昔、ある英語講師が、日本で生活しているのにもかかわらず、日本語を一切学ぼうとせず、それは何故ですかと人に聞かれたとき、「日本語を覚えてしまうと英語の発音がおかしくなる」と答えたといいますが、これは確かにあるようです。
先日、ある中国人ご夫妻の子供さんと会いました。
昔から知っている男の子で、今は小学5年生。
日本で生まれて日本で育っています。
家では中国人のご夫婦なのでもちろん中国語で会話していて、この10歳になる男の子も中国語は完全に聴き取っているのですが、この男の子の話す中国語が日本人の中国人になっていることに気付きました。
ほんの少しの言葉でしたが、まず発声が中国人ではなくなっていました。
中国人の発声は無気音を発声するために少し喉を詰めたような、でも、その分響くような「音」、あるいは南方の中国人なら太いけれどもやはり響く、鍛えられたような「音」なのですが、この男の子の「音」はあまり響かない、室内で話されることの多い日本語の「音」だったのです。
私自身、中国語を話すようになって、正確な日本語。特に「ぱぴぷぺぽ」が発音できなくなっており、関東の人と話をしていると日本語を話しているのにもかかわらず「中国人だと思った」「日本語が変」だと言われるのですが、この男の子の場合、家庭以外では、いえ、家庭でもテレビは日本語だし、どこにいっても日本語ばかり。
そういうことで「音」がもう日本語になっていたのでした。
環境の影響というのは本当に大きい。
そのことに改めて気づいた瞬間でした。