「あ~、やっと入れる!」
…その店員を見て、周囲に一気にホッとした空気が一瞬流れた。
きっと彼が
「お待たせしました、さあどうぞ!」
…とか何とか言うのだろう、と誰もが思った。
しかし彼は厳しい顔のまま先ず「状況説明」をするので聞いてくれ、と言って話を始めた……以下、その要約。
今日から朝7~8時を『優先時間帯』としたのだが、開店直前には
朝の5時からの行列が1000人を超えていた。
人数制限しながら何とか全員入店し終わったが、
まだ150人以上が店内に居る。
正直、貴方達が欲しいものは殆ど出払ってしまったから
先ず品物の補充もしなければならない。
従業員が足りていないこともあり、どちらも直ぐにはさばけない。
今朝は2台のトラックが来たのだけれども、今の時点で
貴方達の欲しいものが残っているかどうかも保証出来ない…。
絶望的な雰囲気が周囲に広がって行った。
「そして…」
彼はゆっくりと、それまで以上に声を上げて言った。
「今の状況では、次の入店は
『早くても』10時過ぎになると思う。
それまでどうするか、決めるのは貴方達自身です」
…( ̄_ ̄|||)……!
3月も中旬過ぎとは言え、コノ国はまだまだ寒い。まして朝はもっと。
私達が着いた時間でさえ外で10分もジッとしていると寒さが染みて来ていたのだから、朝5時(前?)から並んでいた、という人達は移動式炬燵でも持って来ていたのだろうか?
というか、優先されているのは「買い物弱者」と言える「高齢者」や「障碍者」という『社会的弱者』じゃなかったのか?
例の「出戻りお嬢さん(参照; 10)」のように若くて元気な「医療関係者」だったとしても、吹きっ晒しに2時間以上立ち続けたら身体に悪いだろうし、何より仕事する前に疲れ切ってしまうんじゃないだろうか?
周りに居た人達が少しずつ帰り始めた。
「どうする?」
まあこの状況なら当然帰るよね、と確認のつもりで友人に聞いたのだが…
「よし、『B』に行こう!」