「はいっ、何ですか?」
私もびっくりしたが「講師」のお嬢さんも驚いたのだろう、それまでよりも一つトーンの高い声で返事をした。
「…あ~、あのお~おおおぉぉ……」
「はい?」
「……トイレぇ、行ってイイですかあ?」
……はいっ!????
\(@_@)/!
「講師」は完全に絶句してしまっていたが、私は思わずテーブルに突っ伏し、肩は盛大に震えるものの「音」が出ないように口を手で覆って必死で堪えていた。
「…と、トイレッ……?!」
やっと、「講師」が絞り出すような声を出した。
「……はい~……。」
「…が、我慢出来ない?」
「……え~っ? う~、あ~、あのぉ~……」
「……出来る……よね?」
「……え~ぇぇぇ……う~、う~、え~っと……」
「…あと15分くらい(で休憩時間)……だから!」
「……あ、あぁ~……はいぃ~……」
…『ボケナス』それだけ言うと再び『ノッソリ』と椅子に座り直した。
深い溜息を吐いた「講師」。
私はテーブルに突っ伏したまま、なかなか顔を上げることが出来なかった。
『ドンクサ』が終わり、「講師」が機械をチェックした直後「終業」のベルが鳴った。
「はい、では次の授業は実車ですので
いつもの場所で待っていて下さい!」
…そう言った「講師」は、一番に立ち上がり出て行こうとした『ボケナス』に向かって続けてハッキリとこう言った。
「ちゃんとトイレ、行って来てね~っ!」
私はやっと持ち上げていた顔をまた突っ伏してしまったのだが、思わず『ボケナス』に聞こえるか聞こえないかの声でこう言っていた。
「…トイレの後は、ちゃんと手を洗おうねっ!」
…あ~情けない……!
結局、その後の『実車講習』でも、更にその後の『反省を含めた講習』でも、彼ら二人が「自ら声を発する」ことは一度も無く終わったのでありました…!
しかしなあ……。
あの彼らも「家族」の間では『自慢の息子』なんだろうな……とその時でも私はそう考えてしまった。
きっと「彼ら」の家族は……特に母親は、自分の息子が周囲にこんなことで「笑い者」になっているなどと夢にも思わないだろう。
『家庭内万能薬』を与えられ続けて来たから「家庭外の人達」に対する礼儀も常識もない、いや、「無くても生きて来れた」だけだろうから。
まさに『親の顔が見たい』……だけど、この言葉、今の人達に通じるかな?
そう言えば母と同じ(!)で「表向き」の顔はメチャクチャに良い「姉」のことを母が愚痴るようになった時、私は良くこう返事をしてあげたものだ
「うんうん、『親の顔が見たい』よねえ? 見ているけどさ!」
…それに一瞬絶句した後の母の答えもいつも一緒だった。
「アノ子はお父さんに似たんだ!
第一子は100%父親に似るんだっ!!」
…( ̄▽ ̄)……。
「オカシイねえ、お父さんはナニもやってくれなかった、
100%自分が育てた!……んじゃなかったっけ?」
…その「返事」を今だ聞いたことがないのは言うまでもない……!
( ̄ー ̄)V