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怪句 その2

「誰か来る! ける筈が ないところ」


 犬の散歩での一句。


 実家に帰ると犬の散歩が楽しみの一つ。

しかし今回は夜遅くなってしまった。緑地公園には人っ子ひとりいない。


 「ちょっとならいいか…」と、リードを離してあげたのが間違いだった。

公園の奥にある池のベンチで、いつもビスケットをあげるので、

一目散にその池の方へと駆けて行ってしまったのだ!


 公園には、ほとんど街灯も無く、うっそうと茂った木々が

さらに光をさえぎっている。


 「懐中電灯も持っていないのに!」、失敗した!と後を追いかける。

 犬は池のいつもの処で、嬉しそうに待っている。

 「早くおやつをあげてさっさと帰ろう!」と、焦れば焦るほど真っ暗な中

なかなかビスケットが出せない。


 と!その時!真っ暗な雑木林の中からこっちに向かって誰かが

やって来る!


 ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッ!


 規則正しい足音で…!「これはおかしい!」と心の中で叫ぶ!

生い茂った雑木林の中を?規則正しく、しかもまっすぐ歩くなんて!

真っ暗闇の中?灯りも持たずに?


 人好きな犬もその気配に気づき、そっちへ向かおうとする!

犬を押さえながら、早くビスケットをあげて立ち去ろう!と焦る!


 ザッザッザッザッザッ、どんどん近づいてきて、まさにもうすぐそこ!

雑木林から出てくる!という時!突然ザザッ!っと歩みが止まった!


 …どうやら、こちらを伺っている様子。


 こっちは冷や汗かきながら、やっとの事で犬におやつをあげて、

逃げるようにその場を立ち去った。

 後ろを振り向いたが、結局、そのまま雑木林の中に立ち止まった

ままのようだった。



【小噺・物語】 <雑木林>


A: 「おい!雑木林の中を…まっすぐ誰かこっちへ歩いて来るぞ!」

B: 「え?あんなにいっぱい木が生い茂った中を? …うっそう!」

                                     デンデン/