台湾語の音標と漢字はまだバラバラだ。
音標システムは、
日本で出版されているテキストは基本的に教会ローマ字。台湾の小学校で使われる教科書は、基本的に教育部の方針に従うようだが、独自の音標で編集してあるものもある。仁林文化というところが出している教科書などは、声調の表記を変調後の表記で行っている。ユニークだ。
教育部の方針そのものも揺れている。教育部公布の「通用拼音」、「台灣閩南語音標(TLPA)」などを経て2007年に「台灣閩南語羅馬字方案」が出された。現在は公式にはこの「台灣閩南語羅馬字方案」に依って表記されることが多い。
争点は基本的に次の3点。
1) 無気音の p、t、k を IPA(国際音標表記)に従って、 p、t、k と表記するのかという問題。「通用ピンイン」ではそれぞれ b、d、g とされた.が、それ以外のピンインシステムはすべてp、t、k。
2) IPAで ts(無気音) と ts’(有気音)で表される音をどう表すかという問題。これはすべてのピンインシステムで異なる。
教会ローマ字では ch と chh 、
「通用ピンイン」では z と c 、
「TLPA」ではが c と ch 、
そして現在の「台灣閩南語羅馬字方案」では ts と tsh
3) あとは、鼻音の表し方や、声調の表し方など。
音標システムの統一はなかなか難しそうだ。
漢字もいろんなパターンがある。
日本のテキストで使われている漢字はかなり中国語の漢字(意味を採用)に近い。たとえば「~しなければならない」という意味の助動詞 beh は、教育部の「台湾閩南語推薦用字」では”欲”だが、日本のテキストでは現代中国語と同じ“要”だ。
私自身は何かしら寄る辺が欲しいので、教育部の「推薦用字」を参考にする。でも、全然違う漢字が使ってあっても、だいたい文脈でわかる。どうしてもわからないものは台湾語の先生Aさんにきく。Aさんもわかるまでに時間がかかることもある。一般的にはカラオケで台湾語の歌を歌うときに字幕で使われる字が最もポピュラーというか民間に浸透している漢字かもしれない。が、よくわからないところもあって、調査が必要。
とにかく、漢字も統一はまだまだ先のようだ。