日本民藝館で開催中の展覧会、
“抽象美と柳宗悦”に行ってきました。
(注:展示室内は一部撮影可。写真撮影は、特別に許可を得ております。)
まずは荷物とコートを預けるために、ロッカーへ。
すると、その脇にあるチラシコーナーで、意外な展覧会チラシを発見しました。
基本的に、こちらのチラシコーナーには、
民藝に関連する展覧会のチラシが置かれているのですが、
なぜか、そのセンターに“アンチ・アクション”のチラシが置かれていたのです。
どのような展覧会なのか説明していると、長くなるので、
気になった方は、是非、当該記事を読んで頂くとしまして↓
ざっくり言ってしまうと、1950年代から60年代にかけて、
日本にアンフォルメルやアクション・ペインティングといった、
抽象絵画運動が流入した頃の女性芸術家たちを紹介した展覧会です。
実は、柳宗悦が、当時の空前の抽象絵画ブームに対して、
雑誌『心』に「抽象美について」という文章を寄稿していました。
その中で彼は、“抽象美は決して新しい産物ではない”と断言しています。
なぜなら、古来の名品に抽象美を湛えたものが多くあるから。
本展では、そんな柳が抽象美を見出した名品の数々が紹介されています。
いうなれば、本展と“アンチ・アクション”展は、
コインの表と裏のような関係にあると言えましょう。
同時期に開催されているのは、偶然だそうですが、
両方の展覧会を観ることで、理解がより深まること請け合いです。
さて、一口に抽象と言っても、そのスタイルはさまざま。
ポロックを彷彿とさせる江戸時代のお皿もあれば、
フォートリエの絵肌のような質感をした瀬戸の棚板や、
ロシア・アヴァンギャルド風の堅手茶碗(16世紀)もありました。
こちらの朝鮮時代の刷毛目線彫印花鉢にいたっては・・・・・
フリーハンドで書かれた線が、どことなくサイ・トゥオンブリーを想起させます。
確かに、柳の言うように、抽象美は新しいものではなく、
20世紀よりも遥か昔の名品に抽象美を見て取ることができました。
モアレが発生しているのかと思いきや、
近づいてよくよく観てみると、こういう柄でした。
古くからの名品には、抽象美だけでなく、モアレも見て取ることもできるようです。
・・・とそれはさておきまして。
本展では、日本や東洋の名品だけでなく、
抽象美が見て取れる世界各地の名品も紹介されています。
本展のメインビジュアルに採用されているのは、
北アメリカの先住民ナバホ族が使っていたブランケット。
そのビビッドなカラーリングは、岡本太郎に通ずるものを感じました。
抽象的な柄ではあるものの、TAROMANに登場する奇獣のようにも見えます。
世界各地で見られる抽象美といえば、このようなものも。
東南アジア・ボルネオ島の袖無上衣です。
初めて目にするものですが、不思議と初めてな気がしません。
なぜ、懐かしい感じがするのだろうと、
疑問に思っていたら、違う展示室でその理由がわかりました。
ケースに展示されていたのは、青森の南部地方の前掛け。
先ほどの袖無上衣の紋様と、菱刺の紋様がよく似ていたのです。
どうりで既視感を覚えたわけです。
島全体が熱帯雨林におおわれボルネオ島と、冬は厳しい寒さの南部地方。
文化だけでなく、気候もまったく違うのに、なぜかその紋様は似ています。
展示品の中には他にも、時代や地域が違うのに、
なぜか似たような模様が施されているものが多々ありました。
抽象美というのは、時代や地域を超越した、
もっと人間の本能に近いものなのかもしれません。
そんなことを実感する展覧会でした。


ちなみに。
本展で抽象美をたっぷりと堪能した影響で、
館内の床の模様やケースの木目までもが、抽象美に感じられてきました。
そういえば、展示室内のカーテンの柄も抽象ですね。
日本民藝館は“民藝の殿堂”であると同時に、“抽象美の殿堂”とも言えそうです。
そんなことを考えながら、日本民藝館を出ると、



















