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数学ガールの秘密ノート
「学ぶための対話」結城浩著
教える者として耳が痛い話がたくさんあります。読むときはちょっと覚悟が要ります。
でも、作者結城浩さんの口調はあくまで優しいのです。
数学がものすごく苦手な女の子、ノナが出てきます。
主人公の「僕」が
「説明の途中でも止めていい」とノナに言い聞かせて、
気を遣ったつもりになっていました。
それに対して
元気がいい数学好きの女の子、テトラの反論と説明が秀逸です。
テトラ「でも、それは難しいですよう」
僕 「難しいって、説明を止めることが?『ちょっと待って』と言うだけじゃないの?」
「だけ」じゃな~い!
テトラ「『ちょっと待って』と言うだけじゃないのーって先輩、
それは《わかっている人の言い分》ですようっ!
そうだそうだ~
先生が説明しているときに『ちょっと待って』なんてなかなか言えません。
自分が分かっていないときに、教えている人の説明を止めるなんて、ものすごく勇気が要ることですから
(中略)
だって『ちょっと待ってください。わかりません』と止めたとしますよね。
そうすると、先生から『どこが分からないの』と聞き返されてしまうじゃないですか」
(中略)
わからないときに『どこが分からないの?』という質問に即座に答えるのは難しいことなんです。
『何から何まで分かりません!』と言いたくなっちゃうくらいです。
(中略)
わかっている人にはわからないかもしれませんが、
『ここがわかりません』とすかさず説明するなんて、かなりの高等技術なんですよ。
おおお、本当にその通り!
こんなにありありと描ける作者の想像力が素晴らしい。
先生の話をさえぎって「ちょっと待って」ができるのは、かなりできる生徒さんです。
質問内容を頭で整理して言葉にするのに、相当理解が必要です。
確かに私は中高生の頃、せっせと先生に質問しました。
さすがに授業の途中で「すみません、わかりません」と止めたことはありませんが。
でもそれは、わかっているからできたことなんですね。
もっとわからなくなると、
「どこが分からないのか分からない」
状態になって、質問すらできません。
先生に「こんなことも分からないの?」
と返されるのが怖くて言い出せなくなる
特にZ高(私の出身校)のスピード授業は、
置いていかれたら二度と追いつけない・・・
数学ができる人が、できない人の心情をこれほど描けるとは。
結城浩さんは「数学ガール」シリーズで
大学~大学院レベルの数学を扱っています。
数式もしっかり載っていて、
楽しさと正確さが両立しています。
数学漬けの日々を送る東工大の学生さんが、
「研究室に数学ガールシリーズが全部そろえてある」と言ってました。
そういう人たちのお眼鏡にもかなう本なのね。
数学ガールシリーズの一つ
途中まで読みました。
「数学ガールの秘密ノート」シリーズは、
中学~高校数学レベルを想定しているようです。
数学の知識がなくても結構楽しめます。
この本を読んで数学の苦手意識が解消したという声が多数あり。
教える立場としてもヒントがたくさん。
時にはグサッときますけど。
《数学ガールについて書いた記事》
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