平成のベストブック | ricky321のブログ

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 「平成の名著~わたしのベスト3」が文藝春秋1月号(読書録18-128)に特集されていた。※年が変わるので、今年のものは18-、来年のものは19-を付けて区別していきます。
 上記青字表示箇所で平成の小説ベストテンをまとめてみた。ベストに角田光代『八日目の蟬』を選出したが、文藝春秋最新号で、角田本人はベストスリーの1冊に桐野夏生『OUT』を選んでいた。「ミステリーとはこんなに良いものなのかと思った」そうだが、ごく普通の読書家(特定の分野や作家に限らない読み方をするという意味で)に桐野夏生の小説で優れているものは何か、というアンケートをとったら、やはりOUTになるだろうと思う。そういう意味で納得は出来た。下記が小生の選ぶ桐野ベスト。
 平成を代表する小説家を1人挙げよ、と言われたらやっぱり小生は桐野夏生と答える。ストーリーテラーとしては宮部みゆき、高村薫、浅田次郎らがいるが、桐野は頭ひとつ抜け出している。「生きかた」「死にざま」とは月並みの表現だが、優れた桐野作品は読者に生死、特に死の意味を考えさせるところまで誘うような迫力に満ちている。
 もっとも『IN』あたりから、やや枯渇しているような印象も受けるけれども。

 さて、文藝春秋を模倣して平成の書籍ベスト3を選ぶ。
・『こころ・と・からだ』五木寛之/集英社文庫、集英社新書等
・『バカの壁』養老孟司/新潮新書
・『交渉術』佐藤優/文春新書
 五木寛之の小説を面白いと思ったことはなかったが、仕事に苦労し、過度の飲酒が祟り、歯が折れて口内が腫れ上がる経験をした後に手にした本だっただけに心に染みた。『健康という病』なる書籍が幻冬舎から出たが、この本で語られた内容とほぼ同じ。つま先や手の指先のような末端が大切だという五木の主張は組織論にも繋がる。
 養老孟司は現代社会の‘自分探し’をバッサリと切り捨てていて心地良い。実は小生は勤めていた会社が11月一杯で閉鎖になり(倒産ではないが、社長が昨今の事情を鑑みた結果、立ち行かなくなる前に、社を畳んだ方がいいと判断したらしい)、今月から新しい会社で働いている。先月30日まで働き、12月1日に面接という慌ただしさだったが。新しい組織でやっていくには下手に自己主張しないこと、自分はデキル奴だとばかりに見栄を張らないこと、敢えて人まねをすることだろう。‘インスタ映え’の反対が正解のような気がする。
 佐藤優に関しては文藝春秋誌上での連載が強烈だった。政治家を間近で見ているその重みには、我々外野にいる人間が敵うものではない。