日曜日の、病院の救急外来で、
一人で車椅子に乗っていて、足首を骨折なさっていて、
「一人なんです。」
「一人暮らしですので。」と、凛としているあの女性。
わたしは、どうしてもどうしても気に掛かって、困っていました。
だって、おかしいじゃないですか。
たまたま、救急外来で一緒になって、お一人だったので、
ほんの少しのお手伝いをして、ほんの少しお話ししただけなのに、
なぜこんなに、心が震えるんだろう?と、
自分でもわからないのです。
わたしも、一人で暮らしてはいます。
でも、敷地内の家には夫が居て、夫の娘ちゃん二人がいます。
都内に、息子夫婦もいますし、従姉も都下にいます。
親しくしている友達もいます。
助けてもらおうと思えば、可能です。
何かしらの事情はあれども、全くの一人だとしたら?
一人じゃないとしても、一人であることを貫いていらっしゃるとしたら?
どうしよう、どうしよう、と、
わたしはぐるぐる考えていました。
短く言えば、「会いたい」のです。
でも、まさか、「会いたくて来ちゃいました。」なんて言ったら、
ドン引きされるし、怖いよね。
わたしには、他意はなく、ただ気になって仕方がなく、
何かお困りではないか、何かお役に立てないか…。
でも、正直、それ以前に、その方に惹かれたのです。
レズではないので、性的な意味ではありません。
人柄だってよくわからないのに、どうしても惹かれるのです。
そこでふと、思い出しました。
彼女が車椅子に座っていて、
わたしたちがちょっと離れたソファに座っている時、
彼女が携帯電話をバッグから出して、いじっていました。
誰かにメールでもしてたのかもしれません。
その携帯電話が、今どき???というような、
すごく分厚い、二つ折りの、ガラケーだったんですね。
すごく分厚い、ということが、キーポイントです。
相当、古い機種であるということです。
わたしの2世代前のガラケーでも、あれよりは薄かったので、
そうとう古いです。
あ…。
充電…。
わたしは、ハッとしました。
一人暮らして、脚を骨折しているので、
家に何かを取りに行くことができないです。
行ってくれる人も、いないということです。
入院した夜、看護助手さんが車椅子を押して、
売店でいっぱい色々買っていたのを見たので、とりあえず、
必要なものは買えただろうと思っていました。
ですが、あの古いガラケーを、充電できるものを、
持っているはずがないし、
売っているはずもない。
そこに気が付きました。
そして、また、わたしは、やらかしてたんです。
金曜だったか、土曜だったか、
わたしは、一番お気に入りの巾着袋が、
ベッドのスタンドに引っ掛けられたままであることを不審に思い、
中を見たんです。
そしたら、そこには、古い、携帯用の充電コードに、
新しい短いコードを繋いだものが、
一つ、ぽつんと、入っていました。
ええ?
なんでこれを、後生大事に、枕元に置いてたのよ。
わたしは自分がおかしいと思いました。
現在の携帯には、他に充電コードが2つあるんです。
なので、それはもう、無用の長物なんですね。
それで、コードを出して、巾着袋は、スーツケースの上に置いて、
コードは、他にもあるので、ちゃんと全部調べてから捨てようと思い、
とりあえず、引き出しに入れたんです。
その充電コードは、継ぎ足してあるため、
二種類の差込口に使える、特殊なものでした。
今、携帯の電池がなくなったら、
彼女は困る。
もしも、もしもだけれど、auユーザーだったら、使えるかもしれない。
それを口実にして、会いに行こう。
わたしは、勇気を振り絞って、バスに乗りました。
姑の所に行くと、夫の車がなかったのでまだ病院に居るのかと思ったのですが、
夫はいなくて、姑さんは寝ていたので、そっと離れました。
ナースステーションで、
「昨日の夕方、足首の骨折で救急で入院された、〇〇さんのお部屋は…」と
尋ねてみました。
そしたら、姑の隣の部屋でした。
わたしはカーテン越しに呼びかけて、返事を聞いてから、
顔を出して、
「昨日、救急でご一緒だったものですが…覚えていますか?」と聞くと、
彼女は「もちろんです! 親切にしていただいてありがとうございます!」と言い、
ベッドを開けて、「ここにお座りになりませんか?」と言ってくれました。
車椅子を入れてあるので、普通の椅子が置けないのです。
なのでお言葉に甘えて、ベッドに並んで座りました。
もちろん、「姑のところに来たので、寄らせていただきました。」と言って。
そして、わたしが手帳を出して、
「わたしの素性を明らかにしますね。」とペンを持ったら、
彼女が大き目のノートを差し出して、「ここに書いてください。」というので、
名前と、住所と、電話番号と、メルアドを書きました。
手術は決まりましたか?と尋ねると、金曜日だとのこと。
月曜日なのに、金曜日までこのままなのか、と気の毒になりました。
「何かお困りのことはありませんか? 買って来るものとかどうですか?」と、
お尋ねしたら、やはり「大丈夫です。」とおっしゃるのです。
それでわたしは、バッグから充電コードを出しつつ、聞きました。
「携帯の電池がなくなったら困るだろうなと思ったんですけど、
どちらの携帯ですか?」と聞きました。
すると、auだとのこと。
「わたしもauなんです。先日、たまたま、古い充電コードを見つけたので、
持って来てみたんですけど。」
そう言ってコードを見せると、「大丈夫です、そんなに使わないので。」と。
「大丈夫です。」が、大丈夫じゃないことが、とても多いんですよね。
きっと一人で気を張って生きていらっしゃるんだろうなと感じました。
「でも、充電がなくなったら不便ですものね、
携帯、見せていただいてもいいですか?」と声を掛けて、携帯を持つと、
本当に古い機種で、ずっしり重たい、分厚いガラケーでした。
充電コードを刺し込む口を見たら、幅広でした。
なので、どうかな、どうか合ってくれ!と、願いながら、
繋いである小さい差込のコードを引き抜いて、幅広のを差し込んでみると…
なんと、入ったのです!
「こっちの、白いコンセントは、お借りしても大丈夫なコンセントなので、
刺してみますね。」と説明し、コンセントに刺すと、
ガラケーのランプが、赤く灯ったのです!
使えた!
ああ、良かった、来た甲斐があった!
すると彼女はこう言いました。
「…実は、病院側から、だれか親類を呼ばないとと言われてて、
あちこちに電話して、充電、もうあと少ししかなかったんです…。
なので、コード、お借りしてもいいですか?」
やっぱりそうだった。
この人の「大丈夫です。」は
大丈夫じゃない人の、大丈夫だったんだ。
「このコードは、古くてわたしはもう使わなくて、捨てるつもりだったので、
捨てるものですから、差し上げます、使ってください。」
と言うと、彼女は感激して、
「お友達になってもらえますか?」と、言ってくれました。
そこで彼女も、ノートの紙に名前と電話番号を書いてくれました。
それを見て、「じゃあ、この番号に、ショートメールすればいいですか?」と
聞いてみました。
そしたら、お顔がぱあっと明るくなって、
「メール! メールやり取りできたら、嬉しいです!」というので、
携帯を見せていただき、わたしが彼女のメルアドを登録しました。
そして、テストでわたしからメールを送ってみて、
届いたのを確認して、
それをわたしの名前で登録してあげた、その時に、
親戚かな?と思われる男性が来たので、
わたしはそそくさと引き上げました。
やった!
やった!
行って良かった!
自分の衝動に従って、無謀に行動をしてしまいましたが、
結果的に、わたしはわたしを、とても満足させられましたし、
幸せな一日になったのです。
決して同情したわけではないし、
「宗教に勧誘しませんし、高い壺も売りません、他意はないんです。」と
わたしは説明しましたが、
本当に他意はなくて、衝動でしかないんです。
あの夜、たまたま、枕元の巾着を開けて中を確認し、
それを取り出しておいたわたし。
またシンクロを起こしたのです。
今、マヤ暦をやっているわたしは、
「運命の4日間」の真っただ中にいます。
それは、マヤ暦ダイアリーを無作為に配られた結果、
しおり紐が挟まっている、そのページの4日間は、
自分にとって最も大切な4日間で、
宇宙と繋がっていて、
指令が降りて来る、という期間なのです。
それを意識してもいました。
指令かどうかはわからないけれど、
魂の声に、従ってみよう、と、勇気を振り絞ったわけです。
正直、怖かったです。
ドン引きされるのでは?
気持ち悪いと思われるのでは?と、
葛藤しました。
でも、行って良かったです。
お友達が増えました。
今日、その方の生年月日をうかがって、マヤ暦で調べました。
そうしたら、潜在意識のほうの紋章が、わたしと同じ方でした。
初めてです。
また、音も、わたしにとって、相性のいい音の方で、
ナンバーも、わたしの隣のナンバーでした。
やはり、何かしら惹かれたのは、理由があるのですね。
わたしが手術を控えていることなどはまだ話していません。
おそらく、入院してからしか、知らせないと思います。
でも、昨日も今日も、メールのやり取りをしていて、
とても楽しいです。
心の声を聞くこと、信じてみること、
それは、意外に難しくて、意外にみんな、出来ていないんです。
わたしもそうでした。
勇気が要ります。傷つきたくないし、怖いです。
でも、今回は、本当に良かったと思っています。
嬉しい出来事になりました。
今日も長々とお読みくださり、ありがとうございます。
「ゆきのひ。」















































