■火だるま槐多よ
監督:佐藤寿保
脚本:夢野史郎
出演:遊屋慎太郎、佐藤里穂
2023年製作/102分/G/日本
村山槐多の絵画《尿する裸僧》に魅入られた法月薊が、
「村山槐多を知っていますか?」と街頭インタビューをしていると、
「私がカイタだ」と答える男・槌宮朔に出会う。
特殊な音域を聞き取る能力を持つ朔は、
過去から槐多が語りかけてくる声を何度も聞くうちに神経を侵食され、
自らを槐多と思い込むようになっていた。
朔が加工する音は同じく特殊な能力を持つ者にしか聞き取れないが、
それぞれ予知能力、透視能力、念写能力、念動力を持つ、
若者4人のパフォーマンス集団がそれに感応する。
(映画.comより)
「22歳という短い人生で大正の世を駆け抜けた天才画家、村山槐多(かいた)。
彼はその短い生涯の中で洋画だけでなく、 詩や小説、戯曲も多く残しています。
パッションが尋常でなかったという槐多を、
ある人は、 “アンドロメダ的燃焼体”と呼び、
高村光太郎は、“火だるま槐多”と呼んだそうです。
そんな槐多の《尿する裸僧》を美術館で初めて観た際に、
映画監督の佐藤寿保さんは、ガツンと衝撃を受けたそうで。
それを機に、槐多を題材にした映画のアイディアを温めていたそうです。
村山槐多を題材にした映画。
それだけで期待が高まりましたが、
実際に映画を観終えて、その率直な感想は、ただ一言。
“一体、自分は何を観させられていたんだろう・・・。”
です。
美術を題材にした映画をこれまで、
この企画を通じて80本近く観てきたわけですが。
断トツで、意味がわからなかったです。
最初から最後まで、脳内がトムブラウン布川状態。
観賞中、「ずっとなに言ってんすかねえ」で頭がいっぱいでした。
そもそも、主人公の女性が、渋谷の道行く人に対して、
「村山槐多を知っていますか?」とインタビューをする意味がわからないですし。
たまたまインタビュー中に出会った男性が、
自分のことを村山槐多と思い込んでることも意味がわからないですし。
さらに、たまたま渋谷で出逢ったコンテンポラリーダンサーたちが能力者で、
とある研究施設で実験台になっていた悲しい過去があるという設定も意味がわかりません。
主要なキャストは全員無名の新人なのに、
なぜかサラッと佐野史郎が出てくるのは、もっと意味がわかりませんでした(笑)
しかも、意味不明なだけならまだしも、
グロいシーンやエロいシーンも、ちょくちょく出てきて、
観れば観るほど、頭の中がグチャグチャにかき混ぜられました。
まるで高熱の時に見る夢のような。
人生で一度も経験したことはないですが、
合法ではない薬を摂取したら、きっとこんな幻覚が見えるのでしょう。
ハッキリ言って、観なきゃよかったです(笑)
とはいえ、ここまで徹底して世界観を確立していたことに、逆にすがすがしさすら覚えました。
キャッチーなシーンやわかりやすい見せ場を一切入れることなく。
監督や脚本家がやりたいことをひたすら追求した結果が、おそらくコレ。
単純に僕の好みには合わなかったというだけで、
これぞまさに芸術映画といった印象を受けました。
世の中のエンタメ映画に、小便をかけたかったのかもしれませんね。

(星0.5つ)」
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