ご存知の方も多いと思いますが、来春実施される大学入試から大きな変化が起こります。
それは、センター試験が『大学入学共通テスト』へと移行する、という点です。
ここに至るまで様々な変遷がありました。例えば「記述式テストの導入」を試みようとしましたがシステム的な問題から頓挫したお話は有名ですね。
じゃあ結局、名前が変わるだけで内容は変わらないの?と思っている方も多いと思います。
実は、大学入試センターのサイトに飛べば、行われた試行調査の問題も問題作成方針も確認することができます。しかし一体どう変わるのかという根本的な部分に関する答えを知るには、そもそもなぜ長年続いた「センター試験」を廃止して『共通テスト』に変更しなければならなかったのか、なぜ『教育改革』『入試改革』をしなければならなくなったのか、を改めて振り返る必要があると思います。
なぜ変わるか、それは、簡単に一言で言ってしまえば、
『時代が激しく変化する(している)』
からです。
皆さんの中に、10年後20年後の社会を予測できる人はいるでしょうか?逆に考えてみてください。たった10年前、今の社会を予測できたでしょうか?スマホが爆発的に普及し、twitterやYoutubeなどのソーシャルメディアが台頭し、LINEで連絡を取り合うようになり、Zoomによるオンラインコミュニケーション、コロナウィルスによる感染症拡大による経済活動自粛…等。挙げればキリがありませんが、現代において当たり前になり常識化されようとしていることが、たった10年前であっても到底予測できるものではなかったわけです。
情報や技術の革新と少子高齢化も相まって、これから10年後20年後の未来は、現代の我々にとって
『未知の社会』
となり得るわけです。
となれば、人類はそんな『未知なるもの』や『急速に変化するもの』に対応していかねばなりません。
では、どうするべきか…
『教育』を変えなければならない
となるわけです。
どう変えるべきか、新指導要領の内容から読み解けば以下の5点が重視されることになります。
『思考力』
『判断力』
『表現力』
『活用力』
『言語能力』
言語能力のことをイコール英語力のことだと思い込む人もいるかもしれませんが、英語だろうが日本語だろうが中国語だろうが喋れるかどうかということではありません。そもそも私たち日本人でさえ、全員が日本語という言語をきちんと活用できていると言えるでしょうか?
言語能力というのは、話す聞くうんぬんの話ではなく、言語というツールからいかにして情報を読み取るか、伝えるか、が重要だということです。
そもそももう英語を話す力、聞く力、などが近い将来無価値化するのは時間の問題と思います。技術革新により瞬間翻訳の精度が上がり、他言語の知識がなくとも世界中の人々と会話が成り立つ時代はもうそこまできています。(皆さんはポケトークやDeepLといったAI自動通訳機の存在を知っていると思います。あぁいった類の機器の精度が上がり、低価格で実現され、大普及する未来などは容易に予測範囲内のことです。)
このブログをご覧の皆さんの中にはもしかすると、「これからは英語が喋れなきゃ」「これからはプログラミングだ」と考え、英語教室やプログラミング教室にお子様を通わせている方がいるかもしれませんが、残念ながら、世間で話題になってる時点でもう時代遅れなわけです。それほど、時代は急速に変化しているわけです。
前置きが長くなりましたが、やっと本題に入れます。
教育がなぜ変わらなければならないか、がお分かりいただけたと思いますが、教育を変える方法として、一番手っ取り早いと言ったら表現が不適切かもしれませんが、最も効果的な方法は何かといいますと、
『入試を変える』
ということになります。
国内で最もポピュラーな試験と言えば、センター試験。それからまず変えよう、という流れになったわけです。
つまりこれは、教育改革や入試改革の序章に過ぎません。そこから派生して、国内に存在するありとあらゆる『試験の変化』の波及効果が期待されているわけです。
中学入試もその一つですし、むしろ中学入試など、最も直下的にその影響を受けるでしょう。なぜなら、中高一貫制度を取る私立学校の出口は『大学入試』だからです。
中学入試において、最も重要な科目である国語と算数は、これから求められる力が問われるような内容へと確実に変化していくと思います。
前記事でもあるような「はじき」「くもわ」などやってる場合ではありません。冗談抜きでです。(前記事「はじき教育の弊害」)
算数において、これから求められる力がどのように問われるか、という意味で特筆すべきは『表現力』の部分だと思います。つまり、論じる力、『論証力』が問われてくるようになるでしょう。
関西の2大巨頭である、灘中、東大寺学園中の算数ではすでに、途中の考え方や図や式によってプロセスを提示する力、つまり『論証力』が答案用紙を見るからに求められていることが分かります。(大阪星光学院中の算数でも、1枚目に関して今年(2020年)からそういう変更がありましたね)
答えさえ出ればいい、とか、正解さえ出せればいい、というような性質のテストは、今後中学入試においても急速に減少していくでしょう。
ただ、それは出題される問題自体が変わるというわけではないと思います。論証・表現を伴った答え方が求められるように変化していくわけです。
以下の新聞記事にもあるように
暗記に頼るのではなく、問題文から正確に情報収集した上で、思考→判断→論証、の過程をしっかりと踏めるよう鍛えられた人が得点できるような試験が増えていくことでしょう。
では、算数数学において、今後どのように勉強していけばよいのか、と言うと、大きく以下の3つが言えると思います。
● なぜ?の追求
● 自らの誤答について分析
● 複数の解法について議論
つまり
●公式の意味をよく分からず使うのではなく、常になぜ?を追求する。
●間違った問題に対して、ふんふん解説を読んで写して終わり、といったやり方ではなく、自分の解答のどこをどう直せば正しかったのか、を深く分析する。
●仮に正解していたとしても、解説の解法は自分の解法と比べてどうなのか、他に解法は考えられないかを吟味し、学校のクラスなど集団で学ぶ環境があるならばその中で議論する。
この3つを心掛けて、勉強していく必要があります。
そうでないと、これからの新しい時代、未来に対応できません。
暗記に頼って問題を解いていても、予想不能の未知の時代を生き抜くことはできません。
現行制度化においても、これらをやれている人は強いです。安定的に得点する力があります。ですから、これから教育や入試やテストの質が変わろうが変わらまいが、上記のような学習の心掛けが実は超重要なのです。
算数の勉強を通じて、少し先の未来への準備をしませんか?
make sense!
■■算数ソムリエ■■