(注意書き から順に読み進めていただけたなら幸いです☆)
* * * * *
そして、いずみさんと駅で手を振り合った後は、
ここからはいよいよ、8月9日の長崎市内へ向けて、
原爆の火と祈りの鶴、そして「命」を還しにいく1人の徒歩旅が始まります。
実は、もうこの時点でかなり足を痛めていたのですが。
(ヒールのサンダルで)
でも、なんだか又あの履きつぶしたスニーカーに
履き替える気にもなれなくて、
そのまま、この綺麗な足元でこの町を歩ききります。
なんとなく、まだ聖地が続いてる気がして・・
そのまま、少し足をかばいながら歩き続けました。
・・
・・・
かれこれ。
いったい、どのくらい歩いたでしょう☆
前へと進んでいく歩幅が、だんだん小さくなっていきます。
そして、そのスピードもやがてだんだん落ちてくる・・・
慣れないヒールサンダルで痛めてしまった足首を、
かばうように歩いていたため今度はひざも痛めてしまい。
さらに今度は、そのひざをかばうように歩いていった為、
今度は足全体の付け根まで筋が張って、おかしくなってきて・・
いつしか、ほんの10センチほどづつしか歩けなくなっていました。
背中には、重たいリュック。
肩にはショルダーバック。
そして手には、大切な火と鶴を入れた大きな紙バック・・
どこもかしこも、体全体が痛みを発してくる。
でも、歩く・・
びっこを引きながら、
体がもう痛いと傾いてても、歩き続けようと進んでいました。
と、その時。
ここにきて、また「雨」が・・![]()
もう、あれだけ振ったんだからもう雨はこないだろうと思っていたら、
また、大きな雨が降ってきたのです。
その格好に、さらに片手で傘を差します。
小さすぎて、あまり役に立たないその傘を、
大切な紙バックを雨から守るようにかざしながら、歩き続けます。
もう、一度すべてが濡れているから自分の身はかまわないのだけど、
でも、この火と鶴の入ったバックだけは、大切に守りたい・・
なので、雨の激しい中、
今度はそのバックを胸にかかえて、歩き続けました。
でも。
一度湿ってしまっていたその紙バックは、
たとえ撥水性だったとしても、大雨にはもう間に合わなくて・・
ついに、横が破れてしまいます。
なので、その格好でさらに横をもかばいながら、
体のあちこちの痛みを無視して歩き続けたのでした。
時計を、見る。
「もうこんな時間・・」
地図を、見る。
「まだこんなところ・・・」
このままのペースで、さらにスピードが落ちることも考えて、
長崎市内への到着時間を予想してみます。
何もかも、最初の予定とは大きく違ってきていて、
想像と現実の厳しさとのギャップに、ここで打ちひしがれそうになります。
もう前を見る気にもなれなくて、情けなくて、泣きたくて、
ここで自分の何かがすべて止まってしまいそうになりました。
「歩きたい」
でも、歩けない・・
じゃあ、11時02分着という「時間」の部分をあきらめるか。
それなら、この亀の歩みだったとしても、
いつか必ずその場所には自力・自分の足で辿り着ける・・![]()
せめて、雨さえ止んでくれたら・・
でも、雨は止まない。
ここにきて私は、
「まだ、この旅を行えるような身分じゃなかったんだ」と自分を責め。
自分の至らないところを次から次に責め続けて、
今度は「体」だけでなく、「心」まで立ち上がれなくなってしまったのでした。