「買い占め」の歴史は繰り返される 15 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

  

  

    カートを任された私は、特に取り急ぎ欲しいモノが無かったこともあり一人で店内を歩き回っていた。

 

 

 

    状況は普通のスーパーとほぼ同じ。

 

 

 

    トイレットペーパーが無い、長期保存牛乳が無い。

 

 

 

    「おひとり様2袋まで」

 

    という張り紙があった米のコーナーも殆ど品切れに近くなっていて、「2」の部分に横線が引かれ「1」になっていた。

 

 

 

    ビスケットやシリアル関係は品薄に見えたが、一箱40個入りのチョコバーとかバケツサイズ!のヌテラ(チョコスプレッド)などは殆ど残っている。

 

 

 

   普通のスーパーではガラガラだった冷凍食品は未だそれなり……自分では全く買わなくなったけれども、「冷凍フライドポテト」が売っているのを見たのは久し振りの気がした。

 

 

 

  流石業務スーパー、一般フロアと別に『野菜・果物室』や『乳製品室』というのがある。

 

 

  『野菜・果物室』はチラと見ただけで特に品薄になっている感じは無かったので、ヒマだった私は『乳製品室』なる部屋に入ってみた。

   

 

  室温維持の為に出入口に透明な「暖簾」が掛かっていて、中は10畳ほどの部屋全体が冷蔵庫になっている。

 

 

  大型のバターやマーガリンばかりでなく、特大サイズのチーズやカフェなどで出て来る「一人分」のバターなどが箱単位で売っているのが面白くてゆっくり見ていたら、友人が暖簾の隙間から顔から入って来た。

 

 

 

   「牛乳、ある~?」

 

 

 

   その時点で私が「牛乳」だと思っていたものは殆ど「生クリーム」だったのだけど、何とか最後の3本を確保!

 

 

   気が付くと私は結構な時間入っていたようで、身体がすっかり冷えてしまっていた……!

 

 

 

 

   二人で移動した肉のコーナーはすっからかん……だと思ったら、肉屋の恰好をした二人の店員が大量の大型パックを乗せた大きな配膳車を押してやって来た。

 

 

   「ラッキー!」

 

 

   …友人は直ぐさま、棚に並べられた瞬間の5kgの鶏肉パックを掴んだ。

 

 

 

   他の場所で買い物をしていた客もわらわらと集まって来た。

 

 

   肉屋の二人は傍目にもハッキリと判る程の不機嫌な顔をしている。

 

 

   そりゃそうだろう。普段のコノ国の労働者にとって「忙しい」というのは単に

 

 

 

   「仕事が途切れない」

 

 

 

   …という『ダケ』で、その「忙しい」の中には「のんびりとお茶を飲みながら」とか「同僚や顔見知りとお喋りしながら」という前置詞?が含まれているのであって、それらを全部諦めて

 

 

 

 

   「いつもより倍のスピードで

 

   仕事をこなさなきゃ間に合わない」

 

 

 

   …ということでは無いのだから……!