヴァー』以降への橋渡し的、といったら怒られそうですが、成長過程をうかがい知る(って、なんかエラそうない言い方ですが許してください)ことのできる曲です。そして、不思議なまでにこの『ラバー・ソウル』のトーンに合っています。12弦ギターの響きはバーズあたりの影響もあるのかな、それともジョージがバーズに影響をあたえた側かな。
リンゴのドラミングもポールあたりの「指導」もあったんでしょうが(笑)、いい味、出しています。「ユー・ウォント・シー・ミー」あたりなんかが。やはりなくてはならない、リンゴのドラムです。
そうそう、ボックスセットでキャピトル盤(アメリカ編集)の『ラバー・ソウル』がありますよね。アメリカ編集ものの中ではベターなほうに入ります。個人的には、『ミート・ザ・ビートルズ!』の次に評価したいです(まあ、モロモロの事情があっての編集で、ビートルズの意向がこれっぽっちも含まれていないのが困ったものですが)。
ただし、オリジナルがここまでの名盤なので「もうひとつの」ヴァージョンがあっていいのかな・・・と思ってしまうのも事実。
いかん。
どうもビートルズの話となると、長くなってしまう。
今回は、この辺にしておきます。
今日は「Drive my car」(The Beatles)がよかったです。サビのところがくると、すぐに指でピアノの音をなぞってしまうのはボクだけでしょうか。