「買い占め」の歴史は繰り返される 13 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

  

  

   『M』にも広大な駐車場がある。

 

 

  それがやっぱり既にほぼ満杯。

 

 

  それでも私達は何度もグルグル回る事はなく、何とか建物から一番遠いと言える場所に一発で停める事が出来のだが

 

 

   「ここで、こんな場所に停めなきゃいけない事なんて無かったわ!」

 

 

   入口まで歩きながら友人がボヤいた。

 

 

 

 

 

   店内は人が一杯いたが不思議な事に第一印象は「すっからかん」ではなく、それぞれの客が大量に買い物している……そう、まるでクリスマス時期みたいに……という感じではあった。

 

   もちろん、その内容はクリスマスのソレとは全く違って芋やら肉やらの生鮮品や生活日用品ばかりなのだけど。

 

 

 

 

    「良かった、何とかなりそう!」

 

 

 

  「買い物リスト」を持っていた友人は喜々として品定めを始め、私は彼女の助手兼偵察を兼ねて店内を走り回った。

 

 

  長期保存牛乳やトイレットペーパー・キッチンペーパー・ティッシュペーパー、消毒系洗剤は無し。

 

 

  肉も牛肉はカラ、他も品薄。

 

 

  野菜類が比較的残っているのは『庶民派スーパー』の特徴か?

 

 

 

 

  今回は「小麦粉」も品薄品のリストに入っているのだけれども、不思議な事にコノ国にでは重曹入りの「セルフ・レイジング」という小麦粉の方が人気がある。

 

  『M』でも普通の小麦粉は結構残っているのに「セルフ・レイジング」はほぼゼロ、500g入りの品(こちらでは1.5kgが普通サイズ)が10個ほど残っているだけだった。

 

  友人のリストにも「セルフ・レイジング」があったので、あわてて4個取って彼女のカートに放り込む。

 

 

 

 

  レジは当然ながら長蛇の列。

 

  そういう「ただ待つしかない」時、コノ国の人達は見ず知らずでも平気でおしゃべりを始める。

 

  当然話し好きの友人も後ろの年配カップルと楽しそうに話し始めたのだけれども、正直『今の状況』でマスク無しで、且つ結構な至近距離で延々喋り続けられるのが凄いよな……と呆れるのを通り越して感心する私。

 

 

 

   まさに「濃厚接触」な待ち時間からようやく順番になると、コノ国ではアタリマエの

 

 

 

  「限りなく『お婆ちゃん』に近いレジのおばちゃん」

 

 

 

   …が露骨に疲れた顔で言った。

  

 

 

    「小麦粉は一回2個までよ~!」

 

 

 

    …品数が多いので一々商品毎に表示はしていないけど、個数制限がある品は数を超えると勝手にレジを通らなくなるらしい。

 

 

 

    2個の「セルフ・レイジング」をレジのおばちゃんが不機嫌そうに外そうとすると

 

 

   「あ、じゃあそれ、ボクが買うよ!」