『スターウォーズ』と陰陽五行 | だるまんブログ

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生きる知恵である陰陽五行についてだるまんと語るブログ。『だるまんの陰陽五行』(三冬社)より発行。

つい先日、NHKのBSで『スターウォーズ』六部作が連続放映され、一部の人の間でプチブームとなったとのことらしい。
実は私もこの映画の大ファンで、オタクとまではいかないが、わりと繰り返し見ている。
というのも、理由があって、この映画は「陰陽五行」の構成に従って出来ているのである。監督のJ.ルーカスが陰陽五行に造詣が深いのではないかと思えるほどに見事な内容になっている。
以下、『だるまんの陰陽五行.「木」の章』(三冬社)の「あとがき」に記した内容ではあるが、ここで再録してみたい。
映画のワンショットを思い浮かべつつ、読んでいただければと思う。

 まずは前三作と後三作という構成が易と同じ陰陽六爻になっており、正しいジェダイとダークサイドに墜ちたジェダイという陰陽の構成もはっきりしている。さらにはどちらもかならず師匠と弟子が二人で行動するという行動パターンまでが陰陽の相対性に適合している。内容的には後からできた前三部がダークサイドに墜ちた父親アナキン(ダースベイダー)の物語であり、十年前に完結した後三部が息子ルークの物語であることはよくご存じだと思う。
 前三部のアナキン編では彼がダークサイドに陥るまでの過程が五行相生ルート(「水」、「木」、「火」、「土」、「金」)で進んでいる。ジェダイのマスターであるヨーダが少年のアナキンに出会った時、彼には恐怖があり、それは怒りにつながると言う。恐怖は「水」で怒りは「木」だ。この時点で相生ルートの進行が予言がされているのだ。やがて事実、成長したアナキンは母が土着民のサンドピープルに拉致されたことをきっかけに怒りを爆発させ、大量殺人をおこなってしまう。これが「木」。その後、ジェダイの掟に反してアミダラを妻に迎えるがその愛は「火」。しかし愛はそれを失う恐怖を背後に持つ(「火」の背後にあるのが「水」)ことに悪の帝王は眼をつけ、彼を破滅させる。こうして至ったダークサイドとは邪の停滞しやすい「土」的世界観に一致する。「土」はそこから脱出するにはかなりの抵抗を伴うもので(続巻「土」の章に詳しい)、アナキンはもとの師匠であるオビワンとの決闘の末、大やけどを負い皮膚呼吸のできない体になる。呼吸は「金」であり、ダースベイダーとなった彼はまさに「金神(「火」の章参照)」のような悪魔性を持った存在となる。
 後三部のルーク編では相剋ルート(「木」、「土」、「水」の順。「木」と「土」の間で触媒的に「火」が介入し、「土」と「水」の間で触媒的に「金」が介入)で展開していく。若さゆえに暴発しがちなルークは自分が何者であるかも知らぬままに巨悪に挑むが、これは「木」。そしてハンソロなどの友人の助けがあるが、これが「木」から「土」に至る間の「火」の介入に相当する。やがて帝国の巨大さという現実に向き合うとともに辺鄙な惑星での修行に入るのは人生の学生時代である「土」に一致する。このとき、師ヨーダは彼に洞窟の中で、彼の中にある父ダースベイダーの姿を見せるくだりがあるが、これはまさに「土」がその内側に影を持つという二面性(続巻「土」の章に詳しい)を象徴している。父親がダースベイダーであるかもしれないという認めたくない現実に直面したルークが自らの片腕を犠牲にしてまで受け入れるに至るのが「土」から「水」の間に介入する「金」にあたる。こうして独り立ちしたルークは「水」となるが、「水」にはエゴに陥りやすいという大きな欠点がある。最後の決戦の時、悪の帝王はまさにこれを利用しようとする。「おまえの方が強い。父に代わって我に仕えよ。父を殺せ」。彼はそのように誘惑する。しかしルークは「水」の欠点に陥ることなく、相剋ルートの次の道である「火」の方を見ようとする。すなわち我を越えた本当の愛である。彼はそのことを捨て身で父のダースベイダーに訴える。そしてベイダーはついにダークサイドを捨て、悪の帝王を葬る道を選ぶのである。しかしそれは同時に彼の死をも意味していた。彼の生命は閉じるが、後に息子ルークの前に輝くアナキンの姿の霊体で復活するのである。

 五行の相生ルートとは放っておいても進む道筋であり,相剋ルートは抵抗を伴うが魂的には進化の道筋である(一一七ページ)と述べているが、この父子の物語にそれがそのまま表れているのにお気づきになるだろうか。相剋ルートを生きた息子のルークは、相生ルートで流されるがままに生きた父の過ちまで救うに至るのである。