一番の暗闇へ <命を還す旅8> | 感覚派の幸せ&文章講座

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注意書き から順に読み進めていただけたなら幸いです☆)



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そして、いずみさんと駅で手を振り合った後は、


ここからはいよいよ、8月9日の長崎市内へ向けて、


原爆の火と祈りの鶴、そして「命」を還しにいく1人の徒歩旅が始まります。




実は、もうこの時点でかなり足を痛めていたのですが。

  (ヒールのサンダルで)

でも、なんだか又あの履きつぶしたスニーカーに


履き替える気にもなれなくて、


そのまま、この綺麗な足元でこの町を歩ききります。


なんとなく、まだ聖地が続いてる気がして・・


そのまま、少し足をかばいながら歩き続けました。





・・


・・・


かれこれ。


いったい、どのくらい歩いたでしょう☆


前へと進んでいく歩幅が、だんだん小さくなっていきます。


そして、そのスピードもやがてだんだん落ちてくる・・・




慣れないヒールサンダルで痛めてしまった足首を、


かばうように歩いていたため今度はひざも痛めてしまい。


さらに今度は、そのひざをかばうように歩いていった為、


今度は足全体の付け根まで筋が張って、おかしくなってきて・・


いつしか、ほんの10センチほどづつしか歩けなくなっていました。




背中には、重たいリュック。


肩にはショルダーバック。


そして手には、大切な火と鶴を入れた大きな紙バック・・


どこもかしこも、体全体が痛みを発してくる。


でも、歩く・・


びっこを引きながら、


体がもう痛いと傾いてても、歩き続けようと進んでいました。





と、その時。


ここにきて、また「雨」が・・雨




もう、あれだけ振ったんだからもう雨はこないだろうと思っていたら、


また、大きな雨が降ってきたのです。




その格好に、さらに片手で傘を差します。


小さすぎて、あまり役に立たないその傘を、


大切な紙バックを雨から守るようにかざしながら、歩き続けます。




もう、一度すべてが濡れているから自分の身はかまわないのだけど、


でも、この火と鶴の入ったバックだけは、大切に守りたい・・


なので、雨の激しい中、


今度はそのバックを胸にかかえて、歩き続けました。




でも。


一度湿ってしまっていたその紙バックは、


たとえ撥水性だったとしても、大雨にはもう間に合わなくて・・


ついに、横が破れてしまいます。


なので、その格好でさらに横をもかばいながら、


体のあちこちの痛みを無視して歩き続けたのでした。







時計を、見る。


「もうこんな時間・・」



地図を、見る。


「まだこんなところ・・・」



このままのペースで、さらにスピードが落ちることも考えて、


長崎市内への到着時間を予想してみます。


何もかも、最初の予定とは大きく違ってきていて、


想像と現実の厳しさとのギャップに、ここで打ちひしがれそうになります。


もう前を見る気にもなれなくて、情けなくて、泣きたくて、


ここで自分の何かがすべて止まってしまいそうになりました。




「歩きたい」


でも、歩けない・・


じゃあ、11時02分着という「時間」の部分をあきらめるか。


それなら、この亀の歩みだったとしても、


いつか必ずその場所には自力・自分の足で辿り着ける・・キラキラ


せめて、雨さえ止んでくれたら・・







でも、雨は止まない。


ここにきて私は、


「まだ、この旅を行えるような身分じゃなかったんだ」と自分を責め。


自分の至らないところを次から次に責め続けて、


今度は「体」だけでなく、「心」まで立ち上がれなくなってしまったのでした。