涙がホロリ、と、涙がポロリ。台湾映画『大濛(霧のごとく)』の言語世界 | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

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台湾映画『大濛(霧のごとく)』、映画館で見た時の日本語字幕は素晴らしかったです(Netflixさんのは・・涙)。



映画の舞台は1950年代の台湾。今使われているような「標準中国語」のセリフはほぼ聞かれず、基本的に、台湾語。それ以外は、広東語訛りの台湾語、広東語訛りの中国語、広東語、台湾語訛りの中国語、あとはよくわからんけど山東訛りの中国語、浙江訛りの中国語...みたいなことばばかりでした。


主役の趙公道は広東省出身の元国民党軍軍人。台湾語は台湾に来てからも聴き覚えたでしょうが、軍で、福建省出身の小隊長に福建語を教えてもらった、と言っていましたね。特に、汚い罵り言葉(罵話/髒話)は各地のやつを覚えたぜ、と言ってたし実際、意味なく各所で使ってました笑。


阿月と趙公道との会話は、台湾語、怪しい標準中国語、広東語、のミックスで進んでいきます。趙公道が自分の来し方を話している時、そりゃ悲しくて涙も出たさ(「流目屎liû ba̍k-sái/リウバッサイ)。と台湾語で言うのですが、台湾語では先輩格の阿月がそれを「流目屎lâuba̍k-sái/ラウバッサイ」だよ!と訂正します。


趙公道も譲らず、「リウバッサイ」と「ラウバッサイ」と言い合う2人。とっても微笑ましく可愛らしいシーンでしたが、日本語でどう翻訳すべきなのか?映画館では「涙がホロリ」と「涙がポロリ」の言い合いになってて、あ、上手だな、と上から目線で(笑)思ったのでした。


実際、台湾語の「流」にはラウという読み方もリウと言う読み方もあるし、台湾語には地域差もあるし、「ホロリ」と「ポロリ」くらいの違いなのかもしれません。知らんけど。


上のシーン、Netflixの字幕ではどうなっているか?私はすぐに日本語字幕で見るのはやめて繁体字字幕で見ていたので、今確認しましたが、全く違う訳になってました。残り1時間33分14秒くらいの所です、見てみてね。