魔女とレヴィ 第5話 桜の行方 


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百合夜の前に、ジャンとアルが並んで座っていた。

 ふたりとも俯いたまま、沈んだ表情をしている。

 レヴィがそっと紅茶を淹れ、カップを差し出した。


「ありがとう、レヴィ」

 百合夜はやわらかく微笑む。


 沈黙ののち、アルが小さくつぶやいた。

「……結局、ダメでした」

 ジャンも続ける。

「俺たちの力を注げば、少しはって……思ったんだ」


 百合夜はそっと目を細めた。

「ふたりは、私のためにしてくれたのね。ありがとう」


 エルが静かに言葉を添える。

「理を外れてまで命を伸ばすのは、その者にとっても苦しいことなんだ。……分かるだろう?」

 レヴィは何も言わず、窓の外へ視線を投げた。


 アルがうつむいたまま答える。

「分かってる……」

 ジャンも唇を噛みしめる。

「分かってるよ……でも」


 百合夜がその声をやさしく遮る。

「ねえ、こっちに来てくれる?」

 彼女が手招く先。窓辺の鉢の中で、小さな木が力強く花を咲かせていた。

「桜……?」ジャンが目を見開く。

「そう、桜。あの大木の枝から取ったのよ」


 アルが思わず息を呑む。

「生きてる……」

 百合夜は穏やかに微笑んだ。



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