魔女とレヴィ 第9話 君の手が
「レヴィ……ありがとう」
その名を呼ぶ声が、心地いい。
まるで、漂っていく時間を繋ぎ止める、やさしい鎖のようだった。
その鎖に縛られることが、なぜか苦しくない。
むしろ――心地よかった。
あの頃と、同じように――。
「……レヴィ」
「レヴィ? どうかしたの?」
百合夜は、どこか優しい表情を浮かべたレヴィの顔を、そっと覗き込む。
「……なんでもない」
レヴィは、静かにそう答えた。
外では、大樹とマナが追いかけっこをして遊んでいる。
そのとき――
ガシャン!
乾いた音が響き、レヴィと百合夜は同時に振り返った。
「ママ、ごめんなさい……!
ママのお花、倒れちゃったの……」
大樹の声が震えている。
「大樹、大丈夫か。怪我はないか?」
レヴィはしゃがみ込み、大樹の手を取って確かめる。
そのすぐ横で――
百合夜は、倒れた鉢を見つめていた。
声も出さず、ただ、じっと。
「……百合夜?」
「ママ……?」
ふたりの呼びかけは、届いていないようだった。
彼女の視線は、土にまみれた小さなビオラから離れない。
まるで――
そこにある“何か”が、音もなく崩れていくのを見ているかのように。
https://ameblo.mom/witch-levi/entry-12942795404.html
初めての方はこちらから![]()
https://kakuyomu.jp/users/kiki-levi
カクヨム投稿始めました![]()
https://ameblo.mom/inakanoka-san/
本アカウントの方も
よろしくお願いします![]()
ご愛読ありがとうございました![]()

