怪句 その4
「廃ビルの 壁からなぜか 手が出てる!」
京都でのラジオの生放送の、リポート中での一句。
詠んだままの通り。当時ラジオのリポーターをやっていて、
予算がまったく無くPHSだけ持たされて、局のハッピを着て、
車も使わず、とにかく生放送中に京都中を歩き回り突撃型の
リポートをするというもの。
自分で「ウオーキングリポーター」と言ったがばっかりに、
それが正式名称になってしまったという、まぁ良きラジオの体質で。
とにかく昼から夕方に掛けて3時間以上歩いてたと記憶している。
2~3年やってたと思うが、その間もいろいろあったので、
おいおい紹介しようと思うが、これはその中の一つ。
かなり薄暗い時間だったので晩秋か冬の頃だったろうか。
一目で廃ビルと分かる建物はそれ自体が年代物の物件で独特の
存在感があった。
疲れも手伝い、その存在感に呆然と、ただただ見入りながら歩いて
いると、廃ビルの正面の右側から左側に掛けて進んでいる訳で、
つまり自分からは進行方向の右手に廃ビルを位置していて、
その2階から3階あたりを眺めながら、ビルの左角に視線が
差し掛かった時、ビルの左側面から人の手がぬ~っと突き出ている
のが目に飛び込んできた!
白塗りをしたようなまったりとした人の右腕。
女のものとも男のものとも判別がつかないが、とにかく「何?」、
「誰か居るのか?」、「窓があるんだな」、などいろいろ想像しながら
進んでいるとジワリジワリとその全貌が明らかになった!
左側面の、窓も何も無い、壁から直接手がぬーっと突き出ている
のであった!
すぐに目をそらして、気づかなかったふりをして進むことしか
できなかった…。
【小噺・百物語 】 <右腕>
A: 「プロデューサー!えらいもん見てしまいました!」
P: 「何や?」
A: 「なんと!ビルの壁から人の右腕が突き出てたんです!」
P: 「何!それはスクープやないか!ちゃんと調べて来たか?」
A: 「…いえ、そのまま帰ってきましたけど…」
P: 「君!それは片手落ちやで…」
デンデン/