比割合が大事だと、どの講師も口をそろえて言うし、どの保護者の方も大事であることは認識してらっしゃると思います。
ただ、なぜ大事なのか?比ってそもそも何なのか?どのように活用するのか?それらの問いにちゃんと答え説明できるかどうかとなると、算数を指導する講師でもあやしい人がたくさんいるし、保護者に関してはほとんどがよく分かってらっしゃらないように思います。
そもそも、僕らはなぜ比を学んだほうがいいのでしょうか?
その答えは簡単で、処理を簡素化するため です。
比とは、簡単に言えばメモリ。我々人間は、シンプルなメモリで大きさを比較する方が、大きさを捉えやすいしイメージしやすいし計算などの処理を簡単に行うことができます。
たとえば、
商品A 7683円
商品B 5122円
この2つの商品の値段を見比べたとき、このような実際の値では大きさを比較しにくくイメージしにくく捉えにくく、我々人間にとって具合が悪いわけです。
しかし、2561円を1メモリ とすると、
商品Aは3メモリ、商品Bは2メモリ なので、
「あー3に対して2なのね」というように、大きさを比較しやすく、イメージしやすく、捉えやすくなります。
このようにできるだけ簡単なメモリで大きさを表現してあげるだけで、大きさを捉えやすいから処理が圧倒的に楽に、簡素化され、我々人間にとって色々なものに対する理解が容易になるので、大変有難いのです。
比を学び、活用できるようになった方が、生活の中でも正しい判断を積み重ねることができるが故に、我々人間は比を学んだ方が良いのです。
比割合が大事だ、というのは算数数学の世界でのみ大事ということではなく、日常生活で色々なものや現象をスムーズに理解するための必須の武器となり得るからこそ大事なのです。
比というメモリが、処理を簡素化し理解を促進するのに役立つ、というのは理解していただけたかと思います。
さて、本題はここから。つづいて「割合」について、です。
皆さんの中には、比と割合が大事とは言うものの、「比」と「割合」がどのように違って、どう繋がってくるのか、実はよく分かっていない方が多いと思います。
割合とは、簡単にいえば何倍か。整数倍なら簡単ですが、分数倍、小数倍、そして百分率や歩合といった何倍かを特別に表す方法が割合では登場するので、分かりにくく、比べにくく、処理しにくいものにどうしてもなりやすいのです。
そこで役立つのが…そう「比」なのです。真打登場といったところです。
ぱっと見大きさを比較しづらい割合の条件を、比で表すことで簡素化し理解しやすく処理しやすくするのです。
にも関わらず、せっかく比を学んだのに、割合の処理に比を活用せず、小4までに習った小数分数かけ算わり算の知識でなんとかしようとしてしまっている人が多いのが現実…というわけなのです。
せっかく比を学んだのに、全体を1とか10とか100とか置いときゃいいみたいな脳死処理をしてしまっている人が本当に多く、非常にもったいない勉強をしてしまっています。そしてそういう人は、とりあえず損益売買算(商売の問題)の単元でまずは軽くつまづき、小6になって入試レベルを扱うようになって本格的につまづき、最後まであたふたすることになるのです。
簡単な例を出しましょう。たとえばスーパーに行って「2割引き」といった表示などよく見かけると思います。
多くの人が授業で、2割引きは 1-0.2=0.8で、0.8をかけた値段になるんだよと習い、かけ算やらわり算やらで処理し答えを出していき、それで良いのだと思っている大人も多いと思います。
これは決して間違ったことをしているわけではないのですが、本記事タイトル「僕らが比を学ぶ意義」には大きく反します。
何度も言いますが、「僕らが比を学ぶ意義」は
簡単なメモリで大きさを表現することで大きさ比較や大きさイメージを容易にし、計算などの作業を簡素化すること
です。
つまり、2割引き、という表示を見て我々は、値引きされる前と値引きされた後の値段が即座に比で捉えられるようにトレーニングすべきであり、それが割合の単元の学習で習得すべき一丁目一番地テーマなのです。
2割、というのは割合の特別な表し方「歩合」(=小数倍の別の言い方)で、0.2倍、と同じ意味です。
ここで大事なのは、0.2倍なんだったら0.2をかけたら良いだけでは?と思うかもしれませんが、それだと、大きさを比という簡単なメモリで表現し簡易的に捉えるという目的が達成されません。比にするためには、小数倍より分数倍の方が相性が良いので、割合は基本的に分数倍に直す習慣をまずは身につけなければなりません。
ここでは、0.2=1/5 ですから、
「2割引き=1/5だけ安くなる」と読み変えることができて
5メモリから1メモリ引かれて4メモリになる
これが、2割引きという割合の条件を見て、捉えてほしい大きさ比較のイメージなのです。
皆さんはこれまで、「2割引き」という表示を見て「5という大きさが4という大きさになる」とイメージ出来ていたでしょうか。比を学び活用する、とはこういうことなのです。
元の値段を10と置いて2引かれて8、でもいいですか?という質問があればそれはとても良い質問で嬉しいのですが、こういう質問ができるところまで来れば、比割合の学習の第一歩は踏み出せているのではないかと思います。
小数のかけ算わり算でごり押ししようとするよりは余程良いですが、できるだけ簡単なメモリで表現(約比といいます)した方が比較しやすいという原則(確かに例外もありますが)に則ると、10から2引かれて8、よりも5から1引かれて4の方が良いわけですね。
以上を踏まえて、お子様の割合学習を改めて振り返っていただくと、とんでもなくあさっての方向を向いてしまった学習になっている方が多いのではないでしょうか。
全体を1とおくとか、小数分数のかけ算で処理とか、これらは決して間違ったことをしているわけではなく、ただ、だからこそ厄介な所でもあり、答えが合えばそれでいいじゃないかと思い込んでしまい、修正が非常に困難になります。応用がきかず柔軟性の無い割合条件の処理法が身につき定着してしまい、非常にもったいないのです。
我々人間が比を学び活用する意義、をぜひ思い直していただいて、大事な大事な比割合学習に本記事を少しでも役立てて頂ければ嬉しく思います。
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