東山彰良『流』、面白かった! | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

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今年、台湾映画『牯嶺街少年殺人事件』の世界にどっぷりハマり、その流れでついについに読みました!東山彰良著『流』。

作品の面白さ、素晴らしさについてはあちこちですでに語り尽くされているので、私は個人的に部分的にツボだったところを。

細かいけど、所々でてくる動物の描写というか擬人化の面白さが好きだった。緊迫したストーリーの中に時折ポンッと投げ込まれていて、ハラハラしつつも笑ってしまう。

悪さして警察にしょっ引かれて、迎えに来た父親にどやされながら帰宅した秋生を出迎えてくれる「母と祖母と目つきの悪い鶏たち」。さらに鞭でひっぱたく母と祖母と一緒に秋生の足をつつく鶏。

コックリさんをする秋生たちの手にとまって血を吸う蚊は「曲宏彰の生き血を、うっぷ、もう食えん、というくらいまですすり、大きな腹を抱えてふらふらと飛び去って」行く。その日は「蚊にとっては近来まれに見る良い一日となった」りする。

軍官学校の独房の看守が飼っている老犬、大偉(デイビィッド)も、独房棟に「とことこ入ってきて」「わっ、暑い、という顔をし」て、そこから出ていくし、

大量発生したゴキブリは日本のゴキブリホイホイにわれ先にと入っていく。「おい割り込むんじゃねえ」「おれたちは昨日の夜からならんでるんだぞ」と言いながら。それで秋生の仕掛けた「四つのホイホイはどれも押すな押すなの大盛況」になるのだ。

そういう感じなので、シリアスな場面があっても全体的にユーモラス。読んでいて楽しい、飽きない、面白い。読むのが怖くて今まで先延ばしにしてたけど、読んで良かった珠玉の一冊。でした。