「判りました。
ただ、ここは『私の家』ですから、
泊まるには『私が言う通り』にして頂きます」
…そう返事をした私を「テイさん」はまた自分に都合良く理解したのだろう。
その後のメールもずっと変わらず的を得ない、私の事など全く気にしていないだろう事丸判りの「能天気」としか言えない内容が続いた。
私としては……本当に「私」のことなど忘れているんだな、と確認する日々だった。
しかしそんな「テイさん」が、正確ではないとは言え私の「真剣さ」を理解する日がとうとうやって来る。
前記したように「ソウちゃん」がコノ国にやって来る日には友達の車に乗って私と「タオ」も一緒に空港まで迎えに行った後、「テイさん」に「無事到着」を報告する予定だった。
しかし私はもう「テイさん」だけでなく「ソウちゃん」にも会いたい気持ちが全く無くなっていた。
と言うか自分がそういう時には「顔に出る」人間なのが判っていたし、何度も言うけれども「ソウちゃん」に罪はない。わざわざ不愉快な顔で出迎える事も無いだろう。
もちろん友人には事前に事の次第を詳しく伝え、私の気持ちを理解をして貰えていたし、彼女が滞在中も私は一切会わないこと、事の経過は「ソウちゃん」に一切言わないことも約束してくれていた。
私は「ソウちゃん」が来る前日になって「テイさん」に簡単なメールを書いた。
「ソウちゃん」の英語の勉強の為には
私が居ない方が良いと判断しました。
空港に私は迎えに行きませんので悪しからず」……と。
当日、友人は私が渡した「ソウちゃん」の写真を持って息子さんと一緒に迎えに行ってくれた。
後日聞いた話によると、ゲートから不安げに降りて来た「ソウちゃん」に当然だが友人の方が先に気が付き、写真を見せながら笑顔で近づくとホッとしたのか急に涙ぐんだのだそうだ。
「でも、直ぐ泣き止んだけどね」
友人はそう言って笑っていたが、それに反して笑えない状況になったのは「テイさん」の方だったようだ。
「ソウちゃん」がコノ国の土を踏んだ直後から、私に対する「テイさん」の態度……否、メールの「口調」が180度、見事に変わったのだ……!