日本人は情緒的で中国人は理論的。
例によって決め付けるのは危険なのですが、大まかな傾向としてこういうのはあるように思います。
今、ある日本語を母国語としている女性に中国語を一からトレーニングしています。
使用教材はNHKのラジオ講座。
10月から新しく始まった入門編を学んでいただいているのですが、昨日、駅前の喫茶店でカウンセリングをしました。
この女性。
とても理論的に中国語の発音を理解されようとしています。
多くの方が、ただ聞きだけの中国語の入門編。
NHKの講座はよくまとめられているのでただ聞いているだけで理解できると思っていたのですが、この方にとっては実に細かなところが気になって気になって仕方ないようでした。
たとえばあいまい母音の“e”。
「あ」でもない「お」でもない、口の形は「え」に似ているけれど「え」でもない、でも、「あ」「お」「え」の要素をすべて持っている中国語の“e”。
“谢谢”のピンインは“xie4xie”.。
この時の“ie”の“e”や“很好”の“很”のピンイン“hen3”の“en”の“e”は日本語の「エ」と発音するのに、“饿”“e4”や“eng”の“e”はあいまいな“e”と発音が違うのに表記が同じ。ということが納得いかないとのことです。
また、表記方法といえば、“ian”の“a”や“uan”の“a”は「エ」と発音するのに“an”“ang”などはすべて「あ」と発音するのも「理論的におかしい」と思っておられます。
その上、“ian”の“i”は単語の先頭だと“y”と表記するやら“u”は“w”に、そしてウムラウトの“ü”は“yu”になるなど一見すると例外だらけの法則をどのように理解したらいいかわからない様子でした。
極めつけは“ü”が“jü”“qü”“xü”と表記すべきところを“ju”“qu”“xu”と表記するなど不可思議なルールに面食らっておられました。
多くの方が「中国語はこんなものだろう」とさっと先に進むところでしょうが、この方は実に熱心に理解しようとされています。
日本なら、ルールはできるだけ守ろうとするでしょう。
ウムラウトの“ü”はあくまでも“jü”“qü”“xü”と表記するでしょうが、中国的な合理主義で“ü”でなくても“ju”“qu”“xu”でも問題ないからと手間を惜しむように大胆に省略する。
結局このクライアントには、こういったことは中国式ルールだからあまり気にせず先に行きましょうと行ったのですが、本人は納得いかない様子。
そこで、しばらくは中国語の発音を徹底的にマスターすることにしました。
こういう方もおられるのですね。
中国語のインストラクター、トレーナーとしてはお一人お一人の状況に合わせ、その方なりのメニューや学習方法を作ることがとても大切だと改めて思ったのでした。