香りの遠足、内藤記念くすり博物館の見学会レポートの続きです。
前半では2000坪に約700種類の薬草・薬木が植わる薬用植物園での体験を紹介しました。
敷地内には、植物園の他に資料展示館や図書館などがあります。
明治以前の「日本の医療」にまつわる貴重な資料が膨大に保管されており、公開されたり閲覧可能となっているようです。
中国伝来でありながら本国では消失してしまった書物の写本などもここには現存するそうです。彼の国から調査に訪れられることもあるのだとか。
重要な機能を果たしてる施設のようですよ。
後半レポでは、貴重な資料群が並ぶ展示室で見学したことをご紹介しますね。
明治以前の「日本の医療」って、すなわち東洋医学や民間療法ですよ。
最近見直されつつある分野ですよね。
西洋医学の導入で軽視され完全に衰退してしまった「伝統の遺品」が、体系立てて展示されています。
時代遅れなものが容赦なく廃棄されていく昨今において、古いものをこんなにも蒐集し、かつてを偲ぶ展示をされていることが新鮮でした。
でね、
そんな展示に囲まれてみると、昔の人の健康観への想像が膨らんでいきました。
螺鈿が施された雅な行商の薬箱。
薬への期待感や希少性は今以上だったんだろな。余るほど処方される現代とは価値が違っただろな
プラセボ効果の重要性も今以上だったんだろな。即効性じゃないだけに
「病は気から」って概念に頼るウエイトがぐんと高かった時代。
…本来それでよかったのではないか
昔の人は体の変化にもっと敏感だったろうな。
…本来そうあるべきだよな
大学の生薬学の講義でいちばん最初に登場する『神農本草経』。一度たりとも本物を見たことがなかったけど、ここにありました。感慨
漢薬の始祖「神農」は百草を舐めて薬効と毒性を見極めたとの伝説があります。
薬大生はクスッと笑ってふーんと呟いて終わるところですが、案内くださった長谷川香与子さんの解説が素晴らしかった。
現代ではGO/STOPの判断を賞味期限などのルールに頼ることを良しとしてるけど、それって実際に見合ってないことは多い。「感覚」に頼って判断するのが常識だった時代があり、ズバリの正解は感覚で確かめられてきた。っと。触診もそうですね
おぉ、神農神話にはそんな意味が込められていたのかと浅はかさを恥じました。。
生薬の講義で毎回でてきた『傷寒論』も現物がここに。
葛根湯に処方されてる現物とともに展示されておりました。
学生時代にここを訪れることができていたら、かなりモチベーション上がったはず。
講義にテンションも上がっただろうのになぁ。遅かりし
実物を見ることなく丸暗記した品々がずらりと並んでおりまして、素晴らしき充実度。
同級生たちと訪れたら爆上がりしそう
薬学生諸君、訪れるべし。
ところで、
日本でも植物蒸留はおこなわれていたそうです。
「らんびき」という装置で野薔薇や薬草を蒸留して精油が採られていたようで、その装置も実際に見ることができました。
揮発を防ぎ、空気に触れないようにしっかりと封された精油瓶。
この他にも華岡青洲の麻酔薬や外科手術の資料だとか木樽製のよもぎ蒸し装置だとか、「へぇ〜、あったんだぁ。」って歴史遺産が多数。
そんななか、魔除けの白沢を描いた屏風。病封じに効果があるとして枕元に立てたのだとか。
「病は気から」。。きっと効果があったことでしょう!
楽しみだった生薬学の講義に肩透かしを喰らった元薬科大生、香りの遠足に思わぬおまけをいただき2倍楽しませてもらいました。
お誘いくださった福祉アロマの先生 芳崎よしこさん、ありがとうございました!
盛りだくさんにアテンドをくださった長谷川先生にも感謝です。
3種類の蒸留水をお土産にいただきました。クロモジ、ミカンの花、イチゴ。イチゴですよ!
さて、ねこ福ではお味噌づくりの募集始めました!













