大井での軌跡 —ニコンと街と人と— | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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今から約20年前、千葉から上京して、

初めて住んだのが、品川区の西大井駅のあたり。

引越してから、すっかり縁がなくなりましたが、

10年ぶり以上に、西大井に足を運んできました。

 

西大井駅の入り口と改札機
 
 
この街に住んだ理由は何と言っても、
当時、ここにNSC(よしもと芸人養成所)があったから。
言うなれば、アートテラーになる前の青春の場所。
NSCは今どうなっているのか。
記憶を頼りにその場所に行ってみると、保育園になっていました。

 

西大井の保育園外観、ニコン本社跡地

 

 

NSCの名残は一切なし。。。

ちょっぴり切なくなりました。

 

 

さて、気を取り直しまして。

本来の目的を目指しましょう。

やってきたのは、こちら↓

 

ニコンミュージアムの外観、ニコン本社ビル

 

 

カメラなどの光学機器を製造する大企業、ニコンの本社です。

今や国際的なメーカーであるニコンの創業の地がここ、大井。

ニコンの本社の目の前に広がる道路は、

旧社名の「日本光学工業」にちなんで、光学通りと名付けられています。

 

光学通り Kogaku St. 標識

 

 

そんなニコンの本社ビルの1階に、

2024年秋にリニューアルオープンしたのが、ニコンミュージアムです。

 
ニコンミュージアムの歴史年表とロゴ

 

 

入り口を抜けると、まず目に飛び込んでくるのが、インダストリーゾーン。

インダストリー、つまり産業用の製品や技術を紹介するゾーンです。

 

ニコンミュージアムの展示風景

 

 

ニコンというと、一般的にはカメラのイメージが強いですが、

「史上最も精密な機械」とされる回路を描き出すための半導体製造装置をはじめ、

測定器や測量機、光加工機、さらには天体望遠鏡なども作っているそう。

 

ニコンの天体望遠鏡と宇宙の展示

 

 

また、理科の授業でお世話になるようなものから、

最先端の研究で使われるものまで、ニコンは顕微鏡も作っているようです。

 

ニコンミュージアムの歴代顕微鏡とカメラ

 

 

それらの顕微鏡とは別の場所で、

大事に展示されていたのが、こちらの顕微鏡。

 

ニコン初の顕微鏡 JOICO顕微鏡

 

 

その名も、JOICO顕微鏡。

ニコン初の本格的な顕微鏡として、1925(大正14)年に発売されました。

当時の顕微鏡としては画期的で、

最大765倍(!)まで拡大できたそうです。

 

インダストリーゾーンに続くのは、コンシューマーゾーン。

こちらで何と言っても圧巻なのが、ニコンの歴代カメラが勢ぞろいした光景でしょう。

 

ニコンミュージアムの歴代カメラ展示

 

 

初期のものから最新のものまで。

その数は、500点以上にもおよぶそうです。

 

ニコン歴代カメラ展示

 

 

それらの中には、フィルムカメラだけでなく、デジカメも。

 

ニコン歴代コンパクトカメラCOOLPIXシリーズ展示

 

 

そういえば、このブログを書き始めた頃は、

記事に掲載する写真はデジカメで撮影していましたが、

いつ頃からか、スマホで撮るようになっていましたね。

すっかりデジカメの存在を忘れていました。

不思議なもので、もっと昔のフィルムカメラよりも、

20年近く前のデジカメのほうが、懐かしく感じられます。

 

なお、こちらのゾーンでは、歴代のレンズも一堂に会していました。

 

ニコン歴代カメラ・レンズ展示
 
 
僕はほとんどスルーでしたが、
カメラ好き、レンズ好きにはたまらないのでしょうね。
実際、元カメラ小僧(現カメラおじさん)たちが、
これらのレンズを食い入るように眺めていました。
 
 

さて、そんなニコンミュージアムで現在、

リニューアルオープン後初めて開催されているというのが、

“大井での軌跡 —ニコンと街と人と—”という企画展。

大井で暮らしていた自分としては、絶対に見逃せない展覧会です。

 

ニコンミュージアム「大井での軌跡」展

 

 

本展の会場そのものが、ニコンの巨大な社史となっており、

ニコンと大井にまつわるエピソードが数多く紹介されています。

 

ニコンミュージアムの創業から歴史をたどる展示
ニコンミュージアムの歴史展示、歴代カメラと技術の進化
 
 
大井にはかれこれ8年近く住んでいましたが、
初めて知るエピソードも多く、今さらながら大井に愛着が湧きました。
当時、この展覧会が開催されていたら、
引っ越すことなく、今も大井に住み続けていたかもしれません(笑)
星
 
 
なお、個人的にもっとも印象に残ったエピソードは、
現在の西大井駅前のロータリー付近に、ドイツ人街があったというもの。
大正10年、ニコンは光学技術の進んでいたドイツから、
レンズ設計の世界的権威であったランゲ博士ら8名の技術者を招聘しました。
彼らとその家族の社宅が、西大井駅近くの一角にあったようです。
住んでる当時は、一度もドイツを感じたことがありませんでした。
街の記憶というのは、時には跡形もなく消え去ってしまうものなのですね。
 
なお、本展では、ニコンの歴史・・・いや、
日本の産業史に残る名品の数々も紹介されています。
例えば、ニコンI型。

 

ニコンI型 1948年製レトロカメラ
 
 

民需品として販売された初の小型量産カメラで、

「ニコン」という名前が付けられた最初のカメラです。

その約10年後に発売されたのが、“伝説の名機”と称されるNikonF。

 

NikonF 伝説の名機 カメラ

 

 

ニコン初のレンズ交換式一眼レフカメラで、

一眼レフを日本に普及させたその功績により、

国立科学博物館の「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に登録されています。

他にも、1963年に日本初の標準ズームレンズとして発売された、

ニコン Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5も紹介されていました。

 

ニコン初の標準ズームレンズ 43-86mm

 

 

このズームレンズがどれほどスゴいかといえば、

他社が同レベルのものを発売するまでに、10年の歳月を要したそう。

ニコンの技術力、恐るべしです。

 

 

ちなみに。

そんなニコンの技術力は、ミュージアムグッズにも反映されているのでしょうか。

一企業博物館とは思えないほど、ラインナップが充実していました。

 

ニコンミュージアムの展示品ディスプレイ

 

 

その中でもとりわけ気になったのは、ニコンようかん。

 

ニコンミュージアムのようかん

 

 

なぜ、ニコンでようかん??

調べてみると、なんと昭和48年からある歴史ある商品なのだとか。

もともとは従業員向けに販売されていたそうですが、

2000年からオンラインショップで販売すると、たちまち評判に。

ミュージアムショップでも1、2を争う人気グッズだそうです。

なお、ミュージアムのリニューアルに合わせて、パッケージデザインも一新されたそう。

もちろん基調となるのは、ニコンイエローです。

 

ニコンミュージアム限定ようかんとカメラ柄の紙袋
 
 
せっかくなので購入してみたところ、
ニコンイエローのリボンが可愛いショッパーに入れてくれました。
お土産に最適。
 
 
 
 
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