『ドライブシュミレーター』での忘れられない思い出 3 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

 

 

   「はいっ、何ですか?」

 

 

   私もびっくりしたが「講師」のお嬢さんも驚いたのだろう、それまでよりも一つトーンの高い声で返事をした。

 

 

 

 

 

   「…あ~、あのお~おおおぉぉ……」

 

 

   「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   「……トイレぇ、行ってイイですかあ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

   ……はいっ!????

  \(@_@)/!

 

 

 

 

   「講師」は完全に絶句してしまっていたが、私は思わずテーブルに突っ伏し、肩は盛大に震えるものの「音」が出ないように口を手で覆って必死で堪えていた。

 

 

 

 

 

    「…と、トイレッ……?!」

 

 

   やっと、「講師」が絞り出すような声を出した。

 

 

 

   「……はい~……。」

 

 

 

 

   「…が、我慢出来ない?」

 

 

 

   「……え~っ? う~、あ~、あのぉ~……」

 

 

 

 

   「……出来る……よね?」

 

 

 

 

   「……え~ぇぇぇ……う~、う~、え~っと……」

 

 

 

 

   「…あと15分くらい(で休憩時間)……だから!」

 

 

 

    「……あ、あぁ~……はいぃ~……」

 

    

 

    …『ボケナス』それだけ言うと再び『ノッソリ』と椅子に座り直した。

 

 

 

   深い溜息を吐いた「講師」。

 

   私はテーブルに突っ伏したまま、なかなか顔を上げることが出来なかった。

 

 

 

 

 

   『ドンクサ』が終わり、「講師」が機械をチェックした直後「終業」のベルが鳴った。

 

 

 

  「はい、では次の授業は実車ですので

 

  いつもの場所で待っていて下さい!」

 

 

   …そう言った「講師」は、一番に立ち上がり出て行こうとした『ボケナス』に向かって続けてハッキリとこう言った。

 

 

 

  「ちゃんとトイレ、行って来てね~っ!」

 

 

 

   私はやっと持ち上げていた顔をまた突っ伏してしまったのだが、思わず『ボケナス』に聞こえるか聞こえないかの声でこう言っていた。

 

 

 

  「…トイレの後は、ちゃんと手を洗おうねっ!」

 

 

 

 

 

 

 

  …あ~情けない……!

 

 

   結局、その後の『実車講習』でも、更にその後の『反省を含めた講習』でも、彼ら二人が「自ら声を発する」ことは一度も無く終わったのでありました…!

 

 

 

 

 

   しかしなあ……。

 

   あの彼らも「家族」の間では『自慢の息子』なんだろうな……とその時でも私はそう考えてしまった。

 

 

 

  きっと「彼ら」の家族は……特に母親は、自分の息子が周囲にこんなことで「笑い者」になっているなどと夢にも思わないだろう。

 

   『家庭内万能薬』を与えられ続けて来たから「家庭外の人達」に対する礼儀も常識もない、いや、「無くても生きて来れた」だけだろうから。

 

 


  

   まさに『親の顔が見たい』……だけど、この言葉、今の人達に通じるかな?

 

   

  そう言えば母と同じ(!)で「表向き」の顔はメチャクチャに良い「姉」のことを母が愚痴るようになった時、私は良くこう返事をしてあげたものだ

 

 

 

  「うんうん、『親の顔が見たい』よねえ? 見ているけどさ!」

 

 

  …それに一瞬絶句した後の母の答えもいつも一緒だった。

 

 

 

 

  「アノ子はお父さんに似たんだ!

 

 第一子は100%父親に似るんだっ!!」

 

   …( ̄▽ ̄)……。

 

 

 

  「オカシイねえ、お父さんはナニもやってくれなかった、

 

  100%自分が育てた!……んじゃなかったっけ?」

 

 

 

   …その「返事」を今だ聞いたことがないのは言うまでもない……!

 

 

   ( ̄ー ̄)V