変わりゆくものたち | ずっと貴方だけを見つめていました

ずっと貴方だけを見つめていました

2022年1月に26年間連れ添った夫が天国に逝ってしまいました。
同じような境遇の方たちのブログを読み、苦しみを紛らわせていただいています。

ひたすら淡々と1日1日を生きている

毎日をただ消化するかのように

淡々と過ごしている

 

 

夫が亡くなってしまったことを

ふと本気で考えてしまいそうになると

夢空間にスーっと入っていく感覚になる

防衛本能なのかな・・

 

 

何のために?

とか考えないよう

 

未来は?

なんて想像しないよう

 

感情が暴れださないように

ひたすら淡々と今を生きている

 

 

 

でも

マンションの廊下を歩いている時なんかに

ひょいっと夫が現れるんじゃないかと

つい期待してしまう

 

よくバッタリ会っていたから

 

 

一方で

「あれ?夫は本当にいたんだろうか?」

と思ってしまう瞬間もある

 

 

 

 

 

 

結婚して今の地に引っ越してきて25年

ずいぶんと街の様子は変わってきている

 

変わってゆく街の景色を見て

写真を撮っておけばよかったね

なんて夫はたびたび言っていた

 

 

夫は街が変わってゆく様子を

ワクワク楽しんでいた

「今度新しくラーメン屋さんができるよ」

なんてネットでいち早く情報を仕入れては

いつも私に教えてくれていた

 

 

そして今や

駅の向こう側はタワーマンションや

小さなモールまでできて

見違えるほど変わった

 

けれども駅のこっち側は

地権者と開発業者が折り合わないのか

再開発されそうになっては頓挫を繰り返し

古いビルが建ったまま取り残された感

 

でも遠からぬうちにここも変わっていくはず

もし街づくりが本格的に始まったら

激変すること間違えない

 

 

夫と一緒に

「何ができるんだろうねぇ」

といろいろと予想して楽しんでいたけど

今は変わってしまうことが怖い・・

 

このままずっと

古いまま、取り残されたままがいい

 

 

 

 

 

 

駅横の高架下にも

ずっと更地のままの場所があって

そこに看板が立っているのを見つけた

 

近づいて読んでみたら・・

「温浴施設」

 

 

えーっ?スパ?

 

広いスペースだから大規模なスパができる?

 

 

 

 

夫はお風呂が大・大・大好き

家のお風呂でも

平気で1時間以上も入っていた

 

以前はすぐ近所に銭湯があったので

息子が小さい時にはよく連れて行っていた

 

そこが閉店してしまってからは

車で15分くらいの所にあるスパに

わざわざ入りに行っていた

 

 

そんな夫だから

こんなわずか徒歩5分のところに

広いスパができる

なんて知ったらどんなに喜んだだろう

 

 

「わーい!楽しみだな~」

「早くできないかな~」

って満面の笑みで大喜びをして

子供のようにはしゃぐ姿が目に浮かぶ

 

そして

そんな夫を見て極上の喜びを感じる私・・

 

 

 

 

今はまだ更地のその場所を通るたびに

目をそらしたくなる

 

2年後にできるらしいけれども

その前にこの街から逃げ出したくなっている

 

 

 

 

 

時間を止めたい・・

 

 

 

 

身体は時間と言う名の

エスカレーターに乗せられて

周りに見える景色が

徐々に変わっていっても

私の心はまだあの時のまま

 

心は

夫と過ごしたあの頃に置き去りになっている

しがみついている

 

 

 

だから

変わりゆくどんなものも

見たくないし、知りたくない

 

 

まわりの景色は何も変わってほしくないし

夫の知らない情報は何も知りたくない

 

 

 

 

でも・・

どんなに願っても

どんなに祈っても

時間の流れを止めることなどできない

 

そんなことはわかっている

 

 

だから

こんな気持ちのまま

これから先もずっと生きていったら

自分の首を絞め続けるだけ

 

 

 

でも・・

閉店してしまった八百屋さんを見ると

新しくできたショップを見ると

夫の知らないことがニュースで流れると

一瞬でぎゅっと

胸を締め付けられてしまうから

 

思わないように努力をして

何とかなるものじゃない

 

 

変わりゆくことを

いつの日か楽しめる日がくるのだろうか・・