人間国宝 稲垣稔次郎さんの作品展を訪れました。
昭和生まれの人ならば、名前を存じずとも作品はきっと見たことがあるのでは。
このタッチや色使いで「あっ!」っとなるのでは。
わたしは観れば観るほどに、子供の頃の日常がフラッシュバックしてくる懐かしい感覚になりました。
どこで見たのか触れたのか、そんな記憶は不確かだけど、あまりにも馴染みがありすぎて、
『京都ってこう描くもの』、『着物の柄にこういうのよくある』みたいな見過ごし方をしてきたかもしれません。
でもそれは追随品が商業化されたものだったかもしれないな。
美術館で出会った本物はふっとため息をつきたくなるような世界観がありました。
京セラ美術館所蔵の作品展示では、「型絵染」という技法で彩色された着物、額絵、屏風、また使用された型やスケッチを拝見できました。
撮影できる作品があったので、ここに。
簡潔にデフォルメされてるのに何故か愛くるしい虎さん。
2体のボディはほぼ相似形で顔の位置と向きをちょっと変えてるだけなのに、個性と対話が生まれ、和やかな空気が醸し出されてる。
「平家物語」ひよどり越え
この版画の騎馬兵は全部一つの型紙で染め分けられているそうです。
指揮する1人と指示に従う多数。登場人物にその2種類しか型がないって、ある意味核心だなぁっと皮肉な感じで印象深い作品でした。
この他に京都の名所を描いた版画絵も多数。
どれも古き良き昭和の京都の空気感が込められていてじっとずっと観ていたかったです。
今の京都はますます慌ただしく騒々しく新しく変わっていってしまうので、絵の中を流れるゆったりした空気に昔が偲ばれました。
こちらから拝借
御所を出発する時代祭を題材にしたこの作品も好きだったな♪
「稲垣稔次郎」と検索すればたくさん画像が出てきますが、美術館で展示されてた作品群は殊に秀逸な感じがしましたよ。
お着物も数点ありました。
凛とした生命力が宿っていて素晴らしかったです。
検索では実際に着用されてる画像も出てくるのだけど、着こなされるとさらに絵柄の粋さが際立ち、どれもカッコよかったです。
着こなしも計算の上でデザインされてたんだろうな。
9月下旬まで開催されてるのでぜひ実際にご覧になってくださいませ。
技術的にも素晴らしいのだそうですが、そういうのがわからなくても、絵として引き込まれる魅力がありますよ。
生き生きとした人物描写、風景描写や色の滲みから醸される時代の空気。
真似事では表せない先駆者の勢いに引き込まれるのかもしれません。
その後一世風靡したモチーフの源泉ならではの斬新なパワー。
今観ても新しいと感じれる「何か」って、小手先の技術や発想では通用しない本質を孕んでいるから後世まで受け継がれるのだと思います。
時代を経ても色褪せない日本の美。味わい深いです。
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