読書の概念をひっくり返された⑥(最終回) 横道世之介 | ricky321のブログ

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 このシリーズはここで打ち止めにしたい。
 俵万智と吉本ばななという私と同世代の2人が登場してきたことについて書き始めたのだが、このタイトルで良かったかどうか?

 最後は吉田修一『横道世之介』で終わりにしたい。
 なんとなく毎日新聞を取っていた時期があり、その時の連載小説が吉田修一『横道世之介』だった。柴田錬三郎賞、それから映画化されたので、そっちでご存じの方も居られるかと思う。
 実際単行本になった時に、かなり手を加えられていて、私はちょっと失望したのである。連載の最後は駅のホームで風に飛ばされた帽子をなんとか捉まえたところで終わっていた。投書欄に「楽しい小説だった」と書いてあるものもあったし、「世之介君、最後死んじゃうんじゃないかとヒヤリとした」ともあった。
 ①連載小説のリアルタイム読者
 ②単行本の読者
 ③映画観覧者
 私は①②③全てに該当するが、この中では①の方々が一番得したと思う。amazonのレビューに小者が書いたものだが、
→「実は、これは実際に、線路に落ちた人をを助けようとしてホームから降り、死んでしまった事件からヒントを得たのです。もちろんモデルは僕自身ですが…。最初は世之介が死んだことをきっかけにして千春が世之介のことを思い出す。またニュースで知った祥子の母親が娘に知らせ、祥子が世之介の母にお悔やみを伝えるというような設定を考えていたのですが、それは考えた末、小説にそぐわないので省くことにしました。」と後書きする、というわけにはいかなかったのかな?←

 それはともかく、連載を読むという読書も非常に良いなあ、と気付かされた小説であった。実は連載では挿絵も重要な要素になるということも‘発見’した。南川史門の絵が非常に良かった。この後、日経新聞に乗り換えたが、辻原登『韃靼の馬』は小説自体も良かったし、挿絵の宇野亜吉良も見事だった。

※横道世之介の続編は中央公論BOCに連載中。
※宇野亜吉良の『韃靼の馬』の挿絵は以下の本で観ることも出来る。宇野亞喜良 AQUIRAX WORKS (玄光社MOOK)。
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