このブログの読み方について
最近、読者の人の批判もあるようなので、このブログの読み方について僕の考えを書いておきたい。僕のブログは基本的には主観的なものだ。しかしその背景はきちんとした論文になっているものも案外多い。定石というか既に確定した事実もあるからだ。
このブログの底流にあるものは、これまで常識と考えられてきたようなものさえ、「簡単に信じない」ということだろう。これは何より自分の目を信じるということでもある。僕は患者さんであれ、向精神薬であれ、澄んだ目で見るようにしているよ。これは努力してそうしているわけではなく、自然にそうなっている。
というのは、このような患者さん向けのブログを書く以上、彼らを騙そうとか、あるいは特定の向精神薬やサプリメントをマンセーしようとか、そのような動機や理由はあるはずもないから。僕のブログはアフィリエイトさえない。
すべての記事を読んでいる人がどのくらいいるかわからないのだが、もしそういう人がいたとしたら気付いているかもしれない。僕の治療スタンスは、
どんな治療手法も薬物も無条件には信用しない。
100%の治療法や薬物なんてありえない。
その証拠にこのブログでは、薬はこういう効果があるがこのような悪い点もあるなど、その薬物のメリット、デメリット双方について書いている。この薬は完璧で間違いないといったような書き方はしていない。それは向精神薬に限らず、ECTやバッチフラワーなどのサプリメントも同様だ。(過去にバッチフラワーのショップに僕のブログのリンクがあるのを止めて貰ったことがある。誤解されかねないので)
だから特定の記事でおや?と思う人がいたら、そのエントリだけでなく、カテゴリ全体や他のカテゴリも読んでほしい。全体を通せば、特別えこひいきはなく、考え方や治療姿勢は首尾一貫していることがわかるはずだ。個人的にわりあい柔軟な考え方で治療をしていると思うよ。
例えば、最近のエントリではテグレトールやフラベリックの音感異常の副作用について書いている。これは頻度的にはどのくらいかわからないし、実際にエビデンスがある論文が出ているのかもよく知らないのだが、この2つ薬のユーザーにとって、「そういう副作用が出て、ショックを受けた人がいた」だけで十分のような気がする。それ以上は大きな問題ではない。(参考1、参考2)
リーマスについてもそうだ。リーマスはテグレトールに比べてはっきり判別しにくいものであるが、実際に以前ほどうまく絵が描けなくなったとか、イラストが前ほどは描けない人がいたという事実だけで十分なんだと思う。これは患者さんをよく注意してみていると、そういう影響が及んでいることに気付く。(参考)
実は、薬とその精神に及ぼす作用を判別するには、診察する医師の感性が非常に関係しているという。
何ヶ月か前だが、時々出かけている病院の院長とルーランの1mg処方について話していたら、そういうことは誰でもはできないという話になった。普通の医師では、ルーラン1mgと2mgの精神作用へ影響の差がうまく感じ取れないというのだ。この時、アリセプトの話に変わり、この薬物は認知症に処方されているが、アリセプトの作用による精神の微妙な変化を見抜けず、感性が乏しい医師は片っ端から中止してしまうので困ると言う話になった。
つまり精神症状への影響がよく診られない場合、その薬が多いのか少ないのかすら、よくわからないというのはある。薬物の精神症状への影響と観察ついては、過去ブログでもずいぶん出てきている。例えば、
セレネースとかトロペロン3A連日でも全然効果がないクラスだったのである。毎回の服薬だけでも大変だった。体が大きいし力は強いしでどうしようもなかった。いろいろ注射も含め多剤併用になってしまったのだが、僕はメチャクチャな多剤併用でも、どの薬が効いていてどの薬がダメなのか、自分の患者さんならわりあいわかる。もちろん間違うこともあるけど。これは薬の特性と患者さんの普段の様子を見ているので有害作用は特にわかるのである。ある時、フルメジンとジプレキサが良いと確信した。糖尿病を恐れないといけない体型だったので、ジプレキサを使い始めたのが遅かったのである。(メージ症候群(前半) )
コメントにも挙がっていた「リスパダールvsジプレキサ」であるが、僕のブログ的にはリスパダールが良い薬かどうかはたいした問題ではない。単に多くある中の抗精神病薬の1つについて、良し悪しとその特性について書いているだけだから。
個人的に、あの記事はうまく書けていると思うよ。あの記事は、当然と思われている統合失調症の治療の第1選択薬について疑問を投げかけている。しかも、盲目的に否定しているのではなく、なぜ悪いのか順を追って説明している。キモの部分(統合をしていないのでは?)は僕の主観というか感性だけど、リスパダールの陰性症状への効果がいまいちだとか、EPSの出現率、脂溶性の問題、高プロラクチン血症などは既に論文になっている。
あの記事には、1996年以降の精神科治療が意味不明に多剤併用大量になった原因について考え方の1つを提示しているし、リスパダール少量で良好なコントロールの人の理由もうまく説明できている。また、単剤処方が必ずしもマンセーできないことについても、わかりやすく理由が書けていると思う。(注;マンセーとは2ちゃんねる語で、韓国語の「万歳」という意味)
あの記事に反論がある人がいたら、なぜ日本の精神医療がそうなったのか、あるいはなぜリスパダールが減量しにくいのか、逆に説明してほしいくらいだ。
僕は現在の精神医療について、「操作的に診断する」というのは不満があるが、昔の精神科医に比べ今の若手精神科医が下手になっているとは思わない。それは他科ではありえないことだと思うよ。彼らは単に経験が不足しているだけだ。普通、何の学問でも次第に進歩していくものだ。一見、精神医療が悪化しているように見えるのは、このような理由があるのでは?ということも、あの記事では書いている。
このブログの内容は論文になりにくいものだ。元々主観的なものがベースになっているし。リスパダールにしても例えば治療指標で見ると素晴らしい。ただ、陽性症状が消失したとか、陰性症状のスコアが上がったとか、そういうことで片付けられないものが存在していることを言いたい。そのような指標で見えないファジーな事をこのブログで紹介している。
抗精神病薬の良し悪しは患者さんの人生を大きく左右する。薬物治療のあり方は、常に「絶対値」で考えるのが良いと考えている。
このブログの底流にあるものは、これまで常識と考えられてきたようなものさえ、「簡単に信じない」ということだろう。これは何より自分の目を信じるということでもある。僕は患者さんであれ、向精神薬であれ、澄んだ目で見るようにしているよ。これは努力してそうしているわけではなく、自然にそうなっている。
というのは、このような患者さん向けのブログを書く以上、彼らを騙そうとか、あるいは特定の向精神薬やサプリメントをマンセーしようとか、そのような動機や理由はあるはずもないから。僕のブログはアフィリエイトさえない。
すべての記事を読んでいる人がどのくらいいるかわからないのだが、もしそういう人がいたとしたら気付いているかもしれない。僕の治療スタンスは、
どんな治療手法も薬物も無条件には信用しない。
100%の治療法や薬物なんてありえない。
その証拠にこのブログでは、薬はこういう効果があるがこのような悪い点もあるなど、その薬物のメリット、デメリット双方について書いている。この薬は完璧で間違いないといったような書き方はしていない。それは向精神薬に限らず、ECTやバッチフラワーなどのサプリメントも同様だ。(過去にバッチフラワーのショップに僕のブログのリンクがあるのを止めて貰ったことがある。誤解されかねないので)
だから特定の記事でおや?と思う人がいたら、そのエントリだけでなく、カテゴリ全体や他のカテゴリも読んでほしい。全体を通せば、特別えこひいきはなく、考え方や治療姿勢は首尾一貫していることがわかるはずだ。個人的にわりあい柔軟な考え方で治療をしていると思うよ。
例えば、最近のエントリではテグレトールやフラベリックの音感異常の副作用について書いている。これは頻度的にはどのくらいかわからないし、実際にエビデンスがある論文が出ているのかもよく知らないのだが、この2つ薬のユーザーにとって、「そういう副作用が出て、ショックを受けた人がいた」だけで十分のような気がする。それ以上は大きな問題ではない。(参考1、参考2)
リーマスについてもそうだ。リーマスはテグレトールに比べてはっきり判別しにくいものであるが、実際に以前ほどうまく絵が描けなくなったとか、イラストが前ほどは描けない人がいたという事実だけで十分なんだと思う。これは患者さんをよく注意してみていると、そういう影響が及んでいることに気付く。(参考)
実は、薬とその精神に及ぼす作用を判別するには、診察する医師の感性が非常に関係しているという。
何ヶ月か前だが、時々出かけている病院の院長とルーランの1mg処方について話していたら、そういうことは誰でもはできないという話になった。普通の医師では、ルーラン1mgと2mgの精神作用へ影響の差がうまく感じ取れないというのだ。この時、アリセプトの話に変わり、この薬物は認知症に処方されているが、アリセプトの作用による精神の微妙な変化を見抜けず、感性が乏しい医師は片っ端から中止してしまうので困ると言う話になった。
つまり精神症状への影響がよく診られない場合、その薬が多いのか少ないのかすら、よくわからないというのはある。薬物の精神症状への影響と観察ついては、過去ブログでもずいぶん出てきている。例えば、
セレネースとかトロペロン3A連日でも全然効果がないクラスだったのである。毎回の服薬だけでも大変だった。体が大きいし力は強いしでどうしようもなかった。いろいろ注射も含め多剤併用になってしまったのだが、僕はメチャクチャな多剤併用でも、どの薬が効いていてどの薬がダメなのか、自分の患者さんならわりあいわかる。もちろん間違うこともあるけど。これは薬の特性と患者さんの普段の様子を見ているので有害作用は特にわかるのである。ある時、フルメジンとジプレキサが良いと確信した。糖尿病を恐れないといけない体型だったので、ジプレキサを使い始めたのが遅かったのである。(メージ症候群(前半) )
コメントにも挙がっていた「リスパダールvsジプレキサ」であるが、僕のブログ的にはリスパダールが良い薬かどうかはたいした問題ではない。単に多くある中の抗精神病薬の1つについて、良し悪しとその特性について書いているだけだから。
個人的に、あの記事はうまく書けていると思うよ。あの記事は、当然と思われている統合失調症の治療の第1選択薬について疑問を投げかけている。しかも、盲目的に否定しているのではなく、なぜ悪いのか順を追って説明している。キモの部分(統合をしていないのでは?)は僕の主観というか感性だけど、リスパダールの陰性症状への効果がいまいちだとか、EPSの出現率、脂溶性の問題、高プロラクチン血症などは既に論文になっている。
あの記事には、1996年以降の精神科治療が意味不明に多剤併用大量になった原因について考え方の1つを提示しているし、リスパダール少量で良好なコントロールの人の理由もうまく説明できている。また、単剤処方が必ずしもマンセーできないことについても、わかりやすく理由が書けていると思う。(注;マンセーとは2ちゃんねる語で、韓国語の「万歳」という意味)
あの記事に反論がある人がいたら、なぜ日本の精神医療がそうなったのか、あるいはなぜリスパダールが減量しにくいのか、逆に説明してほしいくらいだ。
僕は現在の精神医療について、「操作的に診断する」というのは不満があるが、昔の精神科医に比べ今の若手精神科医が下手になっているとは思わない。それは他科ではありえないことだと思うよ。彼らは単に経験が不足しているだけだ。普通、何の学問でも次第に進歩していくものだ。一見、精神医療が悪化しているように見えるのは、このような理由があるのでは?ということも、あの記事では書いている。
このブログの内容は論文になりにくいものだ。元々主観的なものがベースになっているし。リスパダールにしても例えば治療指標で見ると素晴らしい。ただ、陽性症状が消失したとか、陰性症状のスコアが上がったとか、そういうことで片付けられないものが存在していることを言いたい。そのような指標で見えないファジーな事をこのブログで紹介している。
抗精神病薬の良し悪しは患者さんの人生を大きく左右する。薬物治療のあり方は、常に「絶対値」で考えるのが良いと考えている。